「北の無人駅から」渡辺一史

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★★★★ 北海道新聞
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拾い物みたいな本でした。タイトルだけ見たら、いかにも鉄道オタクの本ですわな。しかし中身はズシッと重いです。しかもどんどん読める。あんまりベストセラーになるような本でもないです。

要するに北海道の無人駅をキーワードに、北海道の歴史と現実を見つめてみよう。なぜ無人駅になってしまったのか。漁業、自然保護、観光、流氷、農業・・・。

「北海道の自然は雄大」とか「美しい丹頂を保護」とか「農民たちは意欲に燃えて笑顔がすばらしい」とか「農産物はみんな美味しい」とか。そんな観光パンフレットみたいな言葉で北海道を理解するのはやめよう。手つかずの自然とは貧しいということでもあります。丹頂鶴は田んぼを荒らします。農民がみんな正直で働き者だなんて何いってんですか。

といって、こうした「勘違い」を高所から批判する本でもないです。どちらの側に立とうということではなく、事実を知ろう。少なくとも語る際に決して奇麗事のウソをつかない(すごく難しいことです)。

農業をテーマにするんなら、農民の話も聞き、悪者になりがちな農協役員の話も聞く。農業技術指導員(だったかな)にも教えてもらおう。いろんな立場の人から話を聞くと、話はどんどん複雑になります。誰が悪くて誰が良いなんてシンプルなもんじゃない。まったくスッキリしない。でもそれが現実です。

ま、少なくとも「都会の善男善女」のご意見だけは聞く必要なし。マスコミの影響もあるけど、みーんな大きく勘違いしてるんだから。知床へ家族旅行して、可愛いヒグマの子にパンを投げてあげるような善意の人たちのことです。


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