妹背山婦女庭訓

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子供に誘われて12月歌舞伎へ。歌舞伎座は初めてです。演目は妹背山婦女庭訓。蘇我入鹿が帝位を狙うとか、そういうストーリーなんですね。忠臣・中臣鎌足の息子が身をやつして酒屋の隣に侘住まい。そこへ謎の美女が訪れて・・・ようするに三輪山伝説ですか。ただし訪れるのは魔性の男じゃなくて女。実は蘇我入鹿の妹であった。

kabuki2015.jpg鎌足の息子ってのは、例のパターンで若衆ふうのなよなよ美男子ですが、謎の美女だけでなく酒屋の娘とも仲良くなっている。あっちもいいけどこっちも好き。困ったもんじゃ。

で、美女の素性を知りたくて、夜明けに立ち去る女の裾に糸を結びつけて後を追う。ところが男だけでなく、酒屋の娘もまた、恋しい男の裾に糸を結んでいた。赤糸、白糸、二重の追跡です。

この色男は松也。上手なのか下手なのは知りませんが、綺麗な役者ですね。酒屋の娘は七之助。美女はえーと児太郎という人。よく知りませんが若いのかな。で、今回は最後の「三笠山御殿」という段で役が入れ代わり、酒屋の娘は玉三郎が演じる。

玉三郎、いくつになるんだろう。もう60台中頃ですよね。花道から登場したときはちょっと太めで大きくみえましたが、芸でしょうか、すぐ見慣れる。ごつい官女たちのコミカルないたぶりに耐えている姿が可愛らしく見えてくる。よかったです。

そうそう。途中から出てくる漁師の鱶七という役。荒事ふうの芝居をするんですが、セリフが聞き取れなくて往生した。たぶん難波漁師なまりで大声出してるんでしょうが、うーん、わからない。

最後は嫉妬に狂う女の生き血がほしいとか訳のわからない理由で玉三郎が刺される。このシーンでは鱶七と官女ふうの男が立ち回りをして、これも設定がわからない。味方なのか敵なのかも判然とせず。ま、派手な後トンボを切るだけの役目なのかもしれません。

訳のわからないことが多かったですが、ま、それなりに面白う御座いました。東銀座の改札出たところで買った1000円の幕の内も美味しかったです。鮭の切り身が妙に綺麗だった。