2014年12月アーカイブ

今年書いた感想を見直してみると、★★★★評価はゼロでした。良い本に当たらなかったのか、それともこっちの感受性が鈍って新鮮な驚きがなくなったのか。

計70冊ほど書いてますが、実際に読んだのはザッと100冊強でしょうか。平均すると週に2冊。たいした量ではありません。老眼で長い読書が辛くなったのも原因のひとつでしょう。

で、★★★評価はたくさんあるんですが、これはサービス星3もあるし、本当は星4にしたいけど、ちょっと足りない・・というものもある。ということで記憶に残る★★★を拾ってみました。


ヴァスコ・ダ・ガマの「聖戦」

GamaHolywar.jpgのサムネール画像著者はナイジェル・クリフ。学校で習う歴史ではコロンブスの航海を重視するのが普通ですが、しかし実際の影響という面からするとむしろヴァスコ・ダ・ガマかもしれない。ガマはアフリカを南下し、喜望峰をまわってインド航路を開拓した人です。

ちなみにコロンブスのスポンサーはスペイン。ヴァスコ・ダ・ガマはポルトガルですね。スペインは西へ西へと拡張し、ポルドガルは基本的に東へ東へと勢力を伸ばした。教皇の仲介で両勢力のテリトリー境界を決めたりしていますね。

ひたすら香料と財宝を求めてヴァスコ・ダ・ガマは航路を開拓したと思いがちですが、実はプレスタージョンの発見という重大な使命もあった。プレスタージョンってのは例の「東方に英邁な主君がおさめるキリスト教国家がある」という神話です。当時の人はかなり真剣に思い込んでいたらしい。中東にはイスラムが居すわって東西流通を阻害されているんで、これをなんとか挟み打ちにできないか。強大なプレスタージョンと提携できればそれが可能になる。つまりは聖戦の一環。

インド沿岸の港はイスラム首長が権威を振るっていた。でも調べてみると偶像をまつった寺院のようなものもある。イスラムが偶像を嫌うという知識はあったので、こりゃキリスト教の寺院に違いない、プレスタージョンは近くにいる・・・と勝手に思い込んだらしい。もちろんヒンズー教の寺院です。

で、さんざん馬鹿にされた(イスラムからすればポルトガルなんて野蛮人です)連中は、いきなり大砲装備の船で港を砲撃する。ずいぶん乱暴ですが、これが十字軍の感覚です。交渉ってのはお金と知恵でするもんだと思い込んでいた平和ボケのイスラム首長たちは、あっというまに降参。

こうしてインド亜大陸とインドネシアの島々は簡単に征服される。ただしポルトガルの冒険家連中は質が悪くて人数も少なかったんで、結果的にインドは英国にのっとられましたが。むしろポルトガルのような小国がこの時期だけは体力も考えず、よくぞ世界に雄飛した。そう考えるべきかもしれません。

ま、そんなふうな本でした。たぶん。


ぼくたちが聖書について知りたかったこと

bokutachigasei.jpg池澤夏樹が聖書学者にいろいろ聞いて書いた本、という形式です。

いろいろ知らないことがたくさん書いてありましたが、いちばん新鮮だったのは「古代ヘブライ語には「時制」がなかった」という事実です。これはびっくりした。

長ったらしい旧約聖書、ほんと矛盾だらけのゴッタ煮です。矛盾する記述がやたら多い。でも、それは我々が「時制」を当然として読んでいるからなんですね。誰が何をしたから子供の誰が何した。そういう因果関係で通常のストーリーは成立している。

しかし時制がないということは、そこには過去も現在も未来もない。すべての記述が並列なんです。そしてすべては神が語った言葉なので、それを分析したり、カードにしたり、一部分だけとりあげることはしない。ぜーんぶまとめてトータルが「聖書」です。おまけに古代ヘブライ語では「母音」を記さないので、どう読むかはかなり恣意的。したがって書かれた文字列に大きな意味はなくて、声に出して読まれたものに意味がある。

だから聖書やタルムードは、最初から最後まで声に出して読む。ぜーんぶ読んではじめて「聖書」。部分々々には意味がない。どう読むかは練習、暗記ですね。だから黒い帽子をたぶった髭の信者たちは頭を振り振り詠唱に励む。

そういうものであった聖書を、紀元前頃にギリシャ語訳する際、当然のことながら時制をつけて訳した。そのために矛盾がたくさん生じてしまったらしい。論理を無視した記述を、無理やり論理にあてはめてしまった・・・。なるほど、と理解できたような気もするし、やっぱり納得できないような気もします。難しいです。


中国鉄道大旅行


chugokutetsudo.jpgここ数年気に入っているポール・セローの本です。鄧小平の改革が始まって数年後の中国旅行らしい。

その数年で中国は激動の変化をとげた。善良な人民たちの参詣で盛況だった毛沢東の生家は閑古鳥。もう誰も訪れない。名所旧跡はどんどん観光パーク化して、拡声器が大音響のミュージックをかなでる。けばけばしいプラスチックの施設が乱立する。人民服を捨てた人民たちが笑いながら押し寄せる。

ポール・セローってのは底意地の悪いオヤジなんで、お目付役人が見てほしくない場所ばっかり行きたがる。最新式の工場にはまったく興味がなく、さびれた人民公社の跡を訪問したがる。あえて毛沢東について聞いてみたりする。みんな口を濁して、いやー、もちろん英傑だったけど、晩年はちょっとね・・・と誤魔化します。大人になった元紅衛兵たちは「おかげで勉強の機会を逸した。損した」とブツクサ文句を言う。

たしか旅の最後にチベットを訪れています。アホ外人のふりしてるけど、しっかり事前勉強してるんですね。チベット語日常会話ハンドブックなんかで学習。そして汚くて臭い連中の中にどんどん入り込んでいく。

汚くて臭くて貧しくて笑顔で頑固なチベット人ですが、心を開かせる奥の手があったそうです。ひそかに数十枚持ち込んだダライ・ラマの写真。これをこっそり手渡すとチベット人の表情がガラリと変化する。

中国よ、行き過ぎるな!というのが最後のまとめだったように覚えています。躍進はいいんだけど、この国は歯止めなく行き過ぎる。ほどほど中庸ということを知らない。見ていてハラハラしてしまう。どこまで突っ走るつもりなんだ・・・。


海賊女王

kaizokujoou.jpg皆川博子の小説。16世紀、実際にいたアイルランドの女海賊、グラニュエール・オマリのお話です。

アイルランドといっても西海岸。波濤荒く、たぶん岩と沼地だらけで貧困の地。作物作ったってどうしようもないので、このへんの氏族(クラン)は代々の海賊稼業が多い。もちろん海賊といてっも、いつも船を襲ってるわけじゃないです。襲撃して皆殺しってのは儲けも大きいですが、リスクもある。いつもやっていると子分の損傷が多すぎますわな。したがって平常は沖行く船から税金(通行料)をとるだけです。こっちの方が効率がいい。

たしか九鬼水軍なんかでは帆別銭(ほべちせん)といってたと思います。通行税であり、建前としては通行保護金。みかじめ料ですね。保護してやっからよ、銭を少し出せや。

で、だいたいは通行税を徴収し、たまに心得違いで遁走しようとする船がいると襲撃する。身代金のために捕虜にしたり、積み荷をぶんどったり。収奪品がたまると、国内はヤバいので、たいていスペインあたりで売りさばく。時々は折り合いがつかずに紛争もおきる。ま、ギャングですわな。

イングランドからすると重罪手配の海賊首領。アイルランドの連中からみれば地元のスーパーヒロイン。それがイングランド側の圧力に追い詰められて窮地におちいって手詰まり。最後は捨て身でロンドンまで請願に出向き、エリザベス女王に謁見をたまわった。これは史実らしいです。

エリザベスとグラニュエールがどんな内容の話をしたかは不明。常識的には「もう悪いことしません」と謝ったと思うんですが、許されて帰国してからもグラニュエールはブレることなく、相変わらず海賊業を続行。なんだか分かりませんが、けっこう痛快な話です。

そうそう。アイルランドへ侵攻したイングランド兵たち、無給だったらしいです。エリザベスはケチで有名ですが、ま、それだけでなく当時の常識でもあった。したがって兵士の糧食や給与はすべて現地収奪です。こういうシステムだったため、アイルランドの住民はイングランドに対して猛烈な敵愾心をもつ。ただ惜しむらく、スコットランドもそうでしたがアイルランドの連中もみんな独立心が高くて、要するに勝手気ままで統一戦線をつくれない。だからいつもイングランド兵にしてやられた。

逆に考えるとイングランドってのは、たぶんシステムとかルールとかを決めたら遵守する感性を持っていたんでしょうね。ゴルフにしてもテニスにしても、あんな訳わからないルールなのにゲームが成立している。個々のイングランド兵が特に豪勇だったとは思いませんが、でも集団戦に強かったとか。ま、勝手な想像です。


慶長・元和大津波奥州相馬戦記

oshuusoma.jpg近衛龍春です。同じ感じで南部とか毛利とか島津とか、いろいろ書いてますね。タイトルの「大津波」はほとんど意味なし。時代を見て出版社が無理やり付加したんでしょう、きっと。

で、主役は相馬の領主・相馬義胤。相馬ってのは、伊達政宗にとってはいつも目障りな場所です。勢力としては伊達の相手にもならない小さいものなんですが、それでも完全制圧しようとすると難しい。なんせ伊達は周囲が敵だらけ(政宗の不徳の至り)で、一方にかかりっきりになると、チャンスだ!てんで他が攻めてくる。

ずっーと目の上のタンコブ状態で、相馬は生き延びてきた。そし太閤小田原攻めへの参陣もおくれて、あわや改易という危機にも瀕する。要するに天下の情勢がわからない、東北の片田舎の小領主。戦争といっても昔ながらのパターンで、農閑期にちょっと戦って、田んぼが忙しくなると和睦のくりかえし。

そういう小領主ですが、なぜかギリギリのところでいつも所領を安堵してもらえた。たぶん理由は「伊達に対する楯の役目」だったらしい。小領ながらも兵は強く、馬は優良。伊達が中央に悪い心をおこしてもしばらくの間は楯になってくれるだろう。そういう役割を歴代の政権から与えられて、ずーっと長らえた。面白い回り合わせです。


朝鮮戦争

chosensenso.jpg朝鮮戦争ものはいろいろ出版されていますが、これは児島襄のもの。史実うんぬんは知りませんが、読みやすく、理解しやすい朝鮮戦争記でした。

マッカーサーとトルーマンの対立とか、東京司令部にマッカーサーが神のごとく君臨していたとか、ま、このへんは知識の範囲でしたが、けっこう知らないことも多かった。

まず米軍が弛緩しきっていたこと。下っぱの兵卒はもちろん訓練不足で素人同然。もっと問題は将軍クラスの独善と情報不足でしょうね。みんな東京司令部の方ばっかり見ていて、現地を知ろうとしない。後半のエピソードですが「北朝鮮も韓国人と同じ言葉を話しているのか」と聞いた将軍までいた。いかにも無知独善のヤンキーです。

