「横浜有隣堂 九男二女の物語」 松信八十男

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草思社 ★★


yurindo.jpg以前、横浜に住んでいました。横浜における有隣堂というのはたぶん東京の人が感じる丸善なんかに近いんじゃないかなと想像しています。大きい本屋さんというだけでなく、ちょっと文化の匂いがある。

その有隣堂(古い書店で第一有隣堂、第二有隣堂・・・とノレン分けした店が古くはいっぱいあったらしい。そのうちの一つが大きくなった)の事実上の創業者にはぜんぶで11人の子供がいて、みんな優秀で勉強が好きで、がんばって、ま、大正・昭和のころの豊かな中流階級ですね。ベリーアッパーミドルとでも言うべきかな、資産はあるけど華族とか財閥というほどではない。

長女が今のフェリス(もちろん女学校)を一番で出てアメリカに留学。父親は経営不振の折りながら必死に仕送りしたとか。何番目かの息子が海軍兵学校へ行ったとか、東大に入ったとか。戦前の優秀な大家族の暮らしぶりが見えます。

著者は経営には加わらず、物理系で大学の先生で終わった人らしい。そうそう、山手学院もこの一族が小さな英語塾から育てあげたものとは知らなかった。ま、文章はそれほど達意ではないし、よく目にする「自分史」の比較的上質なものというような本です。


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