「ダーク・スター・サファリ」 ポール・セロー

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★★★ 英治出版

また借り出して再読。たぶん3回目かな。ずっしり重くて、バッグに入れても肩にくいこむ。ん、なんか表紙が違っているなあ。前はこんなふうでした。確かに変わった。

一応紹介すると、60過ぎた偏屈爺さんがエジプト → スーダン → エチオピア → ケニア → ウガンダ → タンザニア → マラウイ → モザンピーク → ジンバブエ → 南アフリカ。満員バス(あれば) とボロボロなトラック、時々は汚い列車を使って北から南まで旅した記録です。記録というよりメモか。

見事なくらいに悲惨。たぶん2000年頃のアフリカですが、今でもあまり変わってはいないでしょうね。700ページ近い厚さ、重量もたっぷり。下手に読んでいると肩が痛くなる。

ただこの本、ひたすら悲惨ですが、二度と読みたくない・・・という本ではない。何故でしょうかね。叙情というか、絶望的だけど人恋しい部分があるというか、ひどいことばかり書かれているのに、読んでいて楽しい。現地アフリカ人たちとの交流(という言葉が正しいかどうかも不明)もけっこう感動があったりする。なぜかまた読みたくなる。ポール爺さん、若いころはかなりの二枚目でしたが、歳とってからはどうなんだろ。まだ渋い魅力を保っているんだろうか。

いろいろ考えさせられる好きな一冊です。購入すると3000円。ちょっと高価。思い切って買おうかとも思ったこともあるんですが、本棚はいっぱいだし、ずーっと躊躇中。