2019年12月アーカイブ

検索をかけてみたら、今年は★★★★が4冊。多いのか少ないのかは不明ですが、とにかく読んだ本の絶対量が減ってますね。えーと、たったの30冊か。元気なころは100冊近くを読了していたのに。

ま、ともかく。


「あの頃 - 単行本未収録エッセイ集」武田百合子

anokoro.jpg著者は武田泰淳の奥さんです。というより「富士日記」の作家ですね。あれは素晴らしい。

で、武田百合子の書いたものは発見すれば借り出していたつもりでしたが、もちろんこぼれがある。単行本に収録されずに終わったものも多い。で、百合子さんは「死後に出したりするな」といっていたらしいけど、なーに、娘の武田花さんが集めて一冊にした。

疑問に思っていた武田泰淳の病気のあたりもわかったし、神保町でアルバイトやってた頃のエピソードもいろいろ楽しい。花さんによると「とにかく派手な女」だったそうです。やっぱり。



「日本人のための第一次世界大戦史」板谷敏彦

dsiichujitaisenshi.jpg第一次世界大戦って、どうもわかりません。日本からは遠い戦いだったし、そもそも時代が古い。そうした「第一次世界大戦」「欧州大戦」を広い視野から解説。読みやすいし、面白い本でした。

とくに大戦の本質を「トルコ帝国のアジア側を西欧列強が再分割しようとしたもの」という解説は素晴らしかった。なんで「アジア側」なのかというと、欧州側はもう分割しつくしてしまったからなんですね。

A国とB国がケンカしてB国が負けると「バルカンのあのへんを差し出すから許して」という話し合いになる。そもそもB国のものじゃないんですけど。トルコの欧州側は、そうした列強のせめぎあいの「景品」だった。「分銅」という表現もありました。

なるほど。こうして欧州側の分割が終わったので、次はアジア側。通称「中東問題」です。こっちの場合は、もう余裕がないので列強がナマで衝突するかたちになった。それが「欧州大戦」。なるほど。


「切腹考」伊藤比呂美

seppukukou.jpgこの人のものを読むのは初めて。ま、詩人ということは知っていましたが。文章というか、言葉に力がありますね。

えーと、書かれているのは一応「切腹」についてですが、むしろ鴎外への愛が書かれているというほうが近いかな。ほんと、好きみたいです。

したがってエリスについての考察もあるし、鴎外の文体についても研究しているし。そうそう、文体。これは漢詩のリズムなんだそうです。五言絶句なんかの押韻。だから語尾も「・・だ」「・・だ」「・・だ」と続いたのに、急に「・・である」に変わる。変わる必然性は皆無なのに、変わる。韻です。たぶん鴎外は無意識に韻を踏んでいる。

阿部一族についての考察も面白かったです。「阿部茶事」という原典があったんですね。初めて知りました。 ( ちなみに、滅亡した阿部家の隣家、又七郎が「元亀天正の頃は茶の子茶の子・・」とせせら笑う)


「戦争まで」加藤陽子

sensomade.jpg加藤陽子はいいですね。素晴らしい。平易で、論理的で、公平で新しい視点。この本は夏休みに一般から受講生をつのって、加藤陽子が講義した。受講生の中心は高校生かな。少ないけど中学生もいるし高校教師もいる。

しかも単なる講義ではないです。聴講生には資料を読み込むことも要求。ま、高校生といっても大部分は有名私立。よほど強い関心がなければ無理な聴講です。    

内容の中心は、リットン調査団、日独伊三国同盟、日米交渉。なんとなくの「定説」とはかなり実相が違います。なるほど、こうやって戦争への道をたどった。軍人だけが悪だったわけでもない。政治家、官僚、マスコミ、国民。みーんな「これしかない」とそれなりにたぶん信じて、破滅への道をひた走った。


その他 ★★★の本

「人間晩年図巻 1990-94年」関川夏央


思いの外、よかったです。山田風太郎の臨終図鑑を継いで、しかしこの時代、臨終の詳細を描くことは不可能。それで「臨終」ではなく「晩年」になった。とりあげる範囲が広がっています。

「黒い豚の毛、白い豚の毛: 自選短篇集」閻連科

短編集です。閻連科(えんれんか)は、ノーベル賞の莫言の従兄弟みたいな雰囲気の作家ですね。同じように田舎育ち、学歴がなく、食うために軍に入り、貧しい農民の生活を描いた。ただし莫言の能天気さではなく、惨めさとか繊細さとか。後味がよくて、記憶に残る書き手です。

「FEAR 恐怖の男」ボブ・ウッドワード

まっとうなトランプ本です。きちんとしていて、読みやすい。内容はもちろん、いかにトランプがアホで始末に困る男か、につきます。ウッドワードって、ニクソン本を書いた有名記者かな。

たとえば大統領執務室。朝、デスクの上に「米韓自由貿易協定を破棄」なんて命令書が、サイン待ちで置いてある。こんなのにサインされたら米韓関係は破滅です。側近は書類をそーっと持ちだしてしまう。

通常なら大問題なのですが、トランプは気がつかない。完全に忘れる。で、数カ月たつとふと思い出して、書類を用意しろ!とまたわめく。また誰かがその危険書類を捨てる。

そんなのが側近の仕事。笑ってしまいますが、真実でしょうね。

「家康、江戸を建てる」門井慶喜

江戸に開府した家康が利根川を曲げて、銚子のあたりに持っていかせた。これは知っていましたが、思うだに大仕事です。

もちろん家康が自分でやるわけはない。開府の頃は本多正信あたりが働いていた気がするんですが、はて、具体的には誰に命じてやらせたのか。こうした疑問に答えてくれる本屋大賞ふうの気楽本が本書ですね。実際には伊奈一族という官僚の系譜が、こうした難事業を実現した。

