「ワル姫さま」の系譜学 鹿島茂

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★★ 講談社

waruhimesama.jpgフランス王室を彩った女たち」が副題。内容もそのままです。

時代的にはだいたいシャルル6世からルイ14世あたりまで。シャルル6世というのはブルゴーニュ派とアルマニャック派が抗争した時代ですね。ナントカ派というと単なる派閥みたいですが、ようするに領主同士の対立でしょう。小国家同士の対立といってもいい。

つまりは家康派と三成派とか。フランス各地、独立した大小の領主(国)がグループを組んで、そこに英国も絡んで大騒ぎした。フランスだけでなくベルギーあたりも含めていいのかな。ブルゴーニュ公ってのは、あのあたりも領地にしていたはずです。ブルゴーニュの中心地ディジョンへ旅行したことがあって知りました。ディジョンはマスタードで有名です。辛くなくて美味しいマスタードです。日本で買うとけっこう高価だけど最近はキユーピーからも出てるみたいです。

で、シャルル6世の王妃がイザボー・ド・パヴィエールという女だったらしい。もちろん知りません。このイザボーが生んだ頼りない(ということになっている)皇太子をジャンヌ・ダルクが懸命にバックアップして戴冠させ、シャルル7世になる。どうして頼りないかというと、シャルルは自分は母親が浮気して生んだ子供じゃないかと疑っていた。たぶん、正しい。でも、根拠もないけどジャンヌは励ましたわけですね。余計なことをした。

ということで、悪女の歴史はイザボー・ド・パヴィエールに始まり、ルイ14世の最後の愛妾マントノン侯爵夫人まで。ルイ14世というと、その少年時代がちょうどダルタニアンの銃士隊副隊長ぐらいだったかな。ちなみに関係ないけどダルタニアン物語は最初がルイ13世とリシュリューの時代でした。それからマザランとフロンドの内乱。最後がルイ14世親政、財務長官フーケの頃だったと思います。

つまりジャンヌ・ダルクからダルタニアンの時代。どんな王妃、愛妾が歴史を彩ったか。それを面白おかしく描いた一冊です。

ちょっと面白くしすぎたキライもありますね。やたら出てくる「ウッフン」とか「モモレンジャー」とかのカタカナ単語。鹿島さんってのは、どうもサービス精神がありすぎて、ちょっと品を落としてしまう。

鹿島茂なら、ユゴーの代表的傑作の背景を詳説したレ・ミゼラブル 百六景」が、お薦めの良書だったと思います。豊富に添えられた挿絵も良かったしね。

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