「セックス・イン・ザ・シー」マラー・J・ハート

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講談社★★
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勘違いしそうですが、要するに海中生物がいかにして遺伝子を伝え子孫をつくっているかという話です。イワシとかカキとかタツノオトシゴとか。

そもそもは、少し前にBSで知床のミズダコをやっていました。メスのミズダコは産卵受精した卵を巣穴の天井にぶらさげて、1年以上も守り続けている()。暖かい海ならもっと孵化が早いらしいけど、知床の海は冷たい。どうしても時間がかかるらしい。

その場面も面白かったけど、その前のメスオス合体の場面です。なんか「触手を通して精子パックを渡す」とか言っていたような。渡す? うーん、そもそも何も知らないなあ。タコとかイカはどうやって遺伝子の受け渡しをしているんだ。うん、クジラにはペニスがあるらしい。サケなんから産卵した後にオスが精子をまきちらす。では、エビは?

わかったこと。受精の方法は実にいろいろです。信じられないようなスタイルも多い。

要するに、子孫を残すには「オス遺伝子の半分」+「メス遺伝子の半分」という形がいいらしい。ま、多様性の担保ですわな。そのため何をやってもいい。ただし自己増殖では問題多々です。海でも雌雄同体の生物はいますが、自分で自分に・・は極力避ける。相手をみつけ、可能なかぎり自分の♂を相手の♀に、相手の♂を自分の♀に、という体位をとる。難しそうですが、効率はいい。ふーん。

若くて体の小さいうちはメス、大きく成長したらオスになる。そんなサカナもいる。一般論として子供を産み育てるメスは負担が大きいわけです。できることなら自由に遊べるオスになるのがいい。ということでオスは競争が激しい。なかなかオスにしてもらえません。いったんオスになったら、ひたすら種つけにはずむ。

いちばん驚いたのはペニス切り離し戦術をとるタコがいること。メスにくらべて小さいオスは、タイミングをはかってペニス(の役目の触手)をメスをめがけ、ロケット発射する()。ロケットはメスにくっつきます。触手の中に入っているのはたっぷりの精子パック。この発射がオスにとってのエクスタシーなんでしょうね。仕事が終わると、もう用はないのでよろよろ死にます。

そうそう。サケが川をのぼって苦心して産卵するのはみんな知ってますが、あのときズルをするやつもいる。最初からそのつもりで、海に行かず川に残っていた小さいやつです。で、婚姻シーズンになってバタバタドタドタと騒動が始まるとじーっとものかげで待機。絶好のチャンスになるとサーッと突進して、バシャバシャバシャッと射精。大成功! もちろんタイミングを間違うと興奮した連中にふくろ叩きにあいます。

ほんと、いろんな戦術があるんですね。ところかまわずペニスを相手の体に突き刺すやつもいる(どこかに刺して射精すれば、あとは賢い精子が体内を泳いでいってくれる)。オス同士サーベルのように長いペニスで闘うやつもいる(無防備に伸ばしているので、運が悪いと他のサカナに途中を食われたりもする)。ま、人間スタイルなんてのも、ようするに多種多様な遺伝子受け渡し方法のなかの一つでしかないわけです。

ミズダコはその間、なにも食べないそうです。卵の世話をしながらじーっとこもっている。体力が弱っていくにつれて皮膚の色が白っぽくなる。孵化が終わると安心して、穴から漂いだして死ぬ。

不用心なメスはやたら発射されて迷惑。ま、ストックがあっても損はないか‥と(たぶん専用ポケットに)収納してもらえたり。

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