「古代ローマ人の24時間」アルベルト・アンジェラ

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★★ 河出書房新社

rome24.jpgキャッチは「よみがえる帝都ローマの民衆生活」。版図最大トラヤヌス帝の頃のローマ市民生活の紹介です。

なんか著者は映像関係の人らしいですね。したがって本の構成も、まるでテレビカメラが町中をさまよっているようなスタイル。ビビッドでもあるけど、ま、テレビふうに浅薄でもある。そういう意味で読みやすくもあり、厭きもします。

よくいいますね。「生まれかわれるのならローマ時代に生きたかった・・」という人、みんなローマの皇帝や貴族として暮らすことだけを考えている。まさか普通の市民や下層民として生きる羽目になるかもしれないとは決して考えない。確率としては奴隷かもしれない。ん、これはアイザック・アシモフのエッセイだったかな。

内容は、ま、だいたい想像通りです。ちょっと意外だったのは、多くの市民はみんな高層住宅に住んでいたということ。3階建てとかじゃなくて、6階とか7階とか。考えてみればローマは丘と湿地の地形で快適な平坦部分はそう多くない。そんなところに100万とかいう数なんですから、高層住宅にしないと間にあいません。

で、そういう高層アパート、高くすればするほど家賃収入が期待できるから、建築基準無視でどんどん高くなる。それもいい加減な工事の建て増しです。しょっちゅう崩壊しますわな。道路も狭かったからもちろん火事も起きる

1階は家主の住居。中産階級あるいは中の上クラスです。2階に中の下クラス。そこから上へ行くに従ってどんどん下層階級になる。いちばん上なんて、貧民です。

みーんな狭いスペースに折り重なって暮らしてるんで、ゆとりがない。風呂もない。トイレなんて論外。上のほうに住んでると尿壺の持ち運びもそりゃたいへなんで、こっそり下に投げ捨てる。そういうわけで、日が昇るとみんな部屋の外にうろうろ出てくる。ローマの市街が混雑する理由です。家は居住スペースではなくて、いわば「キャンプ用のテント」なんだそうです。最低限、寝るところ。

そういえばこの前見たテレビで、イタリアの町の職人は家の前の道路を仕事場にして、堂々と家具修理をしていました。そういう感覚、あまり変化していないのかもしれません。

そうそう。奴隷=家電製品 という説を紹介していました。なるほど、洗濯奴隷のかわりに洗濯機、灯火奴隷のかわりに蛍光灯。輿担ぎ奴隷の代わりに自動車。家電が壊れても、だれも同情したりはしませんわな。壊れたらポイッと捨てて新しいのを買うだけです。

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