「新訳 アレクサンドロス大王伝」プルタルコス

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河出書房新社(森谷公俊訳) ★★★
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実は吉川浩満の「理不尽な進化」を読み始めたんですが、なんか違和感というか既視感がある。でも再読にしては内容が新鮮だしまさか・・・と思っていたら、なんと去年に読んだ本だった。ひどいなあ。なんにも覚えていなかった。

それで改めてこのプルタルコスにとりかかりました。大部です。500ページ以上ある。ずっしり重いです。まだ読んでいる最中。

いわゆる「プルターク英雄伝」、つまりは「対比列伝」。ぜんぶで何人の英雄をあつかったか知りませんが、それぞれそんなに長いものではなかったような気がします。しかしアレクサンドロス大王だけで530ページですか。どういう本なのかと疑問に思ったわけですが、要するに注釈が多いんですね。プルタルコスの書いた本文が1ページあると、次に注釈が4ページくらい続く。

注釈といっても本文と同レベルのフォントサイズです。つまりは「本文」は「注釈」の導入目次のような役目を果たしており、要するにじっくり「注釈」を読んでいただくのが目的という本です。

ただしこの注釈、意外に面白いです。人名、地名、当時の政治情勢、人間関係、いろいろ。非常に詳しい。あんまり知られていない当時のマケドニアとかアジア、アレクサンドロスという人の行動、人間関係。けっこう新鮮です。

蛇足ですが、アレクサンドロスを扱った小説や伝記で、これまで面白いものを読んだことがない。データが錯綜しすぎているのか、嘘八百が多すぎるのか(プルタルコスだって嘘だらけです)、時代が古すぎるのか。あるいは逆手にとってやたら愛と情熱のストーリーになってしまうとか。

ただ、面白くもないフィクションを読むくらいなら、こうした「たぶん真実」「おそらく事実」「蓋然性としてはありそう」をたどるほうがまだしもマシですね。少なくともそこには想像の余地がある。


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