心に残る莫迦話


--ご注意: かなり悪趣味です。真面目な方は読まないでください
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一応新規作成の予定。時折は他で書いた内容と似通うことがあるかも知れません。滅多にないとは思いますが、万一再読の人はごめんなさい。

<其の10> 子供のダジャレ 2004 12 11

面白い話、ちっとも思い出さないなあ。自由闊達な精神が萎縮しておるぞ。喝!

それはともかく。子供のころの話。

手塚治虫のマンガには、よくサメが登場しました。鼻の頭に枕みたいなものが付いたやつ。その後、そいつは撞木鮫(シュモクザメ)であることがわかりました。手塚さん、こいつが好きだったんだろうか。獰猛なサメらしいです。

なぜか二種類います。鮫と鱶。サメとフカ。ケースバイケースで、どちらも目にします。耳にします。どう違うんだろう。

もちろん正しい理解は得られませんでした。インターネットなんてなかった時代です。で、子供の頭でふと思いついたのが「浅い」「深い」。うーん名解釈だ!ってんで学校帰り、人のよさそうな友人たちに披露しました。「うん、海のね、浅めにいるのがサメ、深いところで泳いでいるのがフカ。ちょっと違うんだよ」

あんまり納得してもらえませんでした。ま、言った本人だって信じてなかったんだから当然です。おまけにこうした言葉遊びが面白くなって、しばらく研究し、「ほら、あそこに寝ころんでいるのはネコ。で、ヨダレたらしていぬむりしてるのはイヌ

ここまで行くと、やりすぎですね。かなりヒンシュクをかいました。アホなガキです。

面白くもないけど、思い出したので記録まで。

<其の9> 桜田小学校跡地の猫家族 2004 11 10

新橋烏森。桜田小学校の跡地は現在生涯学習センターとかになっています。旧グラウンドもそのまま残っていて、夏祭(こいち祭り)なんかの際には太鼓ヤグラも立ちます。出入り口が四方に開いているし、緑も残っていて気分がいいので、サラリーマンたちが通勤ショートカット用バイパスとして便利に利用しているスペースです。

この空き地に、2~3年前でしょうか、ゴロっとした白黒のブチ猫が棲みついて、子猫を生みました。南(正確には南東かな)の入り口付近の植え込みの中を遊び場にしているらしく、ときどき子猫がフラフラ通路に飛び出しては通行人と鉢合わせし、あわてて植え込みに逃げ込む姿をよくみかけたものです。いったい何匹いたのか、なんせ同じような顔をしているので詳細は不明です。

その頃から、朝や晩、植え込みに向かって女の人がしゃがみこんでいる光景をよく見かけるようになりました。これも特定の一人ではないと思います。ただ、子猫と同じでみんなそっくりに見える。人通りに背を向け、紙袋かなんかを手に、繁みに向かってジーッとしゃがんでいる。その背中の周囲1メートルくらいには透明バリアーが張りめぐらされているのが、鈍感な私にも感じられました。外界を完全に拒否。異次元に入りこんでいる。

植え込みの中にはどうも子猫がいるような雰囲気でしたね。ときおりミューとかミャーとか小さな鳴き声が聞こえることもありました。

その頃から何カ月かすぎ、たぶん夏の頃でしょう。子猫も成長して若猫です。人間だったら小学生の高学年とか中学生くらいなんでしょうか。生意気盛りのガキンチョ猫ですから、数匹単位で追っかけっこしたり、取っ組み合いしたり。ときどき勢い余って惰性で通行人にぶつかってはあわてて逃げ込む。人間に対しては多少タカをくくっているものの、まだ完全に信用はできないという感じでしょうか。

で、多分1年か2年。ずーっと猫のことは忘れていました。

夏の夜、新橋4丁目の方からこの公園を突っ切り、烏森へ抜けようとしたときのことです。出口付近、右手の植え込みから猫の鳴き声が聞こえます。ん?と見ると、藪の中に一匹。こっちに正対して座り、目を合わせて明らかにメッーセージを発している。私、多少は猫語ができるんですが、「アタイ、好きでしょ。そーっとだったら撫でてもいいよ」と言っている。言ってしまってから猫らしく、ちょっとテレて横を向くふりをしたりする。

それから気にして見ると、公園のあちこちに猫がいるんです。それぞれテリトリーがあるように一匹ずつです。優しそうな女性が相手だと脚のまわりで尻尾を立ててスリスリしたり。これをやられると猫好きの女性は彫像のように固まってしまいます。ジーッと撫でられているやつもいる。あるいはブランコのあたりを居場所にして、暗い物陰から控えめに鳴いているやつもいる。みんな、それぞれの資質なりに演技している。演技というより、仕事かな。

