2010年8月アーカイブ

★★★  毎日新聞社

春秋戦国もので疲れた口直しに近衛龍春の「毛利は残った」です。

mouri.jpg近衛龍春という人、ほとんど知識はありませんが、前に偶然「上杉三郎景虎」を読んだことがある。これが意外に面白かったです。あんまり一流という感じはしないものの、かといって三流でもない。そこそこ、読めます。

で、今回の「毛利は残った」。関ヶ原から死ぬまでの毛利輝元をちょっとコミックに書いたもので、きっとこんな人だったんだろうなあと共感。やはり一流の武将ではないが、かといって愚将と言い切るわけにもいかない。

ちょっといい気になって西軍の総大将にまつりあげられてしまい。かといって積極的に戦いに参加もせず、逡巡しているあいだに敗軍の責任者になってしまった。

歴史にIFはないですが、輝元が大軍をひきいて大坂城を出陣したら、関ヶ原の状況はガラリと変わっていたでしょう。少なくとも吉川広家は東軍めがけて南宮山を駆け下りた可能性があります。

輝元出陣にはもちろん秀頼もいっしょが理想的ですが、名代でもかまわない。千成瓢箪の旗印をかかげただけで、後世の錦の御旗みたいな劇的な効果があった気がします。

ま、それはそれ。結果的にはなーんにもしないで負けて防長2カ国に追いやられてしまった。悔いは残るでしょうが、そこからしぶとく踏ん張ったらしいです。

毛利に暗君なしという言葉があるそうですね。幕末の殿様(敬親)も「そうせい候」とか言われたそうで、これとて得難い資質です。この殿様がいなかったら高杉晋作なんかがあんなに勝手に動けるわけがない。

てなことで、ま、楽しく読み終えました。本は楽しくないといけないですね。

★★  文藝春秋

kanpishi.jpg筑摩世界文学体系の史記は、やはり挫折。それなりに拾い読みするには面白いのですが、字が細かくて疲れます。トシくってから読む本じゃないですね。

大昔の筑摩の全集、なんか3段組もあったような記憶ですが、そうだっただろうか。戦争と平和とか、たしか3巻くらいあって、受験あけの春休みに読みふけっても1週間はかかったような。読了して数日は頭がボーッとしていました。

で、懲りずに(うん、懲りないなあ)今度は「韓非子」。やはり安能本です。

論語やなんかに比べると韓非子は合理的で、ま、近代的マキャベリズム。人間に夢を抱かない。性悪でも性善でもなく、堯舜の世を理想化もしない。孔子の弟子たちから蛇蝎のように嫌われたのももっともです。

そう悪くはなかったですが、でも安能本ってのは、疲れます。疲れてばっかりですね。

唯一面白かったのは、孔子が何かで焦り狂ったとき、主君の前なのに階段を左右一段ずつ登ったということ。不作法のキワミらしいです。通常は一段ごとに足を揃えてから、またおもむろに一段上がる。

そりぁ、悠長な時代だったんですね。主君のすぐ後ろを(接近して)登ってもいけないらしいです。こうしたルール違反をすると、すぐ首チョンになるから古代中国は怖い。

 

 

virus.jpgまたぞろ、ウィルスメールが増えています。

波があるようですね。到来するときは1日に数十通、果てしなくやってくる。しばらくするとパッタリ止まって(飽きたのかな)、安心していると、また増えてきたりする。

通常のスパムメールやウィルスメールは「海外タイムスタンプ枠」というくくりで「ジャンク様専用箱」に投入しています。つまり来ているか来ていないかも分からない。本当は直接ごみ箱に入れてもいいんですが、ごくたまに必要なメールが紛れていることもあるので、用心です。

あんまり溜まるとザックリ削除していますが、たまに気が向いて、削除する前にながめると文面が面白いです。みんな工夫しているなあ。

しかし「ウィルス検出通知」のほうは一応は善意でサーバから届く通知なわけで、ジャンク箱には振り分けられません。そのため、おのづと目に触れて、目障りだなあ・・ということになります。

それにしてもジャンク、うるさいです。

★★★ 講談社

sonshi.jpgふと思い出して海音寺潮五郎の「孫子」を再読。再読というより、再々々読くらいでしょうね。適当に細かい部分は忘れているので、けっこう読めます。海音寺ものってのは、どれを読んでも一種の香りのようなものがある。

