「坂の上の雲 2、 3」 司馬遼太郎

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★★★文芸春秋

sakanoue03.jpgふと気が向いて「坂の上の雲」を本棚から抜き出す。さして意味もないが第2巻。正しくは司馬遼太郎全集 第25巻。すでに日清戦争は終わっていて、目次は「旅順口」から。遼陽、旅順と続きます。本、かなり古びてしまいました。

もう何回読んだか覚えてもいませんが、関心は少しずつ変化しています。最初はもちろん松山での秋山兄弟。そして東京での二人。それぞれの成長などなど。正直、子規にはあまり感情移入できませんでした。俳句の改革といっても、具体的に何がどうなのか、どうも漠然としている。

また陸戦はひたすら複雑で、おまけにゴタゴタしている。悲惨でもある。とりわけ旅順、二○三高地など読むのが辛いです。ということでついバルチック艦隊、日本海海戦あたりに関心が集中。要するにカタルシス指向ですね。

何十年の間に何回も読んでいるうちに、だんだん陸戦にも興味が沸いてきました。子規関係も読めるようになってきました。で、今回は遼陽、旅順、奉天が意外に面白いことを発見。はい。第26巻もついでに読んだわけです。

第26巻は黒溝台、奉天会戦、そして日本海海戦です。日本海での艦隊運動、各戦隊の動き、やはり頭が混乱します。どの艦がどの戦隊だったか、どの艦隊だったか、あっというまに分からなくなる。そもそも東郷の第一艦隊が敵と遭遇した時点でどの方向に進んでいたのか。南だったのか、南西だったのか、それすらも混乱です。配置図見たって、やはりわかりません。

司馬さんの解説読んでいても、やはり多少の矛盾があります。文章だけ読んでると、東郷はずんずん南(やや西より)に進んだように受け取られますが、航路図を見るとその寸前に大きく面舵とって西に曲がっている。それから取り舵とって左にターンというイメージ。

結局は薬局で郵便局、艦隊の進路はそんな単純なものではなかった感じですね。しょっちゅう方向を微調整しながら動いていたのかもしれない。ただ、敵艦隊と距離8000メートルでしたか、ギリギリのところでは大きく取り舵をとった。これが丁字戦法。

とかなんとか。数日かけて2冊を読了しました。この次に機会があったら第1巻を読んでみようかと思います。

あと数日でNHKのスペシャルドラマもおしまいですか。名残惜しいです。これもそのうち、暇なときにでも、録画しておいた全13枚のDVD、ゆっくり見直してみたいです。ぶっ続けに見たら、また違うでしょうね。画面も主役たちの動きだけではなく、背景の大道具やエキストラの人たちの動きに注目。1本のドラマで3~4回はたっぷり楽しめる。新しい発見がたくさんあります。