「SS-GB」レン・デイトン

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★★★ 早川書房
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レン・デイトン、もちろん名前は知っているし読んだこともあるはず。しかし何を読んだか・・というと確かには思い出せない。要するに、すごく感動したことがないのかな。

この「SS-GB」は、歴史IFものの警察小説です。ドイツ占領下のロンドン、ヤードのアーチャーと呼ばれる警視が殺人事件の解決に活躍。実際、もしヒトラーがソ連にちょっかいかけず、真面目に英国攻撃を続けていたら早期に勝利していたかもしれない。ま、けっこう可能性はあったでしょうね。

で、その場合、ドイツは英国に駐留し、国防軍や親衛隊が統治。ソ連とは独ソ条約の友好関係を保ち、米国とは緊張感をもちながらも敵対はしない。英国王はロンドン塔に幽閉されている。娘のエリザベスなんかは海外に亡命している。

読み始めの最初の頃は英国駐在のSS(親衛隊)幹部とスコットランドヤードの関係がよくわかりませんでしたが、そうか、要するに日本だったら警視庁の警視と進駐軍の関係なんだ。表面上は協力しあっているようでも、もちろん実権は進駐軍にあり、絶対に反抗は許されない。周囲からは進駐軍におべっか使っている・・と非難されながら、それでも警察は警察。公務員としての仕事を果たさなければならない。

そして進駐軍の士官たちは貴重な陶磁器や家具、美術品を買いあさり、ブローカーや闇商人が暗躍する。どんどんベルリンへ運び出す。成り金も登場します。町並みはまだ空襲に破壊されたまま。市民はそうした景色や収容所へ連行される人たちの悲惨を見ないようにして暮らしている。つまり「目を半分つむって」生活している。

で、この小説を理解するカギになるのはドイツ国防軍と親衛隊の敵対関係ですね。お互い蛇蝎のように嫌いあっている。幽閉された国王の身柄は親衛隊が管轄しているんだけど、国防軍としてはそれが非常に面白くない。戦争とは国家と国家の衝突。衝突の主力はそれぞれの国軍である。勝ったほうの国軍が敗戦国の元首を管理管轄するのは当然だろうという感覚。それなのに何で怪しげなSSがのさばっているんだ。SSなんて、要するにヒトラーの私兵じゃないか。メンツがつぶれる。

そうそう、小説に登場する主要なSS幹部は二人。一人は連隊指揮官、もう一人は師団指揮官。これが正式名称らしいですが、一般的にいうと大佐と将軍に相当するようです。将軍は少将か中将か、ちょっとわかりませんでした。

ちなみに関係ないけど、沙漠の狐ロンメルは国防軍の将軍です。だから今でも人気がある。


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