きっと母猫がしっかり教育して、みんなに生きる術を教えこんだんだろうな。手に職をつけさせた。偉大な母猫です。

ただ、もう子猫も親猫も区別はつきませんね。どいつもこいつも、みんな白地に黒のブチ猫なので一族であることがわかる。あいにく鼻のあたりが黒ブチになってるんで、人間の目から見るとあまり猫相はよくありません。一時期はきれいなミケ猫を見かけたこともありましたが、最近はいないようです。みんなで追い出したのかな。

<其の8> 3人掛けシートの悲劇 2004 6 3


今回はちょっと趣向が変わって、私自身の考察です。

首都圏のJR電車、通常の座席は7人掛けのシート対面になっていますが、それぞれの車両の最前部、最後部のシートだけはこじんまりした3人掛けです。

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で、この3人掛け。JRがどういう基準で幅を決めているかは不明ですが、男性3人が並んですわると絶対的に狭い。真ん中の男性は腰が浮きます。もちろん女性3人なら(実際はいろいろですが)、ま、たいてい余裕でスカスカです。

(右図を参照)

で、私は東京駅から電車を待って座って乗ることが多いし、この端っこの3人掛けを愛しています。うまくいって列の先頭にならべば、間違いなく一番端の席を確保可能です。横に物を置けるスペースも少しあり、なにかと便利です。右上の図の、左側の「M」ですね。

ところが、成り行きで男性3人掛けになってしまうと、せっかくの席が決して心地よくない。腰回りのでかい男性だったり、貧乏ゆすりするような人だと最悪です。なんとか3人のうち1人くらいは女性が座ってくれると実に快適なのですが。世の中男性と女性がてきとうに混合されているとすべてがスムーズにいきます。

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東京駅で電車を待っている乗客。男性と女性では、やはり男性の方が少し多いようです。印象としては5.5対4.5くらいでしょうか。となると、列の先頭に立つ可能性が比較的高いのは男性でしょう。で、この人は右図の「1」に座ります。

最初が男性なら、2番目はたぶん女性でしょうね。こういう場合、まず間違いなく女性は「2」に座ります。ま、実際には男性→女性だろうが、女性→男性だろうが、結果はかわりません。

3番目。男性か女性か、ほぼ確率は同じですね。で、仮に男性で上図の「3」に座ってくれるとみんなが幸せ。次の女性は「4」となり、それぞれが比較的余裕を持って座ることができますね。

先を見通せない男

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ところが何も考えない男がいます。予想する能力がない。思慮のない男は右図の「3」です。この場合、次に来た女性は「4」にいきます。要するにこの場合、早い順番だったはずなのに男性「1」も「3」も辛い運命が待ち受けています。そして後から来た「5」の人、男性でも女性でもいいですが、こっちのサイドは拾い物で、実にゆっくりできる。

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女性が3番目に来る可能性も非常に高いです。ほぼ半々ですか。この場合、99パーセントの確率で「3」に座ります。

で、その場合は図のように、やはり悲惨です。この上の図のように「思慮のない男性」の場合と「女性が連続」の場合の両方の可能性をプラスすると、あんがいこうした状況になる確率は高いんじゃないかな。机上の計算では7~8割以上。実感としても、そうです。

かくして、右図の状態が出現する

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というふうに、男女比やら確率やら偶然やら、頭の悪さやらいろいろな条件の結果として、右の図がかなりの頻度で出現するわけです。

わざわざ2~3本の電車を見送り、列の先頭にならんだ結果が図の「1」とすると、悲しいものがあります。汗くさい男同士のギュー詰め。ひっそりした男性ならいいんですが、狭いスペースに無理に入ってくるタイプの男「6」というのは、かなりの確率でうるさい。ゴソゴソ新聞ひっくりかえしたり、肘を突き出したり、バッグをいじったり。

もちろん「6」が女性というケースもありえますが、若い女性はこのサンドイッチ状態を忌避する可能性がけっこうあります。したがって「6」にあえて割り込むのは男性、あるいは気にしない年配の女性、つまりスレンダーではない可能性のある女性でしょうか。

