モンテクリスト伯の資産

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何の気なしにモンテクリスト伯なんて書いてしまって、昔からの疑問が頭をもたげてきました。エドモン・ダンテスが孤島の地下で発見したスパダ家の財宝、いったいどれくらいの価値があったのか。

子供の頃はこの本、特に財宝発掘の箇所が大好きでした。地下から金貨がザックザク、貴重な宝石もジャンジャラン。いいなあ。

で、当時の印象としてはなんか一国の予算くらいの額はあったような雰囲気。何をやろうとしても、不可能はない。スパダ家ってのはすごい資産を持っていたんだ。

で、少し調べてみたらそんな資産家はいなかったようですね。ローマにスパダという家系(いちおう枢機卿を出すくらい)はあったようだけど、でもそんなに大金持だったかどうか。狙われてボルジアに毒殺されるほどの資産家であったかどうかは疑問。Wikiにはスパダ家=メディチ家という説もあると紹介されていました。

で、試しに検索してみたら、やはり偉い人はいるんですね。ここです。

それによると本の中で「スパダの財宝=1300万フラン」と書かれているそうで。その後なぜか「伯爵の総資産=8000万フラン」とも書かれている。なんか当時の利率は高かった雰囲気だし、上手に運用すればこれくらい増えても不思議はないかな。

で、当時(19世紀の前半ですか)の1フランはどの程度の価値があったのか。これが実は難しい。リーブル、フラン、エキュといろんな通貨が出てくるし、換算方法もいろいろあるけど、紹介のブログの方は「1フラン=1000円」が妥当な気がするという。

パリで銀行家のダングラールが伯爵に「100万フランほど用意しますか?」とフッかけるシーンがあります。もちろん相手がひるむことを想定している。この100万フラン、1フラン=1000円なら10億円です。なんとなく妥当な感じがありますね。それに対して「そんな額なら財布にいつも入れている」と、伯爵が手形(だったと思う) を見せます。2枚くらい入っていたっけか。

それにしても、伯爵の資産総額、1フラン=1000円なら800億。うーん、多いというべきか、たいしたことないと言うべきか(ビル・ゲイツは資産数兆円、かつてのオナシスも1兆円近かったはず)。ただ、会社経営しているとか、子供に残そうというんならともかく、ぜんぶ自分が使い切ってもいいんだ!と割り切ればすごい額であることに間違いないかな。

でも小説の最後のあたり、ギリシャ美人と一緒に暮らすような雰囲気になっています。王族出身の若い豪華な美人がその気になってバンバン使いだしたら、はて、800億は十分と言えるかどうか。あの宝石、欲しいわ・・で5億、10億。豪華ヨット買ってクルーズしましょ・・で20億、50億。あんまり持ちそうな気もしません。色気に負け てしまった伯爵の運命やいかに。

でも伯爵、しっかり者だからけっこう財テクしてるかもしれません。鉄道株を買ったり不動産に投資したり。

今回も無駄話でした。