もうひとつは、朝鮮戦争が実質的に米国の戦争であったこと。当事者であるべき韓国軍はほとんど相手にしてもらえなかった。実際、韓国軍は統率もとれていなくてすぐ崩壊し、米軍にとってはお荷物のような感覚だったらしい。あちこちで韓国兵の戦車恐怖症エピソードが描かれています。北にはソ連からもらった優秀な戦車部隊があったけど、南に戦車部隊は皆無だった。そりゃ戦車は恐いです。経済インフラ、軍備などなど当時は圧倒的に北が強かった。

そういう貧弱な南朝鮮で、良くも悪しくもひとり頑張ったのがたぶん李承晩です。この人の存在(そもそもこの人の大統領就任は米国の責任)が韓国にとって、長い目でみて良かったのか悪かったのは微妙なところです。依怙地な反共主義者であり猛烈な反日論者であり、独裁者であり圧政者。少なくとも日本にとっては困った人が大統領になり、この人が強引に大韓民国を勝手に成立させてしまった。

米軍は中国が国境越えて参戦する可能性を過小評価していたようです。まさか来やしないだろうとタカをくくる。実際、毛沢東もかなり迷っていたらしい。そして現実に中国(義勇)軍と対面してからもその兵力をなめていた。所詮は劣悪装備で黄色いアジア人です。近代的装備で制空権を確保している米軍にとって、非常にイージーな戦争になる・・・はずだった。

マッカーサーの博打がラッキーに当たって仁川上陸。でも朝鮮北部の地形は山また山の連続みたいです。そんな狭隘な山道を米軍が堂々と能天気な隊伍をくんで進出していくと、夜中にチャルメラ鳴らして中国兵がおしよせる。殺しても殺してもウンカのごとく押し寄せる。空爆は地形のため効果があがらない。夜は冷え込んで氷と雪の世界。おまけに米本国では国民がこの戦争にあまり共感をもたない。

第二次大戦の帰還兵は英雄でした。でも朝鮮戦争の帰還兵にはだれも同情をもたない。あんなアジアの外れの山地で米国の子弟は何をしてるんだ・・・。泥沼のベトナム戦争の前駆ですね。

そして休戦。休戦交渉の当事者も米軍vs中朝軍です。韓国は蚊帳の外。この構図はいまも変わっていないようですね。もし北朝鮮が境界線を越えて南進してきたら、戦いの主導権を握るのはたぶん米軍。これじゃあんまりだ・・と韓国がクレームつけてたようですが、現在のところも依然「戦時の作戦統制権は米韓連合司令部」という形です。韓国にはとってかなりプライドを傷つけられる状況ですね。朝鮮戦争はまだ尾をひきづっている。というか、戦争はまだ形式的には継続中です。


ダーク・スター・サファリ

darkstarsafari.jpgこれもポール・セロー。どうも好きみたいです。

この本のポール・セローはもう60歳を超したオヤジ。人間、トシとると感傷的になるんでしょうね。若いころ教鞭をとっていたアフリカのどこか( どこだったっけ)を再訪したくなった。多少は有名作家なんだし、学校に頼み込めばたぶん臨時講義ぐらいはやらせてもらえるだろう。センチメンタルジャーニーです。

青年時代のセローはたしか徴兵忌避で、海外協力隊(みたいなもの)でアフリカのどこかに行った。どこだったっけ。人食い大統領で知られた国です。えーと、はい、平和部隊でウガンダです。大統領はアミン。アミンが大統領になったんで、あわてて隣国へ逃げ出した。

私事ですが海外協力隊でアフリカに行っていた知人がいます。酒飲みながら聞いた話では、ウガンダ国境に近い村なんかでアミンの悪口を言うとかなり危ない。夜中に連行されて、拷問されて喰われてしまう危険もある。真偽のほどは不明ですが、何人かは喰われたという噂がある。

ま、それはともかく。

エジプトから延々と苦しい鉄道の旅を続けてきたセローは、ようやくウガンダの隣国、懐かしの地マラウイへ。若い教師だった頃のセローは同僚たちと「あと10年もしたらこの国も豊かになる」と話し合っていました。きっとそうなる。そうに違いない。信じていた。しかし現実のマラウイはいっそう貧しい国になっていました。

セローは怒り狂います。これがセローのいいところで、シニカルな表面を装っているけど、実はけっこう熱い。熱いオヤジなんです。図書館の本が盗まれ、職員住宅の壁が破れている。これは理解できる。無能な政府が予算を配分しないからだ。しかしなぜ廊下にゴミがあふれているのか。なぜ庭に雑草が生い茂っているのか。なぜ誰も掃除をしないのか

要するに、こうした貧困はアフリカ人自身のせいです。他に原因を求めてはいけない。だれかが援助してくれることだけ待ち続けて、自分たちはなにもしない。無為無策のまま援助物資で食べている。そんな民衆に希望なんてカケラもない。

善意の西欧が親切に援助の手を差し伸べてきたアフリカ。でもその援助がアフリカをダメにしているんじゃないだろうか。昔の河沿いの村は貧しくて、住民たちは手作りロープと牛皮のバケツで井戸から水を汲みあげていた。いままた訪れた同じ村には、錆ついた汲みあげモーターが転がり、トラックの残骸があり、切れたプラスチックのロープが捨ててある。そして住民たちは昔と同じように手作りロープと牛皮のバケツで井戸から水を汲みあげている。トラックはガソリンがないと動かない。モーターは修理できる人間がいない限り壊れたまま。

何も変わっていません。相変わらず土とホコリと貧弱な木々だけの村。ただ以前にはなかった残骸ゴミが余計に増えただけ。

ま、そんなふうな本です。そうそう。偉そうに演説しているセローですが、実はあちこちで良さそうな金細工とか土産物を買い込んでます。そういう意味ではふつうの人。で、旅の最後の南アでは一流ホテルに宿泊。やれやれと安心して施錠したバッグを預けて、レストランで美味い飯を食ったんですが、預けたバッグは消え去っていた。南アは文明国だったはずなのに・・・。残ったのはずっと身につけていた取材ノートだけ。取材ノートが残ってよかった。


アラブ500年史 上

arabu500.jpgユージン・ローガンの上下本。ただし下巻はあまり楽しくありませんでした。上巻も楽しい本ではないですが、ま、下巻よりはマシ。

えーと、まず16世紀、マムルーク朝のエジプト軍がオスマントルコと対決。ここでエジプト軍は大敗します。これを契機にオスマン大帝国が誕生。以後のアラブ世界はオスマンの支配下で生き続けます

マムルーク朝が隆盛を誇る前はどこだったんですかね。調べてみるとアラブ帝国ってのは、まずムハンマドの時代を経て拡大してウマイヤ朝。次がアッバース朝。他にもあるんですが、ま、次は大帝国とはいえませんがエジプト中心のマムルーク朝ですか。

で、マムルークを撃破してオスマントルコが大帝国となった。オスマンはアラブではないですが、一応はイスラムなので、なんとかアラブ世界も静かになった。しかし、やがてオスマンが西欧に浸食されはじめると、各地でアラブ民族主義が台頭。こういう見方でいいのかな。ちなみにアラブ人とは、概略アラブ語を話す人々です。

あるいは、台頭するのはアラブ民族主義なんて立派なものではなく、個々の氏族なのかもしれない。たいてい「ナニナニ家」という連中です。はっきりしませんが、たぶんムハンマドの系譜を継ぐ名家なんでしょうね。各地に勢力をひろげた一族、名家。そういう「一家」「氏族」が抗争しながらアラブ各地でテリトリーを拡げ、資産を蓄積する。そして第一次大戦後のアラブ分割では、各国の思惑でそれぞれバックアップしてもらった実力者が、国境線をひいたエリアの大統領や王様になる。

そんなふうに大きく眺めると、アラブ世界ってのは面白い。各国みんな親戚のようでもあり、ライバルでもあり、敵でもある。シーアとスンニという大きな違いもある。うまく利害が一致すると(OPECみたいに)団結して行動する。ときどき裏切るところもある。

イスラエルという国家は、最初からあったわけではないんですね。てっきり船に乗って「神の国家だあ」と乗り込んできたような印象でした。映画、栄光への脱出。実際には特定エリアへの植民計画だったそうです。パレスチナ地域に大量のユダヤ人を入植させて、だんだん入り交じらせる。しかし土地の購入とか接収とか、いろいろトラブルが発生する。暴力抗争が連続する。

そもそも無理な計画だったわけで、英国はイスラエルエリアを勝手に決めてしまいます。要するにパレスチナには泣いてもらいましょ、ということ。ただし全アラブがパレスチナに同情したわけでもなく、これを機会に残りのパレスチナ地区を自領にしようと策謀する王様もいたらしい。

でも国境線を勝手に引くなんてそもそもが無理筋で、さらに暴力とテロが連発する。草創期のイスラエルってのは、ほとんどテロ国家です。彼らに言わせれば自衛。生き残るために必死なわけで、あちこちで騒ぎを起こす。この頃の行動責任者たちが後で首相なんかになっています。

とどのつまり、結局薬局で英国は完全にサジを投げる。検討委員会にまかせて国境を決めた。何月何日。あとは勝手にしなさい。責任もたん。もう知らんもんねと宣言

その実効当日、周囲のアラブ諸国がいっせいにイスラエルに攻め込む。「知らんものね」って言うんだから勝手にさせてもらいますわ、です。ところがイスラエルは長年の独立抗争で十分な戦力を養っていた。武器も大量に保持していた。アラブの連中はいかにもアラブらしく勝手バラバラ、統一なく作戦行動する。その結果はイスラエルの圧勝。圧勝したイスラエルはチャンスに乗じて一気に国境線を拡大する。

多少は違うかもしれませんが、だいだいこうした経緯なんだと思います。詳しく歴史経緯を知ると、パレスチナ問題を安易に解決する方策なんてあるわけがない。読めば読むほど暗澹たる気持ちになるだけです。

政宗の長女五郎八姫も大きくなりました。うまいぐあいに家康の六男坊(忠輝)との縁談も決まり、伊達は我が世の春です。うまい酒をのんでぐでんぐでんに酔ってる。

しかし要するに天下人の夢を諦めたっていうことなんですよね。徳川政権の飼い犬になるしかない。でも唯々諾々と従うのは悔しいので、秀忠からのお土産要求は断固拒否。意地を張ってます。

この引き出物の話をもちこんだのは徳川の重臣土井利勝ともう一人は誰だったか。たかが刀をよこせやらないの話に、けっこうな時間をかけています。最初はやんわり持ちかけて、だんだん具体的にして、最後は居丈高に要求する。

これを、いきなり「献上つかまつりたし」と言ってしまったら味がない。「ください」「嫌だ」「どうしても献上していほしい」「どうしても嫌だ」で終わってしまいます。このドラマのこうした順を追った手順がなんともいえない。自然な流れ。政宗のほうも最初は上機嫌で、だんだん険悪になってくる。