以上、考察おわりです。7人掛けの方でも同じようなシーンは出現するようだけど、分岐が多すぎてどうも難しすぎます。この3人掛けでもきっちり確率計算をやってみたら面白そうな気がしたんだけど、なんせ頭がワヤでダメでした。計算の得意な方、ぜひメールをください。歓迎します。

<其の7> 雪の夜語り 2004 3 4

 寒い寒い夜、たき火をかこんで山男たちが話すようなバカ話です。ちょっと悪趣味と感じる人もいるかもしれません。

「そりゃーもう寒い冬、人の頭ぐれえ雪片がドカドカ舞落ちるようなひどい冬で、骨の芯まで凍える。あんまり寒くて仕方ないんで、こりゃ山女んところへでも行って温めてもらわな死ぬわと思案したわけよ。山女は体も倍くらいでっかいし毛むくじゃらだし、そりゃ温かいに決まっとる。

で山女んとこ行ったらぐっすり寝とる。これ幸いと山女の腹を切って、そん中にこっぽり入れてもろうたわけよ。そりゃ温かいでー。ぬくぬく寝させてもろうたが、ただ、臭いがなー。臭くて臭くてたまらん。それよりもっと悪いのは、春になって目を覚ました山女、腹ん中のオレを赤ん坊と思い込んでしもたらしい。そりゃ辛かった。それから3月、逃げ出すまでの間、無理やり抱き抱えられて山女の乳吸わされ続けたで・・」

もう一つ。

「また違う冬のことよ。この冬も寒くて寒くてたまらん冬で、するこというたら酒飲むだけ。酒だけはあったんよ。で、酒飲んだ。飲んで、飲んで、飲んでいるうちに、アホなこと思いついた。そうだあの女のところへ行こうと考えたんだわな。あの女なら温かい。そう思ったらたちまちチンポもカチンカチンよ。

そのままの姿じゃ外に出れんわな。毛皮があったんで頭から足までこっぽり包まって、顔も毛織物で包んだ。それから女を探しに出かけた。一寸先も見えん夜の吹雪ん中迷いながら、それでもなんとか捜し当てた。いたわ。オレと同じように毛皮にこっぽり包まっとった。で、女のねぐらに連れてって一緒に寝たわけだが、いやー、気性の荒い女だった。蹴ったり噛んだり暴れる暴れる。無理やり毛皮を脱がせたが、なんか前に覚えとったよりもっと温かい、いや熱いと言う方が正しいかな。ま、それでもすませてそのまま寝てしもた。

朝、酔いが覚めてみたら吹雪もやんで日が差していた。あたりはひどい修羅場だったな。ありとあらゆるもんが血まみれでズタズタになっとる。おまけにチンポは半分噛み切られとる。女はおらん。床にはメス熊の生皮が転がっとる。なんじゃこれは。ひどい有り様じゃ。

それから少したった後かな、村の衆に聞いた話。森の中で変な熊を見かけたという。なんでもまる裸のメス熊。しかも後ろには生まれたての小熊のような小熊でないような、奇妙な小さいのを2匹、従えて歩いておったそうな・・・ 」

聞き手に「それじゃチンポが半分しかないのか」と聞かれた話し手は「それでも普通の男に比べればはるかに長い。前は何倍もあった」と笑い飛ばします。

今、ちょぼちょぼ読んでいるGeorge R.R. Martinの「A Storm of Swords」に乗っていた挿話です。これから読もうと思っていた人、ごめんなさい。英語に強くないので、細部は違っているかも知れませんし、かなり日本ふうに歪曲しています。原文はもっともっと味があります。

<其の6> 酔い 2004 1 7

大昔。キングコングというレスラーがいました。人間とも思えないような巨大な体型・相貌で、そりゃ恐ろしげな怪物でした。ま、ゴリラですね。ボブ・サップが真っ黒な頬髭はやしたら多少イメージが近いかな。

で、そのキングコングが来日したとき。たぶん力道山を倒すために来たんでしょう。来てみればそれなりにVIPですからプロレス関係者がいろい接待する。京都に連れていって(日本には京都くらいしか誇れるものがなかった時代です)高級料亭の座敷に据えて(駆り出された舞子たちは怯えに怯えたとのことです)、さて、精一杯のもてなしをした。

食べに食べたという話です。詳細は覚えていませんが、たぶん松坂ステーキ50キロ、地鶏のまる揚げ23匹、鮎を83尾にういろう28本、生八橋220枚、ウィスキーはもちろん舶来もののジョニ黒でバケツに3杯。ま、これくらいは食べたでしょう。なんせ底知れぬ食欲と巨大な胃袋を持つキングコングです。ケロリとしたもんです。

