「悟浄出立」万城目 学

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★★★ 新潮文庫
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短編集です。「まんじょうめ」か「まんぎめ」と思っていたら「まきめ まなぶ」だったんですね。人の名前は難しい。

この人で間違いなく読んだ記憶のあるのは「偉大なる、しゅららぼん」ですか。「鹿男あをによし」はちょっと自信がない。どっちもかなり手の込んだ、しかし一見すると能天気なアホ小説です。けっこう笑えて好きなタイプ。

で、タイトルで「?」と感じたあなたは正しい。中島敦の悟浄歎異へのオマージュとでもいうんでしょうか、中島敦が若死にすることなく、そのまま書き続けたらどんな内容になっただろうか。

先の見えない西域の道。孫悟空を先頭に例の一行がとぼとぼ旅をする。沙悟浄はもちろんいちばん最後です。常に最後を歩く男。積極性を持たない男。歩きながら沙悟浄はいろいろに思索します。頭の中だけは活発なのです。

うん、悟空は単純である。悟空は強い。あいつに関しては理解できる。しかしだ、あの太った豚。食い物と女のことしか考えていない猪八戒。どうしてあんなにバカなんだ。あいつが天界にあっては水軍を指揮して名将といわれた天蓬元帥だったというのは本当か。似合わない。信じられない。嘘だ。しかし・・・。

ま、そんなふうに進むお話です。なかなか面白かったです。

この短編集にはこの他、趙雲、虞美人、荊軻(と同じ名をもつ男)、司馬遷(の娘)など登場します。趙雲は三国志の豪傑です。荊軻は例の壮士ですね。ま、それぞれそれなりに良い内容でした。万城目学って、かなり真面目な作家なんですね、きっと。


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