この小説の孫子はあまり偉そうではないです。英雄豪傑ではない。田舎ディレッタントであり、恐妻家であり兵法マニアであり、でもそれゆえプライドもある。欲に目をくらまされていないので、危険になる前に身をひいて、怖い奥さんがいなくなると若い妾を可愛がって、年老いてからできた孫を溺愛して、どうしようもない幸せな老後を送る。立派な人生です。

何代かあとに生まれたもう一人の孫子も、ま、若いうちはいろいろありますが老後は権力から身をひいて、若い奴隷女を可愛がって小市民としての生活をまっとうする。それでいいじゃないか!というお話。

読み終えてから安能務の「春秋戦国志」(文庫で3巻)なんてのもあったことを思い出し、これも引っ張りだして通読。だいたい同じ時代のお話なので、微妙にダブっていて面白かったです。海音寺はもちろん飽きさせず読ませてくれるし、安能本はちょっと臭味がナンですが、でもそれなりに悪くはない。

ano_sengoku.jpg安能本の「臭味」をどう説明しますかね。大昔に読んだ「封神演義」なんかが典型ですが、とにかくく巻頭から巻末まで八丁味噌かニンニク醤油か、それともカレー味か、とにかく均質の強い味に染められているのでので、かなり飽きるけれども一応は食べきれる。ま、なんとか春秋戦国の3巻も読み切りました。

で、またまた興味が伸びて(血迷ってというべきか)、司馬遷の「史記」なんてのを借り出してしまった。昔なつかしい筑摩世界文学体系です。それにしても活字が小さくてギッシリ。こんなのを目の良い少年時代とはいえ、よくまあ読んだものです。

通して読もうなどとは考えず、適当に拾い読みでしょうね。

そうそう。図書館の棚を見たら海音寺さんの西郷隆盛・新装版(全9巻かな)が並んでいました。これ、なんか完全に通読した記憶がないんです。読みたいけど、書棚にはなぜか第1巻がない。2~3巻があって4巻~6巻がなくて・・・と虫食い状態。こういう借り方をする人、よくわかりません。全巻を一気に借りるとか、あるいは1~4巻までまとめて借り出すとかなら理解できるんですが。

ま、人それぞれ。いろんな読み方はあると思うのですが、虫食い、とくに第1巻を借り出されると、手が付けられないんですよね。

 


久しぶりに神楽坂五十番で肉まんを買いました。たまに食べたくなる。(写真は撮り忘れ)

ちなみに5コで1800円。安くはないですが、昼食なら一人1コで十分です。

今回買ったのは最近(といっても数年前)できた小さい方の店舗。本店より少し神楽坂駅に寄っているので、山の上から降りてくるルートの場合は買いやすい。

ま、好きで買ってるんで文句いうのもナンですが、なんか少しずつ高くなっているような印象があるなあ。去年がいくらだったか記憶はないけど。味もなんとなく停滞、あるいは落ち気味。地元の人の話では「昔はもっと皮が薄くて中身が多かった」という。本当かどうかは知りません。食べたときの感動が薄れつつあるのは事実です。

でも、それじゃ他のどこで買うか?というと選択肢がないんですよね。中華街まで買い出しに行くわけにもいかないし。

そうそう。数日前に掲載したオオミズアオの写真、あんなに大きなのを出すなと身内(蝶や蛾は嫌い)からクレームがついたので、サムネール掲載に変更しました。

★ 講談社

sejima.jpg要するに「不毛地帯」のモデルになった元参謀の話ですね。「転進」という便利な言葉を考えついた賢い人。それを書いたのは、よく知りませんが五島昇のブレーン(?)で、たまたま東急系ホテルで瀬島と隣に部屋をもらったとか、東急エージェンシー社長とかいうんですが、もちろん私は知りません。

書かれていることは真実なのかホラなのか、判断の手がかりなし。東条がミッドウェー惨敗の結果をずーっと知らなかった(海軍が隠蔽)とか、ほんとかなあ・・というエピソード満載です。それに近いことはそりゃあっただろうけど。

開戦前夜、ルーズベルトの親書をわざと遅配させたのも瀬島だそうです。雰囲気としてはわかりますが、当時の参謀(順列は下位)にそれだけの権限があったのか。上層部からの指令だったのか、うーん・・・というエピソード満載。