もう飲み食いするものはないのか? ニッポンの食料事情は貧しいなーと不満そうなキングコングでしたが、お口に合うかどうか・・と最後に出された日本酒の徳利、何本かをグビッグビッとを飲んだところ、なぜか急に酔いがまわってきた。なんせ生まれてこのかた何をどれだけ飲んでも「酔う」という経験のなかったキングコングですが、このときだけは酩酊。真っ赤な猩々のような顔になって昏倒してしまい、あわてて京大付属病院の名医を呼ぶ騒ぎにまでなった。

当時の少年誌に掲載されていた由緒正しい記事です。不思議でしたねー。なんでゴリラ男はたかが数本の日本酒に酔ってしまったのか・・・。

もちろんこうした少年たちに疑問に答えるのが立派な雑誌の使命です。ちゃんとページの最後に科学的解説がありました。つまり彼が長年にわたって飲み続けた膨大な量のウィスキーやブランデー、ウォッカ、ワイン、リキュールなどは、実は胃袋の中で固まって厚い層の酒精となってへばりついていたのです。ところが京都で彼は生まれて初めて「温めた酒」を飲んでしまった。で、この「温めた酒」は脂肪のように固まっていた冷たい酒精の壁を一気に溶かしてしまったというわけなのです。アルコールの洪水。恐ろしいですなー。

キングコングといえども人の子、長年貯めに貯めた濃縮アルコールが一気に解凍してはさすがに耐えきれません。ついに人生で初めての酩酊となった次第です。「リキはこんな強いサケを毎日飲んでいるのか。力道山恐るべし!」と後日述懐したとも聞いています。

<其の5> むじな 2003 12 18

 思い出したのでもう一つ。多分これも泣菫でしょう。狢(むじな)のとらえ方。

やはり雨の日。激しい降りで、とっぷり暮れかかった頃合いでしょうね、きっと。そんな日に傘を深く差して田舎道などを歩いていると、急に傘がズシッと重くなるそうです。狢か狸かの仕業に決まっています。

「これ、悪戯すまいぞ」とわめいて、傘の上を手で払ったりしますが手応えはありません。それもそのはずで、こういう時、狢や狸は傘の上に乗るのではなく、実は傘の柄にぶら下がっているのだそうです。ニタニタしながら(どんな顔でしょうね)柄にブラーンとしがみついている。

ですからこういう場合は、すかさず柄の下あたりを拳骨で思い切ってぶん殴るといいいらしいです。昏倒から目覚めた狸は妙薬か茶釜か、なんぞ身の代に差し出してくれるはずです。

・・・という話で、たいして可笑しくもない内容です。ただ嬉しそうに傘の柄にぶら下がっている狸(狢)という図柄が妙に印象的で、いまだに覚えています。

狸と狢、同じ動物という説もあるし、片方は穴熊だという意見もあります。この場合はちょっと悪賢い雰囲気もあり、どうも狢の方が似合うような気がします。

<其の4> 悪戯狐の捕え方 2003 12 17

秋も深い頃でしょうか、静かな雨の夜、山奥の一軒家などに住んでいると狐が退屈しのぎに訪れることもあるそうです。一軒家の住人はゴンベエでもタロエモンでもいいのですが、ま、中年過ぎた冴えない独身もんでしょうね。目から鼻に抜けるような若い男じゃ似合わない。女もダメです。

で、微かな雨音に混じって戸口をホトホトと叩く音がするので立て付けの悪い引き戸をゴトゴト開けると、もちろん誰もいません。ただ暗闇に雨足が光っているだけ。こういう場合、狐はピョンと軒の上に跳び上がって隠れるものだそうです。なぜか上に隠れる。

不審な面持ちで引っ込むと、またコトコトと戸を叩きます。子供と同じで、一回では止められない。このへんでタロベエも、こりゃ悪戯狐がからかいに来たな、と気がつくわけで、騙されたふりをしてまた戸を開けてはブツブツ罵り、また締めます。こうなるともう狐は大喜び。勢いこんで軒先からヒョイと飛び下り、また戸を叩きます。狐が戸を叩くのはもちろんあの太い尾で叩きます。後ろ向きになって、叩きます。

ですから飛び降りた軽い気配がして尾っぽを振り上げたな、という瞬間を見計らい、満身の力で戸を一気に開ける。太い尾っぽが空振りですから、狐はもんどりうって転がりこんで来ます。状況がのみこめず目をキョロキョロしている狐を手取りするのは易々たるものです。

