「心霊電流」スティーヴン・キング

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文藝春秋★★★
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スティーヴン・キングはもういい年だと思うけど、まだしっかり書いてるんですね。えーと・・まだ74歳か。

数年前に刊行らしいこの本、めずらしくまじめに読んでみましたが、キング、まだ健在の印象です。

上下2巻、最後の100ページくらいまでは緻密な描写が続き、しっとりしたテーストもある。良質でかなり楽しめます。あんまり怖くもないし。しかし最後の最後、ま、謎解きというか大団円というか、このへんはちょっと・・・という感じ。どうでもいいクライマックスという部分ですね。

私は勝手に「良いスティーヴン・キング」「悪いスティーヴン・キング」があると思っていますが、今回は「良いキング」でしょう。まるで初期のころの小説みたい。

ストーリーはあんまり意味がないです。田舎の子供が魅力的な若い神父と知り合う。やがてその神父は悲劇にみまわれ、神の道からはずれてしまう。そして旧弊な村の教会から追放。

子供は少年になり、ギターと出会い。少女と出会う。そして青年になり、事故をおこしてドラッグにはまり・・・・・そして、変貌したかつての神父と邂逅する。

事故をおこしたのはカワサキ()に乗って突っ走っているときだし、後半で知り合ったまじめな女はマツダに乗っています。そうそう、少年のころにはヤマハのギターも弾いている。そういう時代になってしまった。

なんか暴走系に人気のバイク。トンガっているらしい。かなり熱狂的に好かれているような話を聞きます。

ちなみにこの本、原題はRevivalです。なるほどそうか・・・という感じ。読み終えるとわかる。