2017年9月アーカイブ

★★ 角川書店
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著者は米文学者。翻訳家。食べ物をキーワードにして、古今の文学を遍歴紹介したものです。たとえば白鯨では鯨蝋をつかった揚げパンとか(中身は乾パンなんですけ)。あるいは航海士のスタッブが夜食に特別注文する尻尾のステーキとか。

それで思い出した。クジラの尻尾の部分はかなり美味いらしい。少年時代に読んだ冒険小説だっか、鯨をとったら尻尾の上質な赤身を切り取って食べる。「だからイノシシなんか、わざわざ「山クジラ」と言って珍重してるんだぞ」と年上が新入りに教える。

細かいストーリーは忘れたけど、この部分だけは記憶してます。うん、クジラの尾肉を醤油でこんがり焼いたステーキ、いかにも美味そうです。

それはともかく。いろいろ食べ物と何十の小説を紹介していたはずですが、なぜか記憶に残りません。なんか不味そうなのがいっぱいあったなあ・・という印象。

そににしても「鯨蝋」って何だろう。マッコウクジラの頭部にある脳油だってんだけど、はて。イメージが沸かないです。


★★★ 筑摩書房
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本棚に積んであるのを発見。最初は種村季弘かと思った。よくよく見ると「種」ではなく「穂」ですね。

えーと、よく知らない人なのですが、たぶん歌人でしょうか。エッセーなんかも書いていそう。ただし「総務部の社員だったころ・・」と何箇所かで書いているので、そういう世俗的な部分を気にしない、あるいはウリにしているのかな。

電車の中なんかでふと耳にするような言葉の切れ端を採集し、それを鋭い感覚で料理する。気の利いた雑文というか、コラムのような一冊です。非常にセンスがいい。若い。

たしかに日常的な会話とかコトバって、ヘンテコリンなものが多いですね。ウニが宇宙人だったら怖いとか(うん、怖い)、ウガンダが死んだとか。こういうふうに書いても無意味ですが、読んでいるとかなり笑えます。


若いころは割合マメで、よく包丁を研ぎました。子供用の椅子や机もつくったし、釣り棚も作った。まな板に鉋もかけたし、なんやかんや。ただし包丁研ぎは自分でも巧い気がしない。試行錯誤で、ま、なんとか刃がついかたな・・という程度で終わる。

toishi1000.jpg要するに正しい研ぎ方を会得していないわけです。

いつの頃からかそうしたことを手抜きするようになって、ずーっと放置していたのですが、いざまた研いでみようと思っても、肝心の砥石が使えない。真ん中が凹んでいる。下手な研ぎ方をしていた証拠ですね。コンクリートかなんかの上でゴシゴシやれば平らになるんでしょうが、集団住宅に暮らしていると、それができない。不便なもんです。

というわけで、ずーっと気にかかっていましたが、ついに決心して砥石を買いました。もちろんアマゾン。シャプトン刃の黒幕オレンジという不思議なネーミングで、番手は1000。ちょっと荒砥のほうに寄った中砥でしょうか。もちろん合成砥で3000円弱。セラミックなのかな。ネットの評判では、簡単に刃が付くらしい。

さっそく研いでみました。うーん、なかなか刃がつかない。あてがう角度が浅すぎるのかもしれません。しばらくゴシゴシやって、飽きてきて中断。左手の中指の腹を擦ったようで、血がにじんでいる。結果としてはあまり成功ではないけど、それでもやらないよりはマシ程度。数日たってケガが治ったらまた再トライしてみますか。

ずーっと昔から欲しいなあと憧れつつ叶っていないのが、ナナオのモニターロジクールのマウスです。ナナオはともかくマウスなんて、そう高価でもないのに。

なんか掛け違いが多かった。買おうと思って大型ショップへ行っても、なぜかバッファローとかエレコムしか置いていない。なんかの拍子で発見しても、5000円以上もする価格で、うーん、手がでない。買おう!という気分と、価格の折り合いがなんかスレ違っていた。

で、3年ほど使っている大型マウス(サンワのMA-118HBK)が具合悪くなり、側面が禿げてきた。ツルツル親指がすべって、非常に扱いにくいわけです。なんせ1354円だったし、仕方ない、買い換えるか。

logicool2017.jpgということで、ついにロジクールにしました。有線であること。なるべく大型であること。ボタン数が少ないこと。安すぎず、高すぎないこと。へんな条件ですね。M500tというモデルの有線レーザーマウスになりました。Amazonで3426円。3年保証。

