「ダ・ヴィンチの二枚貝」 スティーブン・ジェイ・グールド 

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早川書房 ★★


nimai.jpg 「進化論と人文科学のはざまで」という副題付き。

グールドですから、ま、グールド味の本です。例によっていろいろ啓発される部分が多いのですが、今回面白かったのは生命発祥の道筋の話。簡単にいうと(1)環境の整っている惑星 →(2)何かの偶然で原始生命が生まれる →(3)高等生物に進化する・・という3段階のうち、ほとんどの人は(1)から(2)への段階が大飛躍だっと思い込んでいる。で、いったん(2)が実現すれば、あとは環境と時間さえあれば必然的に(3)へと進む、と勘違いしている。

火星運河説のローエルなども「火星には生命(植物)の兆候がある」「火星は地球より冷えが速かったから、高等生物も急速に誕生・発展したはず」と思い込んでしまい、このため火星に見える(ような気のする)線を運河と断定してしまった。

グールドによると(2)は案外簡単なのだそうです。ある程度の環境と時間さえあれば、確率的に(2)は実現する。しかし(2)のバクテリアが(3)の動物・人間になるという保証はない。少なくとも地球の場合は、この(2)から(3)への変化はたった一回しか起きなかった。つまり、地球上の生物はすべて同源。同じ仕組みのDNA、同じ種類の栄養システム(というべきかどうか)を使って生きているらしい。

なんせ、たった一回しか起きなかったんですから、これが簡単なのか難しいのかも、実は分からない、というのが真実のようです。故に、これを確かめるためにも、地球以外のケースが欲しい。分析できる量の火星のバクテリアがもし入手できるのなら喉から手のでるほど欲しい・・という結論に達するのですが。


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