娘婿の忠輝は真田広之です。若いなあ。野心まんまん、意欲に燃える青年です。でも基本的にお坊ちゃんなんで、かなり危なっかしい。大久保長安と忠輝の大風呂敷に、さすがの政宗もたじろいでいる。要するに紅毛人(エゲレス、オランダ)と南蛮人(ポルトガル、スペイン)の間のバランス外交。隙があったら征服してしまおうという壮大な夢。政宗もそこまでの構想はなかった。

dokuganryu2014.jpg政宗の周囲では次々と功臣が亡くなっている。長塚京三も死んだし寺田農もいなくなった。少しずつ時代が移っていってるんですね。政宗も40歳を過ぎた。

そんな折りに若い連中から新感覚の構想を聞かされて、ドキッ。せっかく大人しくなっていた野心に火がついてしまった。そうか、大船をつくって海に乗り出せばいいんだ・・・。

★★★ 河出書房新社
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最近の刊行です。なんでこんな地味な本を借り出したか自分でもわからない。

内容はタイトルのままで、イチョウの2億年の物語。こんなに古い植物は他にないらしいです。シーラカンスの植物版、生きた化石。1億年2億年前には世界中に栄えていたイチョウの仲間ですが、たぶん氷河期の寒冷化で絶滅しかかった。あるいはイチョウの実を食べて運んでくれる特定の動物が消えて、その影響を受けたのかもしれない。

ということで、イチョウはほぼ絶滅しかかったものの、唯一、中国南西部の小さな谷間にしがみついて生き延びていた群生があった。そしてどうやら人間がこの木を気に入って、あちこちに植えてくれることでテリトリーを拡げたらしい。動物の代わりに人間が助けてくれたわけです。

したがって現在のイチョウは「裸子植物門イチョウ綱イチョウ目イチョウ科イチョウ属」。これだけで、他に仲間はまったくいません。天涯孤独な植物です。

中国の寺院の境内とか人家の近くに植えられ、だんだん広まって朝鮮半島、そして日本列島。日本に入ってきたのは800年くらい前ではないか。すると疑問になるのは例の鶴岡八幡宮の隠れ銀杏ですね。えーと、源実朝暗殺が1219年ですから、この頃の八幡宮に巨大なイチョウがあったとするのはちょっと怪しい。実際、吾妻鏡にもイチョウの記述はないそうです。公暁は単純に階段の端に隠れていた。

イチョウのエピソードが書かれたのはかなり後年になってからで、信憑性は限りなく薄い。たぶん、完全なガセネタでしょう。

それはともかく。長崎の出島に滞在したオランダ人が日本のイチョウに注目し、こんな不思議な木があるのかとびっくり。これを持ち帰ってヨーロッパにも広まった。そしてなんやかんやの末に泰斗リンネの元にも届き、リンネ爺さんが厳かに命名。Ginkgo biloba。bilobaは葉っぱが割れていることの意味だそうです。届いたイチョウは若木で、若いと葉っぱが割れてることが多いんだとか。Ginkgoはたぶん「Ginkjo」の誤り。ギンキョウ(銀杏)ですね。

こうやって世界中にイチョウは繁殖した。増えやすく、非常に生命力の旺盛な木だそうです。公害にも強いので街路樹にぴったりだし、黄色く色づくのも面白い。雌雄があるのも珍しい。もちろん実(というか胚珠)は食べられる。中毒の危険があるので、食べ過ぎには注意。

本筋に関係ないですが、実朝を殺した公暁、すぐ逮捕されたかと思っていましたが、実際には首を取っての逃走に成功し、有力御家人に謀叛を呼びかけたとか。結果的に反乱は成功しなかったわけですが、100%無謀な企てでもなかった気配がある。上手に根回ししていれば、ひょっとしたらクーデタ成功ということもありえたのかもしれない。知らんかった。

さて、2014年もあと数日で暮れます。約束事なので、一応は振り返ってみますか。


正月早々、映画観賞

えーと、正月早々、家内と映画をみに行きました。「ゼロ・グラビティ」。絵はきれいでなかなか面白い映画だったんですが、物理学を完全無視の内容はちょっと残念でした。そうそう。ここに書いてましたね。まず、地球を周回するスペースデブリ(衛星の破片)に90分ごとに襲われることはありえません。

0gravity2.jpgまた、遠くに見えるISS(国際宇宙ステーション)に向かって消火器(だったか)吹かしても決して追いつけません。

面白くないかもしれませんが、厳然たる事実なんで仕方ない。地上から戦闘機に石をぶつけて撃墜するくらいの難度です。ま、そうは言っても娯楽映画だからなあ。この程度はなんとか我慢しましょうか。

でも、思い返すとやはり肝心カナメの「なぜ相棒はロープから手を離したか」がネックですね。なんせストーリーの根幹にかかわってくる、いちばん泣かせるシーン。

まるで重さがあるかのように、ロープにすがった相棒はジリジリと宇宙船から離れていく。そしてヒロインを道連れにしないために、相棒はつかんだロープを離す。自己犠牲。ロープを離してからはそのまま宇宙空間を遠ざかっていく。でも、なぜ? 

いったんロープが張って停止状態になったら、もう慣性は消滅しているはずです。肝になる感動的な部分なんで、こうした非科学的な部分が非常にきにかかりました。こんな映画を見た中学生や高校生は慣性の法則を間違って理解はしないだろうか。うん、心配です。心配であります。

1年を振り返るのにたかが映画をとりあげるってのは、それだけ珍しい行動だったということなんでしょうね。帰る途中で陳健一の店で麻婆豆腐を買いましたが、その後、また立川土産の麻婆豆腐をも持ち帰ったのはたぶん一回きり。出無精だなあ。


コンデジ FUJIFILM X20を手に入れました

x20_201401.jpgついに決心して高級デジカメを買いました。高級といっても、いわゆる一眼とは違ってレンズと本体が一緒になったものです。そういう「コンパクトデジカメ」としては高級な部類であるというだけ。

いろいろ迷ったあげく、比較的マイナーなFUJIFILMのX20に決定しました。わりあい軽量であり、レトロな雰囲気のライカ風、ファインダーの付いているのが決め手です

なんせカメラってのは両脇締めてファインダーをのぞいて構えるという固定観念がある。ズーム4倍もちょっと低倍率すぎるような気もしますが、実際には特に不便もないです。

バッテリーが弱いという定評でしたが、これも自分のような素人にとっては問題なし。100枚や200枚くらいの撮影なら不自由は感じません。1週間くらいの海外旅行でも、事前にしっかり充電しておけば持ちます。ピント合わせも早いし画面は明るいし、画像もきれいです。十分すぎる。

ただし、肝心のファインダー、実はあまり使っていません。ちょっとした撮影なら背面の液晶で確認したほうが簡単で、ま、いろいろありますが、いまのところ買ったことを後悔することもないです。

サイトを覗いてみたら、4万6500円で買ったこのモデルは値下がりどころか上昇で、まだ5万以上の値がついてました。。うん、よしよし。正直けっこう気分いいです。


SimCity 4。神モードで遊んでみた

ふとした気の迷いでSimCity 4を購入。定番の都市育成ゲームです。ただ、2003年発売ものの再販バージョンなのでネット価格1480円でした。叩き売りですね。安い。

買い込んでからはひたすら地形造成に熱中しました。理想の都市計画のための理想の地形造成です。こうした土地造成だけでもけっこうハマります。あっちを盛り上げ山をつくり谷をつくり、こっちを海にして川を掘って、植林する。島を作る。土地を均す。昔のバージョンに比べてスムーズに動くようになったなあ。

初めてSimCityを遊んだのはいつのことだったか。たぶんマックで遊んでいる連中がいて、横から見て面白そうだなと感じたのがキッカケだったでしょうか。当初は街を真上から見下ろす形のシンプルなものでした。実際に買い込んで熱中したのはSimCity2000かな。時間もかかったし、けっこう難度もあった気がします。せっかく順調に都市が発展していると、住民が文句を言い始めたり、いきなり竜巻が襲来したり。ん、このへんはSimCity3000だっただろうか。記憶がゴチャ混ぜになってます。

Simcity4_1680x1050.jpgで、SimCity 4。そうやってひとしきり神様モードの地形改造を続けているうちに、フッと飽きてしまった。こういうパターン、実はかなり多いです。

大昔の初代Wizardryでもそうだった。キャラ作りが楽しくて、ひたすらヒットポイントの高いキャラクター作成に熱中。

あの頃はランダムに数値が決まったため、何十回、何百回もキャラメイクをくりかえしているとスーパーキャラを作れたんです。そういうスーパーキャラなら最初からエリート職の忍者とか侍にすることができた。

そういう単調な作業が嫌いではないんでしょうね、きっと。単調な努力を継続することで、何か素晴らしいものが誕生する。その達成感。満足感。


厳寒の長野で蕎麦を食べる

とちくるって、寒い季節に長野へいきました。何をしたんだっけ。善光寺のあたりを歩いて蕎麦を食べて、上田でジャムを買った。もちろん上田城にはいきました。大昔、学生の頃、同じクラスに上田の男がいた。上田城、六連銭、上田高校、厳寒、リンゴ、いい奴だったけどやたら自慢こきだったなあ。みんな閉口して「アンファン テリブル」というあだ名を付けました。

zenkoji.jpg郷里からリンゴが届いたとかで分けてもらったことがあります。大きくて綺麗なリンゴ。ゴシゴシっとこすって、そのまま齧りつく。皮がいちばん美味いんだぜ、と講釈たれておった。はは。

上田城といえば真田。再来年の大河ドラマは三谷幸喜だそうです。今回はNHKに妥協してご機嫌とるなよ。しっかり作れよ。

主役は堺雅人だそうなので、ま、あんまり深刻なものにはならないでしょうが、少なくとも脚本の作り込みはしっかりやってくれるはず。来年の「花燃ゆ」をスッ飛ばして再来年に期待です。


独眼竜政宗を見続けています

大河ドラマ「独眼竜政宗」の再放送が始まりました。けっこう気になっていた大河なので、珍しく毎週録画。時間をみて鑑賞しています。

うん。見応えがあります。言っちゃなんですが、最近の大河とは雲泥の差。月とスッポン。提灯に釣鐘。きちんと計算された脚本があり、まっとうな役者さんがきっちり芝居している。やはり一番の違いは脚本の質でしょうね。もちろんリアリズムではないけど、でも戦国文化の本質的な部分を抑えている。

主人公は「強くなりたい」「さすが!と称賛されたい」「名を後世に残したい」「天下を支配したい」という強烈な欲望で動いています。北政所のいう「男の業」です。業なんだからしかたない。

伊達政宗という人は、とりわけそうした欲望の露骨な人間です。だから大人しくしたほうが賢明と承知していながら、つい策謀や謀叛をくりかえす。目の前に美味しそうな饅頭があると、手を出さずにはいられないんでしょうね。それで何回も失敗している。