恩賜の軍刀組の超エリート参謀ですが、シベリア抑留絡みではいろいろ不明なことがあったとかなかったとか、従来から説はいろいろあります。なんせ言いたくないことは何も言わないまま死んだ人なので、真相は不明ですね。

そうした本筋とは別で面白かったのが「田中角栄は献金にキックバックしたから財界の評判がよかった」「中曽根はぜんぶ取り込んだので献金が減った」という話。本当か嘘かは知りませんが、面白い説です。なるほどねぇ。

そうそう、著者は勝海舟と坂本竜馬が大嫌いらしく、いろいろ書いてますが、そう新説はない。唯一面白かったのは「竜馬はようするにグラバーの手先として武器を薩摩や長州に売りさばいて稼いでいた」という説。なるほど。、前々から竜馬が何をやって食っていたのかに興味を持っていたので、これはうなづけました。豪商や松江の殿様からもらった資金だけでは不足するだろうなあと思っていたので。

著者は別ですが、なんか竜馬の活動資金について書かれた本もあるらしいですね。書評の斜め読みですが、どうも国元からもけっこう仕送りしてもらっていたらしい。なるほど。仕送りしてもらってるんなら、せっせと手紙を書いてるのもわかります。

本筋よりもエピソードのほうが面白い。こういう読み方は邪道なんでしょうね、たぶん。

 

chou2.jpg先日の蝶の名前が判明。かなりの確率でオオミズアオ(大水青)という蛾です。(ひょっとしたら外見そっくりの「オナガミズアオ」かもしれないけど)

鱗翅目ヤママユガ科。学名には狩りと月の女神アルテミス(Artemis)の名がつけられているそうです。大きさも10センチ前後はありますが、これが月の光の中を飛んだらけっこう壮麗でしょうね。

そんな由緒あるものとは知りませんでした。

緑の蝶

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Chou2010.jpgベランダに出たら、オリヅルランの葉陰に大きな蝶(たぶん)が隠れていた。隠れていたというより、葉の裏にしがみついてる、という印象。

色も見慣れない緑系で、そばを歩いても知らん顔して動かない。

タマゴを産むという風情でもないし、何してるんでしょうね。

まったく動かないから、死んでるのかも。

と思ったら、かなり弱ってるけどまだ生きていた。急にバタバタして鱗粉が飛んでびっくり。蝶じゃなく、蛾かな。理由はないけど。


子どもが「パソコン買おうかな」と言うております。たしか仕事で使っているのは5年もののNECノートブック。前から「遅い、遅い」と文句たれてましたが、なんかで上司にまで「これ、遅いね」と言われてしまったらしい。ムカッ。

5年ものといってもまだ十分現役可能なはずなんですが、きっとゴミが山ほど溜まってるんでしょうね。掃除すればスッキリすると思うものの、うっかり再インストールなんかすると特殊なプリンタの設定とか何とかがややこしいらしい。

ま、たいていの人にとって再インストールってのは時間もかかって大変な作業です。実は私もマザボを交換したのを契機に再インストールした方がいいだろなとは思うものの、ついついサボっている。

あっ、ネットなんかではいろいろ書かれていますが、少なくとも新しいマザボ、新しいOSの場合、たいていは継続使用で問題なさそうです。私なんか酷いことに、前のビデオ(GeForce)を削除もしなかったし、標準ドライバーに差し替えておくのも忘れてた(肝心なときに限って忘れる)

さすがにGeForceからRadeonへの乗り換えはどうかな?と多少心配しましたが、問題なく移行できました。適当に標準ドライバで立ち上がったのを見てからおもむろに新ドライバー関係をインストール。あとで古いGeForceドライバを削除しようかと思って探したのですが、もう埋もれてしまって発見できませんでした。

いいかげんですね。

検索でもかければ出てくるかな。ま、いいです。そのうち機会をみてWindows7は入れ換えるつもりです。OSの入れ換えだけならアクティベーションはひっかからないと思うので、ま、時間のある折りにでも。(今回のマザボとCPU交換は、さすがに「3日以内に登録しろ」とメッセージが出ました。結果的には電話でオペレータとやりとりして番号入力)

