「お言葉ですが 9 芭蕉のガールフレンド」高島俊男

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文藝春秋★★★
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この巻9までは文藝春秋が刊行していたわけです。ま、週刊文春の名物連載をまとめたものなんだから当然といえば当然。そしてこの次、巻10からは出版社が変わる()。別に高島さんの都合ではなく、文春側が「出さないよ」と言ったらしい。理由は、公式には不明です。

通読してみると、この頃の高島さん、比較的素直ですね。後年のヒネクレというか敵つくりは、トシのせいもあったんだろうか。けっこう楽しく読める章が多いです。

ちょっと記憶に残ったところ。

騎馬民族説と天皇」。昭和天皇は江上波夫の騎馬民族説がお気に入りで、ときどき電話してきて「皇居に来て話をしろ」と要請した。いや、江上博士がモンゴルで野糞をしながら(上機嫌で)そんなふうなことを言った。自慢した。真偽は不明です。

さすがに天皇がジカに電話はしないだろう。通常は侍従が代理で伝えるでしょう。もちろん現代ではこの説(騎馬民族が朝鮮半島経由で侵攻、九州王朝をつくった。崇神天皇)、完全に)否定されています。みるからにマユツバ説だけど、でもなんか面白い。天皇も寂しくなると、こんな壮大な無駄話をしたくなる。

もうひとつ、最近はまったく普通になってしまった「・・こちらコーヒーになります」とか「・・千円からお預かりします」の類。こんなヘンテコリン言葉がなぜ生まれたのか。

いろいろ調べるとどうもリクルートが元凶ではないか。大昔、リクルートがファミレス相手の接客ビデオをつくった。新人社員教育用ですかね。このビデオにあのヘンテコ接客用語がもりこまれていたという。で、一気に日本中にひろまった。ウェートレスもレジ係も、正しいと信じてるんだから仕方ない

真偽は不明ですが、うん、いかにもありそうな話です。リクルートとか電通とか、いろいろ罪をつくる。

とかなんとか。順不同、自由奔放。いろんな面白い話がてんこもりです。もちろん本筋の漢語とか日本語、本の話もたくさんあります。高島本は他にも2冊借りてるんで、まだまだ楽しめます。

※ 訂正。版元変更は11巻からでした。
※ さすがに「完全に否定」は言い過ぎかな。「ほぼ否定」でしょうね。

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