「メアリー・スチュアート」アレクサンドル・デュマ

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作品社 ★★★
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図書館で見かけたので借出し。デュマだから面白いとはいえません。けっこうダラダラしたのもある。で、デュマがメアリー・スチュアートをどう思っていたのか、ちょっと興味。少なくとも美人だったらしいですから。

書中でもイングランドのエリザベスとメアリー・スチュアートのさや当てが頻出します。この二人、また従姉妹になるのか大叔母と姪とかになるのか。よく知りませんが、とにかく親戚ですね。

で、たとえばスコットランド大使にエリザベスが何度も確認する。メアリは私より美人なのか。色白なのか。背が高いのか、どうなのか。大使もこうした質問に答えるのは難しいでしょうね。「イングランドでは女王陛下にかなうような美女はおらぬかと存じます

こんな返事じゃエリザベスは不満。ついに「はい。女王陛下より少し背はお高いかと存じます」という返答をひきだしてエリザベスが喜ぶ。「私より高いのなら、それはスタイルがいいとは言えないわね。背が高すぎよ」

めんどうだなあ

デュマに言わせると「エリザベスは女である前に女王であった。メアリは女王である前に女であった」 うん、いかにもデュマが好きそうなセリフです。

で、とにかくエリザベスは大嫌いなメアリを幽閉して、最後は無理やり死刑。生かしておくには怖すぎたんだろうなあ。なんせエリザベスには子供がいないという弱点がある。大嫌いな女に「イングランドの王位を求めるわよ!」なんて言われたら死んでもしにきれない。

ま、結局はメアリの息子がイングランド王になったわけですけど。

そうそう。死刑命令への署名をさんざん迷ったあげく、いざ処刑のあとは「誰が執行したのよ。まだやるとは思っていなかったのに。責任者、出てこい!」とか大騒ぎして責任回避。まるでトランプです。困った女王だなあ。