女たちはそうした男の考えに完全に同意しているわけではない。でも「平和な世を!」とわめいたって無意味なのは知っている。そんな無意味なことを考えるより、自分と家族の平穏を祈る。他人が苦しむのは哀しいけれども、まず自分と家族の幸せをめざす。これも当然です。突っ走る男に面とむかって楯突いたって逆効果なので、そこは上手に裏から操縦する。

部下の武将たちも、本質的には自分の利欲のために行動します。しかしそれと同時に「忠義」「義理」「体面」「評判」も大切。だから主君のために尽くすけれども、場合によっては叛旗をひるがえし出奔する。自分を生かしてくれないような主君に仕える義理はない。

dokuganryu2014.jpgこうした行動理念、現代にもそのまま通じています。要するに人間の考えることとか、なすことなんてそう変化するわけがない。そう考えると、下手くそな脚本というのは、要するに人間が描けていないということになる。

人間を描けないドラマはドラマ失格です。最近の大河、あまりにレベルの低い失格ドラマが多すぎます。困ったもんじゃ。

ようやく「軍師官兵衛」が終わって来年の予告編を数分見ましたが「花燃ゆ」もあまり期待できそうな感じがしないですね。男子校の野球部に飛び入り参加した女子マネージャーみたいな印象。元気で明るい女の子のドラマかな。もちろん上手にコミカルなものにしてくれればそれもアリなんですが、うーん、無理だろうなあ。


肉まんとゴーギャン

立川のグランデュオで「目黒五十番の肉まん」を知りました。五十番はずーっと神楽坂五十番だと思っていた。経営も味も別ですが、そもそもは兄弟だったようです。

目黒五十番は神楽坂に比してわりあい軽めで上品なんですが、いい気になって1コ半食べたら後でお腹の調子を悪くしてしまった。食べ過ぎはいけません。トシとってから、なにより体に悪いのは食べ過ぎ、満腹であることを知りました。難しいけど腹八分。お酒も若いころのように飲み過ぎると後が大変。適量が何よりです。

別件。

これもたいしたことではないですが、「23ユーロのゴーギャン」は楽しいニュースでした。44年前、イタリアのフィアットのしがない工員が、国鉄遺失物の競売で、絵を2枚買った。現在価格で23ユーロ、約3000円程度ですね。ま、それくらいのお金を出す価値はある絵だと思ったわけです。その後もずっーと(たぶん気に入って)持っていて、リタイアしてシチリアへ移転してからは食堂の壁に飾っていた。

勝手な想像ですが、奥さんの「これ、邪魔だから捨てない?」という言葉にも亭主は同意しなかった。

で、なんかの事情で息子が疑問をいだいて鑑定してもらったら、あらら、本物のゴーギャンとボナール。44年前に盗まれた英国の資産家のコレクションだったと判明。マークス&スペンサーのオーナーかなんかだったかな。で、鑑定価格は15億円とか20億円とか。ひえー。

Gauguin2014.jpgその後はどうなったんだろうなあ・・・・と実は気にかかっていました。ものは試し、検索してみたら英文記事がヒット。なるほど。今のところ、ローマ当局によって絵画の所持は認められているみたいです。業者から買いたいという引き合いもある模様。ラッキーなことに英国の元の所有者は亡くなっていて、子供もいない。返還を要求する訴えもいまのところ発生していないらしい。

イタリアの法律はわかりませんが、最悪の場合「23ユーロ+αで没収」なんてケースもありえたわけで、よかったよかった。たぶん売却することになるんでしょうが「寂しいから片方の絵は手元におきたい」とか言う可能性もありますね。おまけになんせシチリアです。マフィアに狙われて誘拐とか。そんなことにならないといいんですが。


山形へ小旅行

家風に似つかわしくなく、なぜか山寺へ行きました。山形県です。

yamadera2014.jpg内心危惧していたとおり、長い長い階段を登りだすといやーきつい。なんでこんなアホな寺を作ったんだろ。冷や汗が吹き出てきて、ついに頂上手前でギブアップしました。

山はきわめることに意義があるんじゃない、登ることが重要なんだ。うん、ここまで登ればもう十分だろう。

翌日だったかな、近くの茂吉記念館へ。近頃は知ってる人も少ないらしいですが斉藤茂吉です。山形県上山市金瓶。寂しい無人駅をおりると目の前が蔵王連峰です。

小さいけれどもけっこう雰囲気のいい記念館でしたね。茂吉だけでなく息子の茂太さんとか宗吉の展示もある。家内も子供も宗吉(北杜夫) のファンなんです。子供なんか、松本へ行ったときにはわざわざ旧制松本高校の寮まで行ったらしい。そこにも記念展示があるらしいです。

そうそう。茂太は子供の頃、恐い親爺(茂吉)につれられて湯殿山へ登った。登ると決まってからの何日間は厳しく斎戒沐浴、たしか草鞋履きかなんかの登山は泣くほど辛かったとパネルに書かれていました。

何かで読みましたが、その茂太さんも後年、息子をつれて登ったそうです。一種の成人儀式でしょうね。


久しぶりにマウスを換えました

ブラウザが2枚も3枚も立ち上がるようになって、最初はブラウザ本体を疑っていたんですが、マウスのチャタリングが原因と判明。

しめた、なぜかこれまで縁のなかったロジクールを買うか・・・と意気込んだんですが、だめでした。駅前の店には売っていなかった。圧倒的に並んでいたのはエレコムとバッファローです。バッファローはマウスにまで手をひろげてるんだ。排除する根拠はまったくないですが、なんか気がすすまない。

sanwamouse2014.jpg結局アマゾンで買いました。マウスはクリック感と重さが重要なので、試したことなのないモデルを買うのは気が進まない。壊れたのと同じSANWAマウス MA-118HBK。1354円。

うーん、本当はもう少し高級なのを欲しかったんだけどなあ。マイクロソフトのマウス(なぜか高いです)は無理にしても、せめて3000円か4000円くらいの中級品にしたかった。みみっちい庶民感覚です。

PCパーツでは無線ルータもそろそろ危ないです。なにしろ2004年ものですからね。万一にそなえて検討しておこうと調べてみると、これもずいぶん安くなっている。2000円とか3000円程度。あんまりオモチャみたいなのは嫌だけど、かといって高い機種になると不要な機能がテンコ盛りの雰囲気。あんがい選択肢がないです。

いろいろ調べておきたいので、時折ネットの「自作PC」板をのぞいています。けっこう勝手な書き込みだらけだし、ステマ(スティルス・マーケティングの意かな)もあるし、悪意や嘘も多い。でも脳内フィルターをかけながらザーッと眺めると、だいたい最近の傾向のようなものが読み取れますね。

最近、内蔵ハードディスクはWestern Digital押しが多くなってるようです。自分の使っているのはSeagate製で、特に問題もなくけっこう気に入っていますが、そのSeagateが今ではやたら嫌われているらしい。壊れる頻度が多いんだそうです。ふーん。根拠となっているのは、どこかのサーバー屋さんの出した統計らしい。ふーん。

ま、いずれにしても今は円安が進んでいて、タイミングとしては良くない。かつての底値を知っているので、3.5インチHDDには5000円以上出したくない気分がある。ケチです。とかなんとか言ってても、実際に壊れたらすぐ買うしかない。Western Digitalの赤シリーズ、1テラで8000円近くしています。うーん。


黒部アルペンルートとWizardry8再開


9月にはこれも我が家には似合わない旅で、黒部アルペンルートへ。代理店には山頂のホテル立山を勧められたそうですが、そんな山小屋みたいなの・・と拒否、富山側の宇奈月温泉に宿をとりました。ただ実際に行ってみると、ホテル立山、良さそうでしたね。泊まって、夜見る星空が素晴らしいんだそうです。意地はらず、人の勧めには乗ったほうが賢いということが多い。

tateyama2014.jpgアルペンルートとは要するに長野側の信濃大町から富山側の立山駅まで、延々と山を越える道です。ひたすら乗り継ぎだらけで、料金もかなりかさむ。忙しかったですが、ま、一回くらいは経験しておいてよかった。

宇奈月温泉の宿も良い宿屋でした。



話はかわって、9月頃から酔狂なことにWizardry8を再開。知ってる人は知ってる。知らない人は説明されてもわからない。ま、そういう定番RPG(ロールプレイングゲーム)ですね。もう10年以上も前のゲームです。発売当時としてもグラフィックは貧弱でしたが、よくできたゲームであまり古さを感じさせません。

そのうち最新エンジン使ったWizardry9が出ないかあと思ってんですが、無理でしょうね。販売会社がグチャグチャで権利関係も錯綜しているらしい。海外のサイトで「売れなかった名作集」みたいなリストにノミネートされていました。哀しいなあ。

今回はFlame's modというこれも定番らしいMODを使いました。MODというのは、制作会社のお仕着せシステムを勝手に改変したり、シナリオを追加したり、装備を増やしたりすることです。一応は違法なんでしょうけど、優秀なMODが増えるとゲーム人気もあがる。ほとんど公認です。

wiz20140928.jpgこれも人気ゲームのSkyrimなんか、どっちかというと美形MODを使うのが楽しみでやってるみたいな部分もある。

はい。Skyrim、女性キャラがかなりのクォリティで美女になります。肌をきれいにしたり、顔を整形したり、胸を大きくしたり。世界中の優秀なプログラマたちが、そうやって(金にもならない)改変コードを作成している。不思議な現象ですね。

で、Wizardry8。導入MODのため武器や装備のグラフィックは華やかになったけど、ちょっと強力なアイテム追加が多すぎた。中程あたりから難易度がかなり下がった感じがあり、簡単になりすぎました。結局は最終エリアに到達した時点で熱意がさめて中断。そのうち、また何年かたったら再開するかもしれません。そういう不思議な魅力のあるゲームです。


エントロピーは増大する

今年の後半は肩痛で苦しみました。いわゆる四十肩とか五十肩というものでしょうけど、今回はかなりしつこい。体長10cmくらいの小猫、あるいは体重20gの小犬が肩にぶらさがっている。しばらくは鎮痛剤のお世話になりました。貼り薬だけはまだ続けています。

数カ月かけて、だんだん症状はおさまってきて、夜中に何回も目覚めることはなくなりましたが、それでも寝付き際はまだ痛む。ひょっとするとこのまま一生の付き合いになるかもしれません。体の劣化。トシというものですね。

クリスマスツリーを片づけていた家人が「あ、葉っぱが折れた」とか言っています。子供が小さい頃に買ったものです。こんなに長く使うと知っていれば、もう少し高級品を買っておいてもよかった。経年で安物プラスチックが劣化して脆くなったようです。これもトシというものでしょう。形あるものは壊れる。エントロピーは増大する。人は滅する。摂理です。

