「タイピー -ポリネシア生活瞥見-」 メルヴィル

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世界文学全集14 集英社 ★★


typee.jpg集英社の世界文学全集14「ポー&メルヴィル」に、この「タイピー ポリネシア生活瞥見 」が収められているのを知り、迷いながら借り出し。他に文庫があるかどうかも不明の、めったにお目にかかれないマイナー本だ。

以前に読んだのは遥か昔、多分高校時代だったような気がする。とにかく捕鯨船の乗組員が南海の小島に逃亡し、蛮人に喰われそうになりながらまた文明社会へ脱出するというのが粗筋で、そんな筋よりも初めて読んだポリネシアの別次元のような激しい色彩だけが印象に残っている。ポイポーイ。タブー。タパ布、花束を黒い髪に飾ったオリーブ色の少女たちetc..。

あらためて読み直してみると、やはり大作家メルヴィルの、ごく若い時代の一習作だなーという印象。この中編(だろうな)がなかなか全集にも収められず、文庫や単行本も手に入らないのも納得できる。

主人公トンモ(トム)の行動や心理にはまったく共感を覚えないし、描かれた蛮人たちやその生活・文化(マルケサス諸島が舞台)も浅い。

たいして面白くはなかったが、でも再読できてよかった。再読しなかったら、少年時代からの妙な記憶の断片だけが残り続けて、「あれは知られてないけど、名作だよ!」などと言いかねなかったから。

そうそう。読んでると時々極彩色の1ページ大の挿絵があるのが困った。なんせ上半身裸のポリネシアン少女が花かなんかを持って何かしてるような絵だから。恥ずかしくて電車の中では開きにくかった。こういう点は、集英社の全集は好かん


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