城崎から天橋立、京都、長浜

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以前、五能線に乗ったときもそうでしたが、我々が進む後から雨風が追いかけてくる。あのときは海沿い電車が遅れに遅れて日も暮れて夕景を見ることもできず、ブツブツ文句いいながら到着したんですが、あと数時間遅かったら北進する暴風雨につかまっていた。

実際、五能線(土地の人によるとしょっちゅう遅れるから「ムノー線」だそうです。ひどい)の無人駅なんかでうっかり停車してしまったら、どうなったことやら。結果的には運が良かったんでしょうね。

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で、今回は城崎から天橋立、京都、長浜という旅でした。京都から琵琶湖沿いに湖北長浜へあがる途中がものすごい豪雨。

行く手にでかい積乱雲がたちはだかっているなあと思っているうちにモロに突入して、電車の窓の外にいきなり滝が流れた。川の中に突っ込んだようなものです。

で、長浜に近づいたらカラッとあがった。あはは。宿についてからテレビをつけたら但馬、京都、大坂、みーんな大騒ぎ。各地に大雨洪水警報とか。はい。お見舞い申し上げます。


城崎というのは志賀直哉でしか知りませんでしたが、町はけっこう風情あり。温泉観光組合ががんばっている雰囲気です。ペアの宿泊客がみんなペラペラの浴衣をきて、柳の水路の周辺をうろうしている。

そうそう。拾い物は天橋立です。股のぞきして何が面白いんだろと思っていましたが、下におりて長い砂州を歩いてみるとなかなかいいです。静かできれいな松林。波も静かだし。対岸まで歩いて、帰路は船にしましたが、喜んでエサやる人がいるから、無数のカモメが追いかけてくる。エサを指で持ってかかげると卑しいカメモどもが必死に追いすがって、食いついてきます。たまにトンビも来るらしく、こっちは危険なようです。指まで噛みついたりするらしい。

最後の宿は長浜で、ま、ここは秀吉ですね。たしか晩年の高台院(ネネさん)が「長浜のころは楽しかった」と述懐していた気がする。初めて十二万石とはいえ城持ちになったし、夫婦はまだ若かったし。意外なことに小谷城(浅井長政)もすぐ近くらしい。宿の土産になぜか「伊吹山の薬草の浴用材」をもらいました。はて、近いんでしょうか。

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泊まった翌日はいちおう彦根で途中下車して、城も見てきました。いわずとしれた井伊直政の居城ですが、途中の通りの店になぜか「大吉大万」のノレンもあった。意外。

井伊35万石の城下町で石田三成の旗印を見るとは思わなかった。

ちなみに三成の佐和山城は石垣やらなにから、ほとんどが彦根城に再生利用されたみたいで何も残っていないと聞きます。実は井伊直政、当座の間は佐和山城にいたけど、気色が悪いので新しく城を作らせたという説もある。

城の中の博物館には菅田将暉の色紙がかざってありました。そういえば菅田将暉、大河ドラマで井伊直政を演じたんだった。あのころの菅田クン、やたらコワモテの役をもらうことが多かったような気がします。高橋一生が秘書役で有名になったドラマでも、たしか菅田クンが鬼のような顔して喉声でけんめいにわめいていたような。

なかなか良い旅でしたが、うーん、ひたすら暑かった。家に帰って久しぶりに鏡をみたら、いやはや、これは赤鬼か猩々かという顔でした。赤く照り輝いている。