そうそう。今年も真面目に定期検診を受けました。結果は想像通り。要するに酒を控えて運動をしないと改善はのぞめない。

検診で上部内視鏡(いわゆる胃カメラ) をやったんですが、看護師が「今年は麻酔を控えめにしますか」という。そうか、やっぱり去年は効きすぎたんだ。ベッドに横になってマウスピースをくわえて、ウェッと思った次の瞬間には控室で寝ていました。どうやって運ばれてきたのか歩いてきたのか記憶が完全にゼロ。

gojukata2014.jpgあれは麻酔が効きすぎたという症状だったんですね。あれが(なんからのミスで)何倍も強烈な麻酔なら、そのまま死亡とか。

ふと思ったのは、そんな形で訪れる死もあるのかもしれないということ。いまは「肩が痛いなあ・・」と思いながら、いつのまにか寝てしまう。同じように「痛い、苦しい・・」と思いながら意識が消える。あるいは翌日目が覚めて初めて「あ、きょうも朝を迎えられたか」と実感するのかもしれない。うーん。ちょっと、いろいろ考えました。


インチネジなのかミリネジなのか

slotcover.jpgだいぶ前にPCの背面用スロットカバーを買ったんですが、ようやく装着。装着というほどの作業でもないですが。

筐体を開けると、案の定でホコリがどっさり溜まっている。真面目に眺めるのは1年ぶりかな。とくにCPUクーラーのファンとPC前面の吸気穴のところがすごい。

溜まったホコリを綿棒で擦って、ところどころはエアブロワーでシュッシュッと吹く。その後で掃除機。クーラー外してCPUを露出させようかとも思いましたが、けっこう作業になるのでこれはナシ。いいかげんです。

いちばん時間のかかったのは、実はスロットカバーの取り付けでした。隙間にあてがってネジで止めるだけの作業なんですが、そのネジがあわない。インチネジなのかミリネジなのか知りませんが、ドライバーで数回まわすと止まってしまうわけです。はて。

ネジはたくさん持っているんです。でも、どれも合わない。次から次へと20コくらい試してみたけどすべて合わない。困ったもんです。もうどうでもよくなって、合わないのを無理やりねじ込んでしまった。やっちゃいけない無理作業でした。それにしても不思議だなあ。ちなみに老眼なのでネジ山のこまかい切り方なんて判別できません。

と、このへんで腰が少し痛んでくる。変な姿勢で作業していたのでギックリ腰の前兆。やめる潮時です。

pcneji.jpgま、なにはともあれ。仕事もほとんど終わったし、必須の「布のデスクカレンダー オジサン柄」も手にいれたし、不要のノートパソコン類も今年は片づけたし。たいした量ではないけど古本も整理できたし。あとは年賀状の作成くらいかな。ヒツジって基本的に可愛くない動物なので、イラスト選びに苦労します。

★ 早川書房
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「イリアム」の続編です。上下2巻。

ダン・シモンズの大風呂敷はいっそう広がって、収拾つかなくなる。で、要するにこの小説はトロイ戦争とオリュンポスの神々の抗争を描いてみたい。壮大な地球未来SF小説にしてみたい。ついでに自分の愛好する詩や作品ウンチクも語りたい。そういうことでしょうね。舞台回しはオデュッセウスの放浪とシェークピアのテンペストです。

準主役のオデュッセウスは時空を越えて放浪します。そしてオデュッセウスと地球の住民たちは謎のプロスペローや娘のミランダ、妖精エアリエル、怪獣キャリバンなどに遭遇する。このテンペストふうキャラは何故か魔法のような力をもっています。ただし魔法ではなく「量子ナントカ効果」です。「魔法」という言葉の代わりに「量子」を使ってるだけなんですけど、ま、それによってファンタジーではなくSFになる。ちょっと狡い。

そうそう。不死の英雄アキレウスは、殺してしまったアマゾンの女王ペンテシレイアを神々の再生槽で復活させることに成功。どうしてかというと、ペンテシレイアはアフロディテからもらった媚薬(No.9)を体に塗ってたんですね。殺してしまってからアキレウスはその香りを嗅ぎ、虜になってしまった。

アキレウスはペンテシレイアに執着している。ペンテシレイアはアキレウスを敵と思っている。で、生き返ったペンテシレイアはブツブツ言いながらアキレウスに同行します。アキレウスも「嫌な女が」とは思ってはいるんですが、なんせアフロディテのNo.9効果があるんで、一緒にいるしかない。

このへんけっこう面白かったです。ダン・シモンズってのは、あちこち気が利いて楽しい描写が多いんですね。ただ、それを圧倒するくらい、どうしょうもない大風呂敷と冒険活劇と感傷を繰り広げる。困ったもんだ。


関ヶ原も終わって徳川の威信はますます増大。というより天下はほとんど徳川ですね。ただ大名連中がどう見ていたのかは面白いところです。

いわばカリスマ先代会長が死んで、息子はまだ子供。先代の奥さんが(役付きではないけど)影響力を持ち続けている。で、実力副社長は取締役会で、叛旗をひるがえした常務一派を馘首。みーんなイエヤスさんが実質社長であることは承知だけど、でも先代の一族をないがしろにするのも気がひけるし・・・。

けっこう微妙なんだと思います。家康としても、あんまり評判悪いことはしたくない。自分に頭を下げてくれれば悪いようにしない気持ちはあるんだけど、肝心の先代の奥さんはプライドばっかり高くて世の中のことがわからない。困ったもんだ。

伊達政宗の立ち位置も微妙です。表立ってケンカはしたくない。でも唯々諾々と従っていたら軽んじられる。ちょいちょい文句をつけて、存在を見せつけておかないといけない。難しい。綱渡り軽業です。綱渡りが根っから好きだったんでしょうね。

そうそう、仙台城は山城だったのか。いわれてみれば、たしかに青葉山の上です。当時、すでに流行は平城で、不便な山城は少なくなっていたと思うんですが、政宗はあえて堅固な城砦にこだわった。本気で関東と戦うことを予想していたのかもしれない。Wikiによると息子の代は不便な山の上を嫌って、平地に二の丸を作ったらしい。したがって江戸時代の仙台城は平山城という分類になるそうです。

この回、政宗は何回も家康に面会しています。家康の傍にいつも柳生宗矩がいるのはちょっと違和感ですが、ま、許容範囲。本来なら本多正信とか正純といった老臣でしょうね。キャストを節約してるのかな。それでもケースバイケースで今井宗薫とか大久保長安とか、使い分けはしている。金田龍之介の大久保長安、タコ坊主みたいで好演。

ということで100万石をフイにした政宗は正室に挨拶して嫡男を抱き上げ、その後は側室の猫御前のご機嫌をとってこっちは江戸へ移す。そのまた後は秘密の愛妾のところへ行って、こっちの子供は国元へこっそり戻す。忙しいですが、タマゴをひとつのカゴに盛らない、自分の血筋を分散するってのは、大切なことです。

dokuganryu2014.jpg新年の挨拶、家康の伏見より先に秀頼の大阪へ行ったというのも、見せつけ要素もあったでしょうが、安全保障の意味があったのかもしれない。二股膏薬。場合によったら自分が盟主になって関東と戦ってもいい。、そんな可能性があったかもしれないです。

今年も新潟鹿島屋から新巻き到着。これが届くとなんとなく豊かな気分になれます。他とくらべてけっして安くはないと思いますが、でも美味しい。鹿島屋では、いまだにおばちゃんたち(たぶん)が手作りで仕上げしているようです。そのためか「少し塩を多めに」と同じ追加注文をしても、仕上がりの味は毎年ちょっとずつ違う。鮭の個体差にもよるんでしょう。試しに尻尾のほうの切り身を焼いてみましたが、今年は少し塩加減がきつめかな。

新巻きと一緒に漬け物類もお願いしています。気に入っているのは「あられ茶漬け」の小袋。瓶詰めにくらべるとちょっと割安です。みそ漬け大根のあられ切りとシソの実。いかにも越後ふうに非常に塩っぱいです。爪の先くらいをご飯にのせて食べると、実に美味い。ご飯のお代わりしたいのを必死に我慢する。もったいないから大事に食べています。

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思い起こせば子供の頃に亡くなった祖母が、これをよく食べていた。もちろん手作りで、確か「シソの実」と称していました。常食はシソの実と梅干し(これも口が曲がるほど酸っぱい)と味噌汁。そうそう。小魚の醤油煮のようなものも常備していた。真っ黒に煮詰めたもので、「メダカ煮」と称していたような。実際にはメダカや小鮒などの混合雑魚です。ほとんど醤油のカタマリ。高血圧にはよくないんでしょうね。でも美味しいんだからしかたない。

世の中の美味いものはたいてい塩がきつくて脂が多い。あるいは糖分が多い。健康とは相反します。そうそう。今年も健康診断の結果はあまり改善されなかったなあ。医者は「酒を減らせ」と言うけど、それができたら苦労はない。酒と煙草をやめて毎日運動。長生きできるかもしれませんが、あははは。

そうそう、祖母が亡くなったあと、「メダカを煮ていたのが良くなかった」とみんなが言っていたような気がします。

寒くなりかかった頃の季節、天秤かついたメダカ売り(いたんです)が通りかかります。呼び止めて一升とか二升とか買い込んで、堀りゴタツを取り払った切り炉(というのかな)に炭を入れ、鍋をかけ、洗った大量のメダカを入れて、醤油をドバッとかけて、たぶん酒とか味醂の類もほんの少しは入れたのかな。

雑魚は非常に身がもろいので、崩さないように、焦げないように、気をつかいながら前かがみの姿勢で、けっこうな長時間煮る。もちろん正座しての前かがみです。なんかそれが体によくなかった、というのが父や兄弟の言い分だったらしい。炭酸ガスを吸ったというのかな。

ほんとのことはわかりません。でも「メダカ煮はやめろ」と言われても祖母はいうこと聞かなかったでしょうね。大樽に梅干しを漬ける。洗い張りをする。布団の皮を洗う。大鍋で味噌汁をつくる。チマキを作る。メダカを煮る・・・。忙しいです。きついです。でもすべて女衆の誇りをもった仕事だったと思います。

自分も子供のころは薪でご飯を炊いたり、炬燵に炭を入れたり、薪を割ったり、水をくんで風呂をたてたり、手伝った記憶もあります。男の子であっても、子供が家事を分担するのは当たり前でしたね。冬は朝起きたら家の前の雪かきをする。そんな大雪の早朝でも、もう新聞配達が通ったスキーの跡が残っている。新聞配達はたいてい中学生くらいの少年たちのアルバイトでした。貴重な現金収入。



★★★ 早川書房
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再読です。地球や火星を舞台にした疑似トロイ戦争ですか。ま、ダン・シモンズですから馬鹿馬鹿しく風呂敷を拡げた設定で、大活劇です。

で、お決まり、シェイクスピア愛とかプルースト愛があって、代表作(かな)のハイペリオン・シリーズではキーツ愛でしたね。さらにフランク・ロイド・ライト(建築家)にも愛をそそいでいた。

余計なことですが、そのハイペリオン・シリーズでは、超光速旅行のアイディアは秀逸だった。船の乗客はものすごいGに耐えられず潰れて必ず死んでしまうんですが、その細胞片から目的地でまた再生される。超光速の旅=死の苦しみと再生。何回もやっていると、精神的におかしくなる。すごいこと思いついたもんです。