で、最初の話ですが、最近はノートも安いですね。NEC、Sony、DELLあたりを候補にさせたのですが、案の定、NECの割安「企業・法人モデル」は「信じられないダサさ」で却下。DEllも気に入らない。個人用のNECは少し高い。たぶん結果的にSonyになるんでしょうね。10万~12万程度でまずまずのノートが買えます。

たしか10年前、急に必要ができて買ったVaio、10年ほど使われ続けてこの夏に臨終しましたが、高級バージョンで当時は確か30万近くしました。

それをいうなら15年前の格安Gateway2000は20万しました。17年前ごろのFMV466D(VLBバス! もう誰も知らんだろうなあ)はいくらしたんだろ。そんなに高くもなかったかな。23年前の16βは40万近くでしたね。これを買うには清水の舞台から飛び下りる覚悟が必要でした。高かったなあ。よく買えたもんだ。

たいして役にはたたない。ひたすら時間とお金はかかる 。こういうのを「趣味」というんでしょうね。

この一連のゴタゴタで、予定外の支出をしてしまいました。

まずASRock A785GM-LE/128M。いくらでしたっけか。えーと6480円か。これをドブに捨てて、少し高い(といっても廉価板)ASUS M4A785D-M PRO、代引き料込みで8158円を買うはめになった。ま、ASUSはさすがにマニュアルが読みやすいし、ある程度の信頼感もあるし、PowerLED のピン数も3本あるし(ASRockは2本ピン。刺せん)、メモリスロットも4本だし、いいんですけど。

m4a785d.jpgそもそもマザーボードが1万円以内で買えるなんて、信じられないような時代ではあります。こんなに安いんだから文句いっちゃいけない・・という気もするし。でも動くのが当然の商品なんだから、という気もします。今まで何枚のマザボを買ったか。酷いのに当たったこともありますが、でもPOSTも拝めなかったという経験はないなあ。

で、このASUS板が動かない・・・というのであわてて買ったAthlonII X2 250(6799円)、これが本当に必要だったかどうか心もとないです。サポート外といってるけど、もしかしたら古いAthlon64 X2 3800+でも動いたのかもしれない。

CPUはそのうち買い換える予定ではありましたが「今すぐ必要」だったかどうか。論より証拠。X2 3800+を新しいM4A785D-M PROに乗せてみればすぐ分かることですが、なんかもう筐体を開けて組み直すのがいやになった。気力がおきません。

8158円+6799円+アキバ交通費+USBマウス(2200円程度)= 約1万8000円程度。これだけが想定外の出費ですね。多額ではないが、少額でもない。細々と賃稼ぎしてヘソクリためて自作遊びのオヤヂとしては、けっこう痛いレベルです。これだけあったら液晶ディスプレーが買えます。

そんなことより、自分を信頼できなくなったことが大きい。「なんか間違ってるんでは・・」という不安感。だって1枚目が壊れて2枚目が初期不良だなんて、ふつうありえないです。幸いなかったですが、焦ってゴチョゴチョやってると、手を滑らせてパーツを痛めたり、動いてたシステムまで動かなくなったり。ありがちなパターンですよね。

なんか一気に数年分の筐体開けと分解とシステム組みをやってしまったような心境です。もう当分の間、筐体は開けません。これ以上やるとメモリのピンが剥げたり、ソケットが磨耗したりしそう。やれやれ。

ASUS M4A785D-M PROの「軒先交換」が到着。
さっそく組んでみました。

動きます。Beepが鳴り、ファンが回転し、ハードディスクにアクセス。涙が出そうに嬉しい。
なんといいますか、このところのトラブル続きで、自分に自信が持てなくなっていた。なんか間違ったことをしてるんじゃないだろうか・・・と疑心暗鬼。

ようやく動いて、自分の組み方が失敗ではなかったことが判明。嬉しいです。

プロセッサ 4.9 → 6.4
メモリ 6.9 → 7.0
グラフィック 4.1 → 4.0
ゲームグラフィック 3.9 → 5.3
パードディスク 5.7 → 5.9

インデックスの上昇はたいしたことないですが、でもいいです。いいけど、グラフィック、やっぱりたいしたことないんだなあ。うーん。

これで完全に一組、古いシステムが緊急用としてできました。あっ、電源とかメモリは流用ですけど。でも、けっこう安心材料です。

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