「高い窓」レイモンド・チャンドラー

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★★★ 早川書房
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これも村上春樹訳。他の訳がどうだったか、完全に忘れてしまいました。ついでに言えばこの「高い窓」も読んだことがあるかどうか記憶になし。チャンドラーの小説は、雰囲気だけ記憶に残っていてもストーリーは忘れがちです。

で、読了。うん、なかなか良かったです。完全にチャンドラーの世界。もちろん例によって展開に「?」な部分は多々ありますが、比較的少ないほうかな。ちなみに今回のマーロウ、一回も殴られません。眉根にシワよせて飲んでばかりいます。
(マウロウの生活習慣の問題点。いつも酒の飲み過ぎ。健康によさそうな食事をしたことがない。おまけにしょっちゅう殴られる)

たいしたことじゃないですが、小説の冒頭はパサディナの屋敷から始まります。パサディナ? 一瞬、フロリダあたりを想像してしまったけど、そんなわけはない。念のため調べてみたらロサンゼルス北東部の高級住宅街だそうです。

ついでに、ヘンテコリンな女性秘書の実家はウィチタ。雰囲気としてはテキサスとかあっち方面かと思いましたが、調べてみるともう少し北のカンザス州でした。中西部中央。米国のヘソみたいな位置で竜巻の名所、オズに飛ばされたドロシーの家があったところですね。そうそう。大草原の小さな家のローラもここでした。

そういう草原の土地で育った神経質な若い女が富と頽廃のロサンゼルスに来て働いていた。ま、そういうことのようです。