で、戻ると、なぜ「イリアム」を再読したか。実はオリュンポスの神々のサイズを確認したかった。ちょっと前に書きましたが、ホメーロスの描く神々はいろんなサイズに相を変えたらしい。大きくなったケースとしては傷ついた超巨大な軍神アレースがどてーーーーーんと倒れたり。しかし通常の場合は8フィート程度とダン・シモンズは描写していました。2メートル半か。ときどきは12フィート程度にもなる。

ちなみに(前にも書きましたが)土井晩翆訳のイーリアスでは「武のアレースの、頸打ち四肢を弛ましむ。七ペレトラの地をおほひ・・・」というような訳になっています。新しい呉茂一訳のイーリアスでは「三町」。一町は60間、だいたい110メートル程度でしょう。面積単位では3000坪だそうです。実際に300メートル超の神が倒れたら、そりゃみんな迷惑します。倒れかかってから横になるまでもスローモーションみたいで、けっこう時間がかかるんでしょうね。大地震。

厚さ4センチを読み終えて、かなりウンザリしてますが、年末年始、たぶん時間もあるので続編の「オリュンポス」(こっちは上下巻) にも手をだす予定です。

話は違いますが、昔、時々上映されていた古代もののイタリア映画に登場の神々はみんなチープでした。洞窟かなんかの中で彩色の霧がかかってそこから重々しく登場する。ただし俳優はみんな現代人なんで、どうみても好色アントーニオとか粋がりカルロにしか見えない。女神ならモニカとかソフィアとか。

たいていはストーリーも下手くそで、面白くない映画がほとんどでしたね。蛇の足。

ポーランドボールというマンガ、あるいはイラストのようなものがあります。PolandBallですかね。よく知りませんがなんか海外版の画像掲載サイトがあって、そこに何年か前から登場したんだそうです。

キャクターはすべてラフな手書きボールで、各国国旗をもじっている。で、それぞれドイツ君とかポーランド君とかが登場して、適当にステレオタイプの会話を交わすだけです。4コマ程度のこともあるし、もっとコマが多いこともある。中身は当然のことながら国際情勢とか歴史考察、文化の摩擦、おちょくり、悪口などなど。

これがけっこう面白いです。ボールには表情があり、短い会話を交わすだけですが、あまりギスギスしていません。ユーモアを忘れない。知的。けっこうきついことも言ってるようですが、どこかで必ず逃げ道を作っているので、笑える。いろんな国の連中が書き込んだり、読んだりしているようです。そうか、この国ってこう見られているのか、こう見ている連中が多いのかと知るだけでも楽しい。ある程度は各国の関係とか歴史も知っているとより楽しめます。

ちなみにニッポン君の話す英語は日本なまりです。「Christmas」ではなく「Kurisumasu」。「I will」ではなく「I wirru」。けっこう特徴をとらえています。描き手はしっかり見ている連中なんですね。

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で、こうしたサイトのコンテンツをしっかり日本語に訳している人もいる。マンガの英語がすべてわかるわけではないし、よく知らない概念もあるので非常に助かります。


こんな雰囲気の絵です→
今回は「関ヶ原の後、政宗は百万石をもらえませんでした」という内容でした。したたかなはずの政宗なのに、喰えない家康の「百万石のお墨付き」を何故か信用してしまった。いい話ってのは信じたくなるものです。要するに「若いのう」ということなんでしょうね。35歳だったかな。たしかに若い。

考えてみれば政宗、ドサクサまぎれに上杉と和睦したり、南部にちょっかいかけたり、なんやかんやと悪巧みをいっぱいしています。そうそう、史実かどうかは知りませんが、珍しく頭を下げてきた最上の伯父さんをおちょくったり。因果応報、身から出た錆。家康に文句いえる筋合いもないんですが、人間みんな身勝手なもんですから、都合の悪いことはは忘れている。

家康としては、政宗みたいに信用できない奴に奥州百万石も与えたら怖くてしかたない。最初から頭ペコペコの加賀とは話が違います。ま、紙切れ一枚、難癖つけて破棄するのが妥当です。南部侵攻の訴えが起きたのは渡りに船。

そうそう。関ヶ原で東軍勝利の大ニュースも、遠い奥州にはすぐには伝わりません。けっこうな時間差があるわけですね。このタイムラグの感覚がなんともいえないです。神の目で天空から眺めていれば、何をやっとるんじゃということですが、当人たちは欲かいて必死であがいている。去年の八重の桜なんかでもそんな感じがありました。京大阪で大事件が起きていても、その同じ日の会津は平和で笑ったり食事したりしている。なんていったっけ、こづゆを食べたり。

どうも最近の大河は距離も時間も一瞬でワープしてしまう脚本が多いですね。だから現実感が薄れる。実際にはどこへ行くにも何日も何週間もかかるし、伝わってくる情報も半月遅れだっり不正確だったり。そういうあやふやの中で主人公たちは必死で考えたり動いたりしている。ときどきは間違った判断をする。間違った行動もとる。家康への弁解のため、南部侵攻の責任者の首を差し出しますが、実はその犠牲の意味はほぼ皆無だった。でも自害を決めた武将はそれが役にたつと信じて死んだ。

無駄な・・とも思うし、そういう食い違いがドラマなんだよなとも感じます。


そうそう。ちょっと前に「香の前」という側室、家臣の茂庭綱元に払い下げてからも密かに通っていたのかと思いましたが、実際には何人かの子供を生ませてから丸投げにしたという説もある。丸投げされた綱元がどう思ったかは不明。でもこの前後、綱元出奔という事件もあったようなので、そのへんとも絡みがあったのかどうか。はっきりしないようです。

出奔、多いですね。そういう時代でもあったんでしょうが、仕えづらい主君だったのかもしれません。伊達成実が出奔した。茂庭綱元も消えた。一門のイッセー尾形の出奔なんてのも、実は政宗が追い出したんじゃないかと思います。なんせ仙台あたりの城主だったはずなので、邪魔になったとか。


それはともかく。関ヶ原が終わって、伏見にいた正室、側室たちはホッとしていました。百万石もらえるんですってね、とニコニコ話をしていたら、それがダメになったらしい。おまけに 庶出の長男には本家を出てもらって別家を与えるとかなんとか、伏見留守居役の寺田農が急に言いだす。側室ねこ御前が「話が違う」と怒り狂っています。なんで寺田・定綱はそんなことを言ったんでしょ。普通に考えれば主君の内意をうけて、打診絡みで話したと受け止めるのが自然ですが。

dokuganryu2014.jpgこの長男の宇和島伊達と仙台伊達、本藩支藩の関係なのか、独立しているのか、けっこうややこしいみたいです。金の貸し借りの問題であとあとトラブルになって仲が悪かったとWikiにありました。

★★★ 講談社
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著者の名前はなんとなく知っている程度。もちろん初めて読みました。日系アメリカ人なのかな。

うん、良著ですね。副題が「人類以前からフランス革命まで」。上巻は中国、インド、イスラムの3つの地域(プラス西欧少し)を概説して、国家と政治体制を論じています。堅い内容ですが、叙述は論理的なので、意外に読みやすい。

簡単に説明するのは難しいですが、「国家」「法の支配」「説明責任」という3要素が必要なんだそうです。この3つを兼ね備えていればその国家は健全に発展する。国民はまあまあ文句いわずに生きていける。

こういう場合、たいていの本はメソポタミアあたりから始まって、ギャシャ、ローマと論評していきます。定番ですね。でもそれって、西欧型の自由民主国家が最高モデルであると最初から規定していない? 要するに今の自分たちのスタイルを規範にして、その規範を世界中にあてはめてる

ということで、フランシス・フクヤマの場合はまず中国をながめます。まっとうな「国家」を作り上げたのは秦です。世界で初めて、しかも画期的に早い段階で国家ができあがった。インドもメソポタミアも、西欧も、国家らしい国家なんてずーっと存在していなかった。

ただし中国の場合、国家はあったけど「法の支配」には問題があった。また政府による「説明責任」もなかった。専制国家がすべてを支配し続けてきたわけです。もちろん法はあったけど、それは国家(皇帝)の恣意的なものでしかない。国家だけが存在していた。文句いうやつは刑に処す。

その系譜の上に現在の中国もある。中華人民共和国は非常に堅固な国家です。ただし法はあってないようなもので、党が法を決める。もちろんその度に民意をはかる必要なんてまったくない。この点で、危うい部分があるんじゃないだろうか。民意(民衆のコンセンサス)に逆らった政治を続けると、いつか反乱がおきる。事実、中国三千年は、そうした連続の歴史です。

ちなみに「国家」には官僚制が必須です。官僚というのは、家柄とか部族内の引きではなく、あくまで能力によって仕事をします。その官僚たちが「仲間意識」で結託しはじめると、官僚制国家は破綻します。いまの中国、このへんも危ういところがありますね。

あっ、ちょっと整理しておきます。
「国家」とは、たぶん政府の意思がすみずみまで通って実行できること。
「法」とは、たとえ皇帝や政府であっても、ルールを勝手に破ることはできない。
「説明責任」とは、政府が問答無用で住民を追い出しての大規模ダム造成はできない。


こんなことと,適当に理解しました。

で、次はインド。なぜインドはなかなか健全に発展しないのか。インドの場合は社会(民意。民衆の文化)がべらぼうに強いエリアらしいです。そして法ですが、バラモンを頂点とするカースト制度のような社会体制が、圧倒的に支配している。クシャトリアが一応は国家を経営しようとしますが、彼らも決してバラモンには逆らえない。つまり国家に権力が集中していない。ただしバラモンは国家を支配しようとはしません。

インドに専制国家らしい国家が成立したことはほとんどない模様です。実質はずーっと部族やカーストの連合体だった。だから国家が強権発動して何かおしすすめようとしても、スムーズに運ばない。差別構成を破壊しようとしても、猛烈な抵抗に会う。今後もなかなか難しい。

で、イスラム。イスラムで比較的成功したのはオスマン帝国だけだった。その前にはエジプトも一応は成功しました。オスマンはバルカン付近の白人奴隷イエニチェリ、エジプトはたぶん黒海のあたりからさらってきたマムルーク。この連中を使ってそれなりの軍や官僚制国家を建設した。なぜ奴隷を使ったのかというと、部族や家族のしがらみがないからです。イスラム圏ってのは、この「しがらみ」がべらぼうにに強い地域みたいですね。

勝手な想像ですが、アラビア半島あたりのひとつの部族(たぶんムハンマドの系譜)が政権をにぎると、当然のことながら仲間内で中枢を固めようとする。そのうち違う部族も勢力を伸ばしてくる。部族と部族の権力争い。自分たちの権益だけが大切なんで、天下国家なんて言ってる場合じゃないです。それを防ぐためには、皇帝や国王だけに忠誠を誓う「奴隷」が役に立つ。そういう意味でイスラムの奴隷登用制ってのは画期的に賢かった。

