「卵をめぐる祖父の戦争」デイヴィッド・ベニオフ

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tamagoomeguru.jpg★★★star.jpg ハヤカワ文庫

なんかにこの本のことが書かれていて、その感想が面白そうだったため借り出し。

レニングラード包囲戦の頃のお話です。屋根に上がった防空団の(といってもたいした仕事じゃない)少年たちが、夜空を落ちてくる落下傘を発見。落下傘のドイツ兵はもう死んでいます。

少年が死体から戦利品を獲得して大騒ぎしているところで、駆けつけた秘密警察にとっつかまってしまいます。ま、このままだと銃殺の可能性が大。戦時下略奪の罪かな。

で、この少年と、脱走容疑で放り込まれた若い兵士の2人がこわもての大佐から特別指令を受ける。木曜までにタマゴを1ダース確保してこい。タマゴは大佐の娘のウェディングケーキ用です。タマゴを探して戻ってこないと、取り上げられた食料切符を返してもらえない。包囲されたレニングラードで食料切符を持っていないということは、そのまま飢え死にを意味します。

どこといって取り柄のない少年(実はひとつだけあった)と、イケメンでモテて口もよく回る若い兵士。へんてこりんな漫才コンビがタマゴ1ダースを求めて戦時下の冬のレニングラードを歩き回る。ドイツ軍の包囲網を突破して雪の荒野と森を歩く。パルチザンと同行し、ナチス特別部隊の指揮官とチェスを戦わせる。悲惨な物語でもあり、漫画的な道中でもあり。

一種の成長物語でもあります。えーと、ビルドゥングスロマーンというのかな。楽しい本でした。

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