「ひろい世界のかたすみで」 橋本 治

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★★ マガジンハウス

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先日読了した「双調平家物語」と関連して借り出してみました。

なんでも「橋本治自身まるごと大展覧会」だそうです。そのとおり、橋本がなんやかんや、世相やら歴史やら男と女やら、さまざまなことでブツブツと呟いた集成のようです。

けっこう面白いです。でも、橋本の論理展開ってのは、追うのに疲れる。ストレートじゃないんですよね。常に横道に一歩ズレる。堅実な橋から、その横の虹の橋へ一歩踏み出してみるというか・・。

つまらないことですが、学生時代、歌舞伎座の安い席を1カ月だったかな、完全予約したそうです。もちろん安い席ですが、特定の「への88番」とか、そのひとつ右も左も花道が見づらかったり、舞台が見にくかったり、厳密に「への88番」(もちちろん架空の座席。そんな座席番号までもうろくオヤヂが覚えてるもんか)でないといけない。

細かいなあとも思うし、けっこう金があったんだなあとも思う。なんか冬は毛皮を着て大騒ぎ真っ最中の東大へ通ったとか。あの時代の学生ですよ。たしかにヘンコテリンな人です。

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「文人暴食」 嵐山光三郎

口直しの気分もあって、安心の「文人暴食」嵐山光三郎 を読み直し。たしかもう一冊、同じような本がありましたね。えーと「文人悪食」か。こっちのほうが登場人物がメジャーで、もっと笑えます。

こっちの「文人暴食」の登場人物ははどうも困った連中が多くて、困った食生活と困った生活をした奴が多いです。プロレタリア文学の時代にかかっているという理由もあるのかな。