ただし、奴隷も時間がたつにつれて「仲間」を大切にしはじめます。中国の宦官と同じですね。子供に資産は残せないタテマエなのに、うまく法を潜り抜けて権益継承を画策する。こうして皇帝・国王の力が失われていく。国家の崩壊。

で、最後は西欧。代表は英国ですか。こっちは何故か父系の部族主義が早い時期に崩壊したらしい。フクヤマはその理由をカトリック教会においています。つまり布教にいそしんでいた坊主連中が交差イトコ婚を「いけませんぞ」と阻止した。父系の交差イトコ婚とは「母系の従兄弟とは結婚できるが、父系の従兄弟はダメ」というルールです。また「死んだ兄の嫁さんとの結婚」なかんも嫌った。

なぜカトリックの坊主が交差イトコ婚を嫌ったのか。教理が理由かと思われがちですが、おなじキリスト教でも東方教会ではそんなことなかった。経済的な理由じゃないかとフクヤマは推察しています。

で、結果的に部族内の結婚が減ります。こうしてゲルマン風の厳密な父系社会が弱体化すると、結果的に「個人」が伸張する。ま、「家族・部族」が頼りにならないなら「個人」になりますわな。女性の権利がけっこう強くなり、女性が財産権を持ったり、子供が女系のファミリーネームを名乗ったり。

結婚の機会のない独身女性は遺言で修道院に財産を寄付する。個人のものなんだから、寄付して悪いか! 資産が「部族・家族」から離れて、教会のものになったわけです。時がたつにつれて修道院の握る資産はべらぼうなものになった。

こうして西欧型の個人社会が誕生。たまたま権力を握った個人は「貴族」になったんだろうと思います。各地に貴族がいっぱい誕生して、豊かな貴族と貧乏な騎士は契約をむすび住民を支配して封建制。各地に乱立。だから国王が権力を集中させようとする試みは非常に困難をきわめた。

そうそう。こうした社会(特に英国)では個人間のイザコザを調整するためのコモンローが重要な意味を持ちます。社会的なコンセンサス。だからいきなり国王が偉そうに命令しても、それに逆らう動きがかならずある。そういう意味で西欧型国家の発展というのは、あくまで西欧型でしかない。


正直、言葉にまとめるのは大変です。あちこち大切なことをいっぱいこぼしてますが、だいたいこんなふうな筋道だったような気がします。ようやく上巻が終わったので、今度は下巻も借り出してきますか。正月使って、ゆっくり読むかな。


senshibankou.jpg★ 幻冬舎

内外の偉人や歴史上の人物評+絵。大昔の「新選組」なんかと同じ趣向ですね。

ただ「新選組」の熱気や斬新さとくらべると、はっきり言って駄作です。二番煎じの粗製本。

とりあげられた人物に関してのウンチクやエピソードも、ちょっと関心のある人にとっては常識の範囲でしかありません。ん? 最後のあたりで紹介の沢村栄治だけは知らないことが多かったか。不世出の大投手として伝説的な人ですね。子供の頃には少年雑誌なんかでよく紹介されていました。

したがって知ってるのは「天才投手」「足を高々とあげるフォーム」「大リーガーの打者を叩きのめした」「召集された」「手榴弾を遠投した」「戦死した」という程度。」

なるほど。事情に関しては諸説あるようですが、京都商業を中退してプロ入りした。そのため形の上では「中等学校中退」あつかいで、遠慮なく召集の対象となった。もし卒業していたら、あるいは大学に進学していたら召集はなかった可能性もある。

プロ入りは読売の正力が強引に口説いたんだそうです。一生キミの面倒はみるとか言ったけど、もちろん後になってからは知らん顔。二度にわたる従軍では手榴弾を投げすぎ、肩を壊してからは役立たずあつかい。結果的に見捨てられ、見殺しにされたような格好らしいです。で、戦後は沢村賞として讃えられる。なるほど。

ネットをうろうろしていたら、大河評らしき記事にぶちあたりました。どうも評論家のような人らしく「八重の桜」はひどかったと述べている。

ま、そういう意見もあるわなと読んでみると、「八重の桜」は前半がいけなかったそうです。史実にこだわりすぎて主人公の出番が少なかったから視聴率が落ちた。もし前半のままの雰囲気で後半もやったら悲惨なことになっただろう。幸い後半は出来がよかったんだから、思い切って前半部分をもっと短くしていたらよかったのに

感想なんですから、人それぞれ、いろんな感じ方はある。でもまっ先に思ったのは、この筆者は本当に大河を視聴し続けていたんだろうかということ。ほとんど見てないんじゃないかな。なぜ視聴率が低かったか書いてやろうと最初に考え、それから適当な理由をこじつけた。あちこちネットを探しまわって、それらしい理由づけをした。

あくまで自分の感想ですが、私は「八重の桜」の幕末会津編は素晴らしい出来だったと思っています。100点満点とまでは言えず、もちろん小さな瑕疵はあるものの、そうですね、歴代大河の中でも屈指。NHKが力を入れたなあと感じました。

ただ、惜しむらく初志貫徹できなかった。なんでNHKが視聴率をそんなに気にするのか不思議ですが、維新後の京都編になると一気にエネルギーがなくなった。方針が大きく変わったような印象。真偽は知りませんが、脚本家が交代させられたという話もありますね。私は京都編、途中まで我慢したものの、数話であきらめました。挫折。

なんだかんだ、文句たれながらも大河ドラマは(たいてい)見ていますが、あんまり不作だと途中で諦めます。諦めてしまった大河、多いなあ

yaenosakura.jpgそうそう。知りませんでしたがこの「八重の桜」は今年の国際エミー賞にノミネートされたんだそうですね。どれだけ権威ある賞なのか知りませんが、ま、日本の優れたドラマと認知されたということでしょう、きっと。一応は納得できます。
三谷幸喜の「清須会議」をフジTVが流していたのでパクッと録画。翌日、ゆっくり見ました。気になってはいたけど映画館まで足を運ぶのはなあ・・というものだったのでラッキー。

なるほど。楽しめる映画でした。けっこう長いしCMがやたら入っているので、録画しての鑑賞は正解だったようです。

清須会議ってのは、もちろん本能寺で死んだ織田信長の跡目をだれにするかという会議ですね。重臣たちが集まって決めた。その重臣メンバー、柴田、丹羽、羽柴の名前はすぐ出てきますが、他に誰がいたのかはかなり微妙でした。有名どころは滝川一益なんですが、運悪く関東にいたはずだし、はて。

なるほど、もう一人は池田恒興ですか。あんまり小説やドラマなんかには出てこない武将です。地味。

kiyosukaigi.jpgさて。

役所広司の柴田勝家。好演。この鬼柴田は豪勇でもありかつ可愛いキャラでした。ただし可愛いといってもなんかの大河みたいに刺繍はしない。その代わり懸命にサザエを焼いてました。

焼いたサザエをお市さまに食べさせたかったらしい。豪傑であるけど不器用で知恵のまわらない男という役柄。お市さまは海鮮ものは嫌いです。ついでに勝家の加齢臭も好かんらしい。

小日向文世の丹波長秀。これも秀逸。たしか織田の双璧といわれた武将だったと思います。いかにも理知的で、頭がまわる。世間がわかる。

権六勝家のほうが格上ですが、二人だけになると五郎左長秀のほうが圧倒的に兄貴分になる。でも苦渋の末、結果的には権六を見捨てる。秀吉についたおかげて、たしか息子の代では越前あたりの領主になってたはずです。関ヶ原では西軍についた。

佐藤浩市の池田恒興。え?佐藤浩市が・・と思ったんですが、これも好演。たいていのドラマでは正義感、熱血漢ばっかりやってる人ですが、さすが役者。こんなヌエみたいな喰えないキャラを演じてくれた。笑えました。

えーと、織田家の面々もみんなよかったです。織田信長は篠井英介。ちょっと弱々しいけど面高な顔の印象は似ています。長男信忠はほんの数秒、奥さんと別れを告げる場面だけでしたが、堂々たる武将でした。織田家DNAの鷲鼻メイクのため、なかなか中村勘九郎とはわからなかった。

次男の織田信雄は妻夫木聡。うつけの殿ですが本人は「父と同じで芝居だ」と主張。これはひたすら笑えます。 のび太のように軽い演技をすると妻夫木は冴えますね。数年前の「直江兼続」でひどい演技をさんざん見せられた悪印象が消えました。

織田信孝は坂東巳之助という人らしいです。これも優等生お坊っちゃま所作に品があり、なかなか良かった。信孝は実際にもけっして馬鹿ではなかったらしく、そのため後で秀吉に殺されたはずです。ちなみにアホののび太信雄はいろいろあったものの結果的に長生きしています。

一族の三十郎信包は伊勢谷友介。信長の弟かな。芸術肌のデカダン気味でちょっと世をすねている。たぶん先の読める人なんでしょう。カッコいいですが、けっして損得計算できない朴念仁ではない。

そうそう、甥ののび太信雄も趣味の世界に生きていて、せっせと団扇扇風器を自作したりしてました。織田家のDNAがそういう方面に出てしまった。

死んだ信忠の正室ということになっている剛力彩芽の松姫も意外や意外でよかった。眉墨にお歯黒も似合っていました。この人が三法師の生母というのが正しいかどうか疑問ですが、ま、そういう説もあるんでしょう、きっと。

他に主だったところでは浅野忠信の前田利家。キリッとした武将が似合います。でんでんの前田玄以。前田玄以なんてのの出番があると嬉しくなってしまいます。なんといいますか、事務方の親分みたいな人ですね。もちろん武将でもありますが、たぶん事務能力の優秀さで出世した人。このドラマでも会議場の設営とか書記役、議長役として活躍。

とういことでほとんどの配役に問題はないんですが、惜しむらくは鈴木京香のお市様が、うーん・・・・。これも眉墨にお歯黒。ひょっとしてドーランの代わりに白粉つかっていたんでしょうか、肌が荒れて見えて、かなりの大年増。妖艶とは言いにくい。権六と秀吉が夢中になるという設定がどうも無理な感じがする。実際のお市の方は、子供5人産んでたらしいけどまだ35歳程度で、かなり綺麗だったはずと思います。

そして大泉洋の羽柴秀吉。ギャーギャー騒ぎまわる芝居そのものはいいんですが、役所広司や小日向文世、佐藤浩市と並ぶと一人だけ妙に若僧なんです。顔がツルツルしている。もう少し顔にシワを刻むとか禿げ頭に染みをつくるとか、老けてもらえると安心して見られた。実際の秀吉はこの頃は何歳だったんだろうか。えーと45歳か46歳くらいか。40代中頃なら戦国の武将としては十分なベテランです。場合によっては孫もいる。

ちなみに客衆の前で猛烈エロ踊りをしていた中谷美紀の寧々さんは、この頃は35歳くらいです。はじけた35歳なら、あの程度のジュリアナダンスしても、ま、いいか。許す。

そうそう、突然の印象で出没する天海祐希の女忍者、韋駄天走りの滝川一益と絡めて出てくる西田敏行の落ち武者。これらは余計ですね。蛇足。三谷流のサービス精神がカラ回りした。この人、ときどきカラ回りする。(関係ないですが、某新聞に連載の三谷コラムは酷いです。ひたすら宣伝だけで、ニヤリともできない)

