「史伝 新選組」 三好 徹

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光文社 ★★★

 

shidenshimsengumi.jpg小説宝石に連載していたもののようです。

血沸き肉踊るタイプの新選組じゃありません。なんせ「史伝」ですし、作者は三好徹です。どうもけっこう新発掘の資料も多いようで、従来の子母沢寛、司馬遼太郎とはまた解釈も違うし、観点も異なっています。

冒頭、いきなり出てくるのが福地源一郎。えっなんでこれが新選組なんだ?という導入ですね。剣を握ったこともない福地が少しは覚えようと思い立って門を叩いたのが牛込試衛館。近藤に入門は断られけたど、なんなとく気に入られて、時々は遊びに行った。なんせこのころの福地は一応幕臣ですから、粗末には扱われません。

で、ある日道場で福地が漏れ聞いた浪士募集の話を何気なくした。例の清河の浪士組設立の一件です。近藤たちとはたいした関係もなかった福地だけど、この「情報を伝えた」という一点において実は新選組誕生に大きくかかわってしまっていた・・・。とういうような展開。

松本良順なんかもそうですね。なんとなく、なんとなく近藤や土方との接点を持ってしまう。なんとなく、なんとなく、函館まで同行してしまう。もちろん最後の最後、良順は五稜郭を去ります。

とまぁ、そういう趣向で語られる新選組です。ですから近藤にしろ土方にしろ、その行動は登場人物から見た「情景」として語られる。全体としてたいした量は語られていませんが、でも新選組の存在感は確かにあります。

一味違って、いい本でした。読後感はさわやかです。

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