「クックブックに見るアメリカ食の謎」 東 理夫

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東京創元社 ★★

americashoku.jpg東 理夫という人、名前は大昔から知っていましたが、実際に読んだのは初めて。なかなか面白い本でした。

アメリカというと「まともな食べ物は皆無。比較的いいのがマックとフライドチキン」が定説です。私も個人的にはこの見解を強く支持します。

ところが東氏は反論します。アメリカにもまともな食事はたくさんある。ただ、食の目指す方向がフランスや日本のような「おいしいもの」ではなく、もっと違った方向へ進んでしまったのだ・・と。

ま、それはともかく、私はインディアンが何を本当は食べていたのか(ビーフジャーキーとペミカンというのが従来の固定観念ですなわ)、あるいはカウボーイたちがどんな食事をしたのか、西部への幌馬車に乗った連中は毎日どんな食事をしていたのか・・というふうな部分が面白かったです。

結論としてはやはり、どうやらインディアン(いろんな部族がいますが)も、けっこう文化的な食事をしていたらしい。バッファローの固い肉だけ齧っていたというのは、案の定、偏見だったようです。よかったよかった。長年の疑問が氷解しました。