以上は薄田泣菫の「茶話全集」に掲載されていたはずです。小学生の頃、読みました。

<其の3> ヨーデルのマナー 2003 12 16

これも先日のテレビで知った話。テレビってのはなかなか有益です。

ヨーデル。例の裏声(ばかりではないそうですが)でユレレイヒ~と唄うやつ、あれには意外なルールというか、マナーがあったんだそうですね。それは「唄うときには礼儀正しく手をポケットに入れる」ということです。

理由は知りません。これを聞いたのはスイス・ヨーデルの紹介のときでしたが、オーストリア・ヨーデルやイタリア・ヨーデルもそうなのかどうかは不明です。

したがって少なくもスイスアルプスを舞台にした映画やドラマで、羊飼いの少年が両手を口にあてがって谷の向こうのチロル娘かなんかに「イエイヒ~」などと呼びかけていたら、それはまがい物です。アルプスの少女ハイジでペーターはそんなこと、やってなかったかな? 覚えてないけど、どうもやってそうな印象。

<其の2> 好奇心 2003 11 30

先日、NHKでプレーリードッグの番組をやっていました。米国中西部(かな)に住む愛嬌のあるリスの仲間です。群落を作り、一面に穴をほって暮らしていることで有名ですね。

で、このプレーリードッグ、非常に用心深い。お互いに警戒信号を出しあっていて、敵が近寄るとヒョイと穴に飛び込んでしまい、こうなるともう手が出せない。テレビでもお腹のすいたコヨーテが近寄っては逃げられるもんで忌ま忌ましそうにしていました。なんせ地下に縦横無尽の通路を作っており、仕方がない。

ただ、このプレーリードッグには大きな弱点があります。非常に好奇心が強い。敵が来るとヒョイと穴に飛び込みますが、何時間も何時間もジーッと我慢し続けることができないようなのです。なんせ活動的なリスですから。

従って狩りにはコツがあり、飛び込んだ穴の反対側の縁で待ち構えます。そうですね、だいたい小1時間かな。あるいは2時間、3時間。ひたすらシーンと待ち構える。

なんでも穴のすぐ下には偵察用のスペースがあり、ここでプレーリードッグは地上の様子を伺っているんだそうです。ですからまだ敵が立ち去った気配がないことは重々承知なのに、でもプレーリードッグはなんともガマンできなくなる。ジリジリしてくる。

まだいるかな? と穴の中から用心深く、頭をほんの少し出します。で、正面に何も見えないと少し安心して、こんどは首から上くらいを出してキョロキョロと左右を見渡す。うん、いない。やっぱり立ち去ったんだ。で、最後に全身を露出して後ろを確認する。だから穴の後ろ側で棒を構えてジーッと待っているのがコツなんですね。キョロキョロっとして後ろを振り向く寸前にガッと叩く。かわいそうですが、身から出た錆。好奇心が身を滅ぼします。

ガラガラヘビなんかも賢いので、時々この方法でプレーリードッグを狩りすると聞きました。 

<其の1> ナポレオンの号令 2003 11 29

将軍ナポレオンは兵士たちに号令を下した。おそらく例の名調子のフランス語(コルシカ訛りはあったのかな?)調子で1時間か2時間、延々としゃべりまくってからの、最後の締めくくりだったんでしょうね。兵士たちだって将軍が話術とオダテの名人と承知はしていたでしょうが、それでもつい乗せられてしまうのが常だったんでしょう。

「兵士諸君、ついに戦いの時がきた。進め!

しかし兵士たちは動こうとしなかった・・・。

のっけから、思いっ切りつまらない話を出してしまった。もちろん大昔、超流行ったもので、このバリエーションは数限りなくあります。

たとえば割合ポビュラーなのは「オリンピックに出場の古橋選手はスタート台で、まず右を見た。それから左を見た。そして最後に正面を見た。何故だろう」というようなもの。もちろん答えは「三方同時に見ることはできないから」です。ノーマルな感覚を持った人は、たいてい怒りますね。こいういうクイズ(?)を出し続けていると友人を失います。

荷車を引く親の手伝いだろう、一生懸命後押しをしている息子を見た。うーん偉い! これなら日本の未来も明るいぞ。「感心だねー、お父さんのお手伝いだね」と声をかけると「違うよ、あれはお父さんじゃないよ」と可愛くない返事が返って来た。はて。父じゃない? 

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