「タイムライン」 マイクル.クライトン

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早川書房 ★

 

timeline.jpg確か駄作だったという記憶があったものの、読む本もないので借り出し。で、やっぱり駄作でした。

クライトン、つまらない本の比率がだんだん増えてる気がします。才能の枯渇。あるいは細部を詰めて叙述するエネルギーの消耗。この前読んだプレイもそうでしたが、仕掛けに走ってしまって細部をおそろかにしている。キャラクターが(クライトンだからもちろん一応はA級ではあるものの)ちょっと浅い。物足りない。登場人物が動き過ぎるというか、類型的なスリルとサスペンスの連続!というパターン。

それはともかく。内容はタイムトラベル+中世バタバタ活劇。学生たちが14世紀に飛んでナントカカントカという点ではコニー・ウィリスのドゥームズデイ・ブックとかぶるところがありますね。ただし出来上がりは、うーん、月とスッポンですか。この本の場合、特に舞台を中世にする必要なんてないじゃないか・・という疑問が残る。

本筋ストーリーとは別ですが、クライトンの解釈で面白かったのは
(1) 騎士たちの筋力体力。重い剣を振り回すスピードもすごいし、重量鎧をものともしないこと
(2) 軍馬が巨大であったということ
(3) 金満修道院に対する批判として開設されたはずのシトー派がすでに堕落し始めていたこと
(4) テニスの原型が人気を得ていたこと
(5) 水車(粉引き)という施設の持つ重要性

このへん、中世専門の歴史家にとっては常識なのかな? 。そうそう、政治的立ち回りの上手な城主未亡人が出てくるのですが、扱いがもったいない感じ。賢くて狡くて合理的で、この小説の中では唯一面白いキャラなんですが。

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