「理不尽な進化 遺伝子と運のあいだ」吉川浩満

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★★ 朝日出版
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進化論の通俗解説書かと思って借り出しましたが、いやいや、まったく毛色が違った。

吉川浩満という人、どういうバックボーンの書き手かは知りませんが、きっと頭がいいんだろうな。頭脳明晰。なんとなくグダグタ混乱している「進化論」の現状を整理し直すというか、定義するというか、A4で4~5枚でもサラッと語れるところを堂々たる一冊にした。

ごくかついまむと、多くの人がいう「進化論」は実はダーウィンの進化論ではない。強いていうと社会ラマルク主義、あるいはスペンサー主義なんだそうです。ラマルクってのは、用不用説。獲得形質が遺伝すると唱えた。スペンサー主義もけっこう難しいですが、ま、乱暴にいうと単純から複雑への変化が進化であるという考え。目的があって、それに向かって進化がすすむ。

人類は進化によってより優秀なものになる。社会もまた進化して理想社会に向かって進む。
優勝劣敗です。適者生存。「良いもの」になるのが進化・・・みんなが大好きなテーマですが、この考えが実は大問題だった。

実は適者生存という言葉を使うからややこしくなる。いかにも生存するに値する資質が何かあるような誤解。そうではなく、実際には「生き残ったものを適者と呼ぶ」のが正しい。適者だからその種が生き延びたのではなく、たまたま生き延びた種が適者。必然ではなく、偶然ですね。そういう意味で「理不尽な進化」です。どの種が滅亡し、どの種が残るかに理由なんてない。

書の後半はグールドとドーキンスの論争について、くどいくらい詳細に語ってくれます。そうか、この二人、ガタガタやってたような雰囲気があったけど、そういう内容だったのか。ただし、どういう内容だったか、今それを説明する力は私にはないです。超賢い二人が派手な綱渡りみたいに論争、大喧嘩した。論点に大きな差はないようにも見えますが、きっと彼らには大問題だったんだろうな。はい、トシのせいもあってどんどん頭が悪くなっています。読むのに疲れた。最後のほうはしんどかったです。

※ 経験則だけど、ウィトゲンシュタインの名前がででくるような本は読み通せた試しがない。

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