「あと千回の晩餐」 山田風太郎

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朝日新聞社 ★★


senkaino.jpg朝日に連載されていたころから読んでいました。だいたいこの人のものは好きですしね。

その連載と他に書いたものを一緒にした本のようです。内容はけっこうダブっていますが、それもまた良し。ボロボロになりかかったご老人が、勝手なことを言いまくっている。

昭和30年代ですか、蓼科の別荘を1万坪買おうとしたという話が今回は面白かった。なんでも400坪が1単位の貸し区画で、当時は坪あたりの借り賃が16円。だから1万坪でも16万円という計算になる。それなら借りられない価格じゃない。ただし町の担当者は「冗談言わないでください」と断ったとのたとです。1万坪の敷地の真ん中に小屋を作って、そこで麻雀でもやろうと思っていたのに・・と風老人、残念そうでした。

もっともその翌年、結局400坪を借りたようです。で、坪単価10万円で別荘を作った。住んでいるうちに飽きてきたので造り直そうと思ったのに、これを作った村の大工さんにとっては初めての一軒家だったんで妙に頑丈に出来てしまった。「ていねいに作ったからあと100年は持ちます」と聞いて本人ガッカリしている。勝手な人です。


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このページは、kazが2003年12月 6日 13:09に書いた記事です。

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