2020年に読んだ本

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検索をかけてみたら、今年は★★★★が1冊。ハズレ年です。

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その希少価値の一冊も村松剛の「帝王後醍醐」ですからね。香港貧困ぶりは推して知るべし。

このころで面白いのは「神皇正統記」の北畠親房(近藤正臣似)という公家さん。ま、例の(ゴクミ似の)北畠顕家の父親ですが、なんせ東国転戦中、ほとんど記憶だけで書いたらしいプロパガンダ本()。それを後になって水戸光圀あたりが掘り返して皇国史観。迷惑な話でもあり、訳のわからない話でもある。

なにしろこれは基本的に南朝擁護のストーリーです。で、光圀の時代はとうぜん北朝の系譜であり、北朝史観に幕府も立っている。その幕府に楯突くような言説を「副将軍」がなした。

おまけに幕末は頭に血ののぼった志士たちが、現天皇の正当性に文句つけた南朝史観の英雄をたてまつる。児島高徳だとか楠木正成だとか。なんか奇妙な話なんです。で、明治昭和の御世になってもそれが続く。(戦後生まれの自分でさえ、メンコ絵の定番は新田義貞とか源義経だった記憶あり)


不思議だなあ。ほんと、訳わかめ

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あとは★★★で「日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか」(矢部宏治)でしょうか。要するに戦後日本が不可思議な外交というか対米服従を継続して、現在に至る。
やはりこのあたりの元凶はアベの祖父ですかね。戦時内閣の商工大臣が不死鳥のように復権して、総理にまでのぼりつめる。おまけに日本の進路を決定する。それだけでも凄いのに、その負傷の 不詳の 不肖の孫が更にその路線を押し進める。不思議な国です。


これも★★★。荒俣宏の「日本まんが 第壱巻 第弐巻」も読んでよかったです。なんとなく綺麗なエピソードばっかりのトキワ荘とか、苦労人のはずの水木しげる、繊細なイメージもある松本零士。思い込みがみーんなひっくり返される。

あははは、と笑ってしまいました。

言い過ぎですね。「プロパガンダ本」ではないというとらえ方もあるらしい。いずれにしても摩訶不思議な一冊。