とかなんとか。多少の瑕疵はあるものの、いい映画だったと思います。見て、得をし。得したなあという嬉しい気分で、なんか書き残したくなって、書きました。

伏見は出産ラッシュ。次々にポコポコ産まれます。正室の嫡男誕生とか側室の懐妊はともかく、なんで秀吉払い下げの香の前の子供を認知しないのか、その理由はあいかわらず判然としません。というか、茂庭綱元に与えたはずなのに、政宗はまだ通い続けていたっていうことですね。綱元が釈然としないわけです。

そんなことはともかく、家康はついに上杉成敗に出陣します。で、まずは上杉対策として最上と伊達に帰国を命じる。愛娘を殺されてからの最上義光、なんか冴えがなくなって燻っています。可哀相に。

ということで政宗は上杉領に近い城に兵をすすめ、そこを本拠にして上杉侵攻。もちろん上杉は手ごわいです。たしか甘糟ナントカという武将が拠点の白石城を守っていたはず。しかし(単身突っ込む伊達成実の活躍もあって)白石城は落城、かな。

このへんは難しいところです。政宗としては、本気で上杉と戦う気はない。石田と徳川、どっちが勝つか未知数なわけで、微妙な情勢下では静観したい。で、さっさと上杉と暫定和睦。家康からしたら裏切り行為ですが、こっちにも弱みはあるので、とりあえずは不問。敵にまわらず上杉牽制の役目を果たしてくれるのならそれで上等ということでしょう。

たぶん三成の誤算は上杉が江戸に引き上げる家康を追撃しなかったことでしょうね。おまけに横から突進してくれるはずの佐竹もアヤフヤで、結局は動いてくれなかった。

三成は辛いです。このドラマでも当てにしていた淀の方が朱印状を拒否する。明白に三成加担という形にしたくない。どっちが勝っても自分たちに累はおよばないだろうという計算。

小早川秀秋が裏切るかもしれないという雰囲気は当初からあったようです。まったく信用されていなかった。したがって必ずしも小早川の裏切りが直接原因で西軍が負けたとはいえない。原因はもっと他にあったみたいです。

まず毛利も鍋島も、あまり積極的には戦いません。及び腰。なにより誤算は前哨戦で、天下の堅城(であるはずの)岐阜城の織田秀信(例の三法師です)が、なななんと、たった一日で落城してしまった。岳宏一郎の「群雲、関ヶ原へ」によると、殿様の秀信さんが籠城を嫌った。どうも祖父信長のDNA、美意識に反したらしい。無意味に派手に突出して、あっさり負けてしまった。

もうひとつあるか。本当は大垣城を本拠地にして戦う予定だったのに、家康の策略にまけて、自分から城を出てしまった。策略ってのは「大阪を直接攻めるぞ。途中で(三成居城の)佐和山も攻めるぞ」というものです。戦争下手の三成があわてて城から飛び出した。

そういうわけで、当初の意図とまったく違って、なぜか関ヶ原で対決することになってしまった。こんなつもりじゃなかったのに。やることなすこと、すべてがスムーズに運ばない。

ここでも総大将である毛利輝元が大坂城から出撃してくれれば様相はガラリと変わったんでしょうね。でもなぜか輝元は出てこない。城にいたっきりでなーんにもしなかった。たぶん何も考えていなかった

戦場の関ヶ原でも毛利支藩の吉川広家が南宮山の中腹に居すわり、毛利軍本体を下山させない。下山を急かされると「食事時間なんで」と何時間もかけて弁当を食べ続けたそうで「宰相殿の空弁当」とか揶揄されてます。宰相というのは南宮山毛利軍の若き総大将だった毛利秀元のことです。若い秀元はベテラン広家の言うことを聞くしかなかった。

詳細は覚えていませんが、結局西軍で真面目に戦ったのは石田隊と宇喜多隊と大谷隊くらいような印象です。数は多かったけど、真剣に戦ったのはほんの少数。こうして、西軍は敗北。

要するに三成という人、指導者として人望がなかったんでしょうね。これだけの大軍を集めて戦わせる外交政治能力は凄かったけど、イマイチ信用されていない。西軍で日和見きめこんだ連中も、だからといって家康に許してもらえた訳ではないし、ほんとうは積極的に三成の味方をして勝ったほうが良かったんでしょうが、渦中にあるとそうした判断は難しいです。

dokuganryu2014.jpg東北でずる賢く立ち回ったはずの伊達政宗も、もっと素直に家康に協力したほうが得だったかもしれない。でも、そうやって仮に百万石も貰ったとすると所領が多すぎて、かえって家光の頃に取りつぶしになったかもしれない。「かもしれない」の連続が歴史です。

※「毛利は残った」という近衛龍春の本がありました。なかなか楽しい本です

ときたまCrystalDiskInfoを使ってSDDやHDDの状況をチェックしています。うん、SDD使用時間は4000時間強で書き込み量は3600GB程度。この調子ではテラのレベルに届くのはまだまだ先のようです。安心して、ブラウザのキャッシュ保存場所をHDDからSDDに移しました。少しでも速いほうが快適です。

で、2つあるHDD、それぞれ7500時間と12000時間程度の稼働になっている。どちらも無事に動いてくれています。頑張れよ。

で、S.M.A.R.T.数値はほぼ問題ないのですが、ひとつだけ「エアフロー温度」だけが気にかかっていました。HDD温度は40度にも達していないのに、なぜエアフロー温度だけは60度を越えているんだろう。

ずーっと放置していましたが、先日ふと検索してみたら、あらららら。そうだったのか。たしか価格コムの口コミ欄だったと思いますが「Seagateのエアフロー温度は100℃を基準としてHDD温度との温度差を示します」との説明。なるほど。計算してみると確かにそうだ。てっきりHDD付近の空気の温度かと思っていた。するとこの数字は大きいほうがいいわけですね。だからシキイ値のほうが「45」なんて低い値になっていたんだ。納得。

ただし「HDD温度」という項目が他に存在するのに、100からHDD温度を引いた数値をわざわざ書き出す意味があるんでしょうかね。同じことじゃないだろうか。この点は不思議です。

念のためと思ってあちこち調べてみました。よくあることですがこういう核心部分って、まず見つからないです。それらしい質問はたくさんなされていますが、回答者が理解しないままに適当な返事をしているケースが非常に多い。PC関係に限りませんが、ネットにあふれてる偉そうな解説って、ま、その程度のレベルが大多数なんでしょうね、きっと。

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★★★ 新潮文庫
shiba-jouisai.jpg
ずいぶんカバーが汚くなってる。えーと、もちろん再読ということはなくて、3回目くらいでしょうか。4回までは読んでいない気がする。

あらためて通読。意外に細部を忘れていました。なんとなく記憶に残っていたのは(一応)主人公の小幡勘兵衛とか大阪城の女房衆である夏とかのお話。ま、どうでもいい部分です。肝心のメインストーリー詳細はほとんど記憶なし


この本では家康がずいぶん腹黒親爺として描写されています。ま、それに近かったことは事実でしょうけど。で、淀の方が完全にアホ扱い。これもほぼ正鵠を射ているんでしょう。他の人たち、たとえば大阪方の実質的責任者だった片桐且元なんかは可哀相な人です。一応は賤ヶ岳七本槍の武将なのに、似合わない時代に似合わないことをやらされて、両方からいじめられる。酷い目にあった。

大野修理という人もそうですね。なりゆき情勢から、まったく資質にあわない仕事をやる羽目になった。平和な時代に官僚やってれば、それなりに有能な人だったんでしょうけど。

真田信繁(幸村)という人、城に入った時点でどれだけ影響力というか勢力があったのか不思議です。父の昌幸は表裏比興の者として天下に名を轟かせたわけですが、次男の信繁ははてどれだけの名望があったのやら。たぶんゼロに近いでしょうね。いっしょに城に入った将兵の数もたいしたことはなかっただろうし。

それとも昌幸配下の兵はほとんどが浪人していて、それが次々と集まってきたんでしょうか。関ケ原終了の時点で長男の信幸は可能なら父の部下を全員召し抱えたかったでしょうが、やはり徳川家に対しての遠慮があって控えたのかもしれません。

真田信繁にしろ後藤又兵衛にしろ、大坂城首脳部からすればまったく信用できない連中でしょう。みんな食い詰めの浪人連中。ただそうした食い詰め浪人に頼るしかなかったのが大阪方の実情です。頼るしかないなら腹をくくって完全に任せればいいんですが、その度胸もない。常に中途半端に任せた。

冬の陣、夏の陣、真田や後藤、毛利勝永などが意外に善戦して、家康本陣にも迫ったというのは不思議な現象です。徳川方があまりに大軍すぎて、戦う意欲もあまりなかったと考えるのが正しいのかな。

とくに外様大名はあまり働きすぎても政治的によくない。だから形だけ陣を敷いて、形だけ戦っていた。そんなふうに自分たちはたいして本気ではないのに、空気の読めない真田とか後藤の死兵が目の色変えて突進してくるんで閉口した。そんなところでしょうか。徳川譜代の連中もみんな代替わりして、そろそろ軟弱平和ボケしかかっていたのかもしれない。

秀頼、最大の機会だった関ケ原では城からまったく出ることなく、結果的に三成を見殺しにした。冬の陣でもなにもせず。完全敗北しかなくなった夏の陣でようやく出陣しそうになったけど、ここでも母親に止められて結果的に無為。何もしないまま煙硝蔵の中で自害。不完全燃焼の人生です。ただ育ちが育ちなんで、それを悔しいと思ったかどうかは不明。

冬の陣のあとの信繁が、兄の部下を訪ねていろいろ父親の昔語りをしたとか、最後の突撃の前には娘を敵将(片倉小十郎)にゆだねて逃がしたとか、初めて読んだような気がします。そういう人だったんだ。


★★★ 筑摩選書
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(1)が文明の誕生、(2)が帝国の興亡。(3)もあるようですが、まだ借りていません。

要するに大英博物館の所蔵品からぜんぶで100点を選んで、それぞれについてウンチクというか歴史物語をする。そういう趣向です。あんまり有名なものは登場しませんが、写真は綺麗です。

うーん、何を書いたらいいのやら。それぞれ写真についてのお話はけっこう面白いんですが、一言で説明するのは難しい。そうそう。西欧中心の選出ではなく、アジアとか新大陸とか、けっこう地域をバラケさせています。日本も2回ほど登場します。縄文土器(世界初ともいう)についてと、あとは鏡だったかな。

ずーっと読んでいくと、必ずしも(学術的には)厳密な解説でもないような印象があります。けっこう著者の勘違いもあるようです。その代わり、非常に読みやすい。とっつきやすい。ま、綺麗な写真をながめて、なるほど・・・と納得する。それでいいんでしょうね、きっと。


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