「オリュンポス」上 下 ダン・シモンズ

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★ 早川書房
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「イリアム」の続編です。上下2巻。

ダン・シモンズの大風呂敷はいっそう広がって、収拾つかなくなる。で、要するにこの小説はトロイ戦争とオリュンポスの神々の抗争を描いてみたい。壮大な地球未来SF小説にしてみたい。ついでに自分の愛好する詩や作品ウンチクも語りたい。そういうことでしょうね。舞台回しはオデュッセウスの放浪とシェークピアのテンペストです。

準主役のオデュッセウスは時空を越えて放浪します。そしてオデュッセウスと地球の住民たちは謎のプロスペローや娘のミランダ、妖精エアリエル、怪獣キャリバンなどに遭遇する。このテンペストふうキャラは何故か魔法のような力をもっています。ただし魔法ではなく「量子ナントカ効果」です。「魔法」という言葉の代わりに「量子」を使ってるだけなんですけど、ま、それによってファンタジーではなくSFになる。ちょっと狡い。

そうそう。不死の英雄アキレウスは、殺してしまったアマゾンの女王ペンテシレイアを神々の再生槽で復活させることに成功。どうしてかというと、ペンテシレイアはアフロディテからもらった媚薬(No.9)を体に塗ってたんですね。殺してしまってからアキレウスはその香りを嗅ぎ、虜になってしまった。

アキレウスはペンテシレイアに執着している。ペンテシレイアはアキレウスを敵と思っている。で、生き返ったペンテシレイアはブツブツ言いながらアキレウスに同行します。アキレウスも「嫌な女が」とは思ってはいるんですが、なんせアフロディテのNo.9効果があるんで、一緒にいるしかない。

このへんけっこう面白かったです。ダン・シモンズってのは、あちこち気が利いて楽しい描写が多いんですね。ただ、それを圧倒するくらい、どうしょうもない大風呂敷と冒険活劇と感傷を繰り広げる。困ったもんだ。


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