「鼠たちの戦争」 ディヴィッド・L・ロビンズ

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新潮文庫 ★★★


rat.jpg映画スターリングラード(見てないけど)の原作になった本らしい。スターリングラード攻防戦のさなか、ウラル育ちの元猟師である狙撃手ザイツェフ(兎)とナチ親衛隊大佐、ハインツ・トルヴァルトとの一騎打ち。

面白い本でした。わざわざお金を出して買った甲斐がある。当時の狙撃手にとっても350~400メートルくらいは「中距離」だったんですね。スーパースナイパーの親衛隊大佐はどうやら1000メートルくらいは撃てるらしい。

登場人物の多くは実在とのことです。親衛隊大佐がバリバリのナチという感じではなく、白い手で小太りの貴族趣味(自称臆病)というのも、そのへんの絡みかもしれません。

露系アメリカ人の女狙撃手ターニャは、映画ではユダヤ人という設定で、政治将校(小説ではちょっとコミック味の小男)とラブロマンスもあるらしい。ま、映画ではそうしない間がもたない。小説の方のターニャはセックスアピールはあるけど鬼のような復讐鬼です。

そうそう、ほんの少しですが、厭味な白髪の政府幹部としてニキータ・フルシチョフも登場します。