2018年10月アーカイブ

筑摩書房★★★
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神保町のすずらん通と思うんだけど、なんとかというカレーの店がありましたね。黒潮とか南海とか、そんなふうな印象の名前。タールのように真っ黒なカレーで、カツなんか乗せるのが定番。やたら混んでいて、入り口から中を覗くとすぐ奥のオバはんに見つけられて、高圧的に相席を指示される。そのテーブルがまた狭い。今もあるか調べてみたけど、発見できませんでした。

ま、どうでもいい思い出です。私、神保町で古本を売ったことはありません。大学が地方だったんで、だいたい4割から5割が古本の買い取り相場と思いこんでいた。ところが東京はえらく安いんですね。それで懲りて、以後古本を持ちこんだことは皆無。たまに買うだけです。大通(靖国通かな?)をずーっと冷やかして歩いて、すずらん通りに回って、最後は三省堂というルート。

で、この本は神保町という古本街のなりたちです。幕末から今日まで。鹿島さん、実によく調べた。知らなかったけど、共立女子大にずーっといたらしいですね。それでいつも神保町を歩いていた。

いろいろ面白いことを知りました。明治初期の学制改革(というか場当たり)にふりまわされて、英語派、独語派、仏語派の戦いがあったこと。あっ、もちろんもっと前には洋学派と漢学派、国語派の対立です。正則と変則。そうした混乱の中で、東大、明治、日大、法政などなどの初期学校が誕生した。(訳のわからん話ですが、たとえば仏語学校はみんな理系ということになり、それが理科大学につながったとか。ん、違ったかな。とにかく大混乱です)

そもそもを言うなら、お役所の役人たちがアルバイトで教えていた都合で、地理的に近い神田のあたりに学校がたくさんでき、学校がたくさんできたので本屋街もできた。漱石もこのへんをウロウロしていたし、時代が下れば魯迅や周恩来も勉強したり酒を飲んだりしていた。

面白い本でしたが、ずっしり中身がつまっているので返却期限までに読みきれず。途中で返してしまいました。


wiz2018bayjin.jpg飽きると古い古いWiz8を立ち上げて、少しずつやっています。で、例の難所の海の道。計3カ所のポイントでゲットするのは剣を1本、楯を2つでいいかな・・と思っていたら、あららら、宝箱から両方でました

Bayjinの小屋です。こんなことがあるんですね。

すごい。お大尽です。
集英社★★★
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この作家は初めて。新聞に連載をしていることは知っていますが、だいたい連載の新聞小説ってのは読んだことがない。毎日少しずつ・・というのが性分にあわないです。

で、将軍で最悪といったら、ま、数人しか候補にあがりません。義満とか義政とかもそうなんでしょうけど、ちょっと認知度がない。やはりふつうは徳川でしょう。犬公方か、でなかったらオットセイ公方。場合によっては家定も入るか。それくらい。


なるほど、なかなか達者な人です。通説をうまくひっくり返している。下馬将軍といわれるほど権勢を振るった酒井忠清をちょっと下げて、そのかわり次の堀田正俊を持ち上げる。ついでに母の桂昌院(お玉の方)を憎めない陽性の女性に設定し、正室の鷹司信子は好奇心あふれる賢い女性。

そして、みんながいちばん興味のある柳沢吉保は、ま、ごく普通の気の利く能吏でした。とくに悪賢くもなく、とくに善良というわけでもなし。ごく善意で発した犬猫保護策が誤解されて騒動になる。心得違いの逆上大名に切腹させたら、なぜか大騒ぎの討ち入り事件になる。なんかうまくいかない。

実際、飢饉やら噴火、地震、大火などなど、次から次へと災難があった。みーんな将軍の責任と言われれば、ま、仕方ないですね。平成の御世だって天皇は引退するし、上に立つ総理に徳がないんで次から次へと台風やら地震やら天変地異。後の世に「悪政もりかけ時代」なんて言われるかもしれません。

そうそう。この小説は中山義秀文学賞をもらったそうです。前にNHKの(ときどき作る)良質ドラマ「眩~北斎の娘~」も、この人のが原作らしいですね。あのドラマは宮﨑あおい、長塚京三、松田龍平、みーんな最高で素晴らしかった。


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