もちろん接続すればすぐ使えます。うん、クリック感はかなり軽いです。好み。ポインターの速度をすこ遅くして、やや鈍にしたぐらいが使いやすいです。

今年の夏休みのテーマは秘境・ローカルになったらしく、まず上越線・六日町へ。知らんかったんですが、十日町は上越線ではなくて飯山線(ほくほく線も)だし、なんとなく知っていた豪雪の津南もやはり飯山線。なかなか大変です。

で、初日は新幹線の湯沢で降りて、そのまま六日町直行じゃ時間が余るため、塩沢で途中下車。何といってないんですが、ま、鈴木牧之記念館ですかね。古い街道がきれいに整備されて、両サイドに立派な雁木が通っている。牧之通り。正しい方向の町おこしだと思います。

鈴木牧之というのは例の「北越雪譜」の著者です。たしか塩沢縮の仲買が家業だったと記憶しているのですが、何回も何回も江戸へ出ては山東京山、京伝兄弟など当時の文化人連中と交際している。

北越雪譜の刊行では京山がいろいろ世話やいてるようだし、ずいぶん金を使ったんだろうなあ。ほとんど身上潰したか・・・と思い込んでましたが、記念館のスタッフの話では鈴木牧之、かなりのやり手だったらしい。仲買だけでなく商売も盛んだったしなにより質屋が大きかった。夜も寝ないでしっかり遊びしっかり稼いで、継いだときより身上を大きくしたそうです。たんなる文化人の坊ちゃんではなく、すごい人だった。

夕方は六日町の「龍言」へ。将棋のタイトル戦なんかがよく開催される定番旅館です。近隣の豪商・豪農の古屋を移築してとかで、重厚な建築。派手さのない平屋で、廊下は延々と長いです。いい旅館でした。食べ物も地のものが中心で、炉端の遠火で焼いた魚がとくに美味しい。こういう焼き魚、やはり焼きたて熱々でないといけませんね。

夕食とっていたら何故か女将らしき人(だれが見ても女将)が闖入してきて、いろいろ面白い話を披露したあげく濁り酒の銚子を置いていきました。八海山のナントカカントカ。これは美味しかった。あまり飲まない家人もすっかり気に入ったらしく、帰りの売店で探していたようです。

翌日は小出まで出て只見線。ひたすら山の中ですね。途中の線路途絶部分でバス中継があり、その後は延々と只見川に沿って電車が走る。水量の多い立派な川です。ちなみに只見川は阿賀川(阿賀野川の会津部分)にそそぎます。そうそう。今回は行きませんが、新潟県に入ったあたりからの阿賀野川は堂々たる流れで、平行して走る磐越西線からの長めはすばらしいです。余計なことながらお勧め。

urabandaikogen.jpgで、東山温泉に泊まり、ま、これはさして感動もなし。翌日は猪苗代まで出て、ホテルの送迎で裏磐梯へ。チェックインには早いので、ホテルからバスでちょっと下ってから五色沼のハイキング。3キロくらいとのことでしたが、1時間半くらいはかかりました。泊まった裏磐梯高原ホテル、プライベート湖もあり、きれいなホテルでした。軽井沢みたいな雰囲気。宿泊客は常連ふうの老夫婦が目立ちます。
(写真の奥正面は磐梯山。湖は弥六沼)

★★ 河出書房新社
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図書館が何やら工事に入るらしく、しばらく休館。借りていた本はまだ完読していなかったけど、仕方ない、途中で返却しました。

「ドローンランド」はタイトル通り、いたるところに大小のドローンが飛んでいる未来社会です。こういう設定の常識ですが、小さいドローンはハチドリどころか微小ダニの大きさで、リビングだろうが寝室だろうがひそかに忍びこんでいる。要するに個人がプライバシーとか秘密とかをまったく持てない社会。

で、ドローンと超コンピュータが仕切っている世界で、ちょっと古くさいタイプの刑事(ハードボイルドふう) が捜査にあたる。どういうわけか舞台はベルギーで、EUから英国が離脱するかどうかが問題になっている。この点では、小説のほうが時代に遅れてしまった。

ついでですが、どうもアメリカは衰退しているらしい。おそらくブラジルが隆盛。石油資源が枯渇したのかな。オランダは水没しているし、出回っている安物のほとんどは北朝鮮製で、韓国も力をもっている様子。日本はなぜかアムール川のあたりで紛争をおこして領土拡張しているようです。そういう印象の国家なんでしょうね。


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