「水滸伝の世界」高島俊男

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筑摩書房 ★★
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同じ著者の「三国志きらめく群像」の兄弟本ですね。趣旨は同じ。ただし三国志にくらべて水滸伝は少し地味です。

地味といっちゃいけないか。ようするに知名度はともかく、水滸伝を最後まで読み通した人ってどれだけいるんだろうかということです。私はダメでした。導入付近の悪高官、蹴鞠の高キューあたりとか、あるいは宋江がなんとかとか、ま、その程度です。具体的な内容はほとんど知らない。あるいは、読んだけど覚えていないのかも。

ま、そういうわけで少し遠慮気味に読み進んだんですが、うーん、覚えてなくて当然だったとは。

要するに水滸伝という代物、ストーリーはあってないようなもの。英雄たちの性格付けもハチャメチャで、とくに後半になると酷さ加減がどんどん増す。そもそもがあまり深く考えちゃいけない小説のようです。

その時々、英雄(つまりはタチの悪い乱暴者)の乱闘やら殺戮やら泥棒やら、それを単純に面白がってればいい。つまりは太平記ですね。誇張がどうとか深く考えるな

知りませんでしたが、そもそも頭領の宋江が魅力的ではないらしい。英雄たちも残忍だったり人食いだったり、なんで英雄として讃えられるのかわからない。おまけに話はつながらないし、最後はいい子ぶったり欲たかって、全員が死んだり隠遁したりで、お話は終わり。

余分な話ですが、途中の挿話として武松(だったかな)の兄が毒殺される。殺したのは美貌の妻・潘金蓮で、これが金持ちの薬屋・西門慶と密通。邪魔になって殺した。なんか見覚えのある名前ですが、この挿話を拡大したのが「金瓶梅」。つまり色男・西門慶のストーリーだった。なるほど、と感心。


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