神田上水や慶長小判の話もあり、これも面白かったです。特に高低差の少ない地形で、どうやって水を流すか。工夫がいろいろあったんですね。


恒例。今年の十大出来事ですか。なんか忙しくて、大晦日になってのふり返りです。


oshimazakura.jpgのサムネール画像たいしたことではないです。毎年、小金井公園に出向いて花見をしているんですが、そのたびに「大島桜」はどこだ?と探している。公園のどこかに大島桜なる巨木があって、それがなかなか銘木で、え? 大島桜を見てないの? と近所の人に言われるらしい。

ご存じの方はご存じでしょうが、小金井公園ってのはかなり広いです。全体をくまなく見てまわるなんて、考えただけでウンザリする。たしか東の方向にあるらしいというので、探索トライしてみては毎年諦めている。

で、ついに辿りつきました。思ったより北に位置していた。ほとんど公園のハズレですね。周囲はちょっとした広場になっていて、でかいのがドボッとそびえている。

昔は自由に枝の下にもぐれたようですが、今では根っこの痛みを警戒してか、周囲に垣がめぐらされています。ま、見ることができてよかったです。



houki2019.jpgベランダ用のホウキを買いました。これがニュースなのか?と言われそうですが、はい、当方としてはわりあい大きな出来事です。

買うにあたっては、いろいろ調べました。箒(ホウキ)にも種類がある。座敷箒。竹箒。ベランダ箒。玄関箒。用途によって適した材質も違うし硬さも違う。で、今回買ったのは500円程度のベランダ箒で、もちろん中国製。

材料は黒シダだったかな。てきとうな節のある竹にビニールをかぶせて圧着させた柄で、かえって面白いです。柄と頭の接合部分は大きなホッチキスでとめてある。

これで多少はベランダ掃除がしやすくなったんですが、それでも汚れは残る。次はケルヒャーかなんかを考えるか。



ゴールデンウィークにあきる野市へ。黒茶屋というところで食事。眼下に秋川をのぞみ、250年の庄屋屋敷を利用したとかの割烹で、なかなか風情があります。炭火を使った料理がメイン。なかなか良かったです。山菜のたぐいがおいしい。

kurochaya.jpg

夏が暑かった。熱帯夜もピークに達すると、枕にのせた首筋に汗がにじんで、濡れます。

で、ふと思い立ったわけです。うん、髪をを短くするか。高校生の頃からずーっと、なんとなく少し長めの髪形で、サパッと短くしたことがない。切ってみるか。トシで頭頂部がだんだん薄くなり、床屋のオヤジが気をきかせてテッペンだけ長く残すようになった。実はこれがあんまり好かん。薄いなら薄いで、いさぎよくしないと。

ということで切ってもらい。それでもまだ長い気がして秋にもう一段短くした。かなりスッキリしました。頭を洗ったあとでも、ほとんどドライヤーが必要がないくらい。便利ですね。



win10desktop.jpgずーっとWindows7で頑張ってきたんですが、さすがにサポート打ち切りとなっては万事休す。遅まきながら、Windows10にバージョンアップしました。

最初は買うつもりでした。ダウンロード版がいいか、DSP版(廉価パーツと抱き合わせセット価格)がいいか、HomeかProかなど迷っていましたが、そのうちどこかのサイトで「合法的に無償バージョンアップが可能」と知った。驚きましたね。

ずいぶん前に、MSが半ば強制的にWindows10へのバージョンアップをさせる・・・というんで、えらく悪評を買いました。いやだ、オレはWindows7がいいんだと抵抗しても、いつのまにかバージョンアップ・スケジュールに巻き込まれる。MSとしては「無料で、いいことしてあげるんだから文句いうな」ということでしょう。ただそのやり方があまりに強引すぎた。

で、その無料乗り換え期間が過ぎて、このサービスは終了したはずだったんですが、実は終了していなかった。つまり「無料でバージョンアップ可能」というスタイルそのものは残ってた。ただ「MSが手取り足取り乗り換えさせてあげる」という強引サービスは終了したんだよ。あとは(やりたければ)勝手にやってね。ということ。

ということでMSのサイトからインストールツール(MediaCreationTool)を手に入れ、Windows10ダウンロード。これをUSBメモリに格納して、そこから上書きインストールする。すんなりいきました。

これが8月ごろ。以後、Windows10を騙し騙し使っていますが、確かにそこそこ軽いし、思ったより悪くはないOSです。ただし、Windows10にして良かった・・と思ったことはまったくなし。細かい部分の使い勝手がイマイチで、しょっちゅうイライラしています。



hashidate2019.jpg城崎から天橋立、京都、長浜という家族旅行。天橋立なんて、ちょっと俗っぽすぎるかという印象ですが、あんがい良かったです。

恥ずかしながら今回の旅行で、初めて「長浜」とか「彦根」の正確な位置を理解しました。なんとなく彦根はもっと琵琶湖の南、長浜はもっと北かと思い込んでいた。要するに京都・大津からすぐ名古屋のほうへ行くルートはないんですね。琵琶湖の南端からすぐ東に進んだら山に入り込む。いったん米原あたりまで琵琶湖東岸を上がらないと、抜け道がない。だから三成の佐和山なんてのが、要害の地だった。少し北なら長浜もそう。北を見張るような位置です。重要な場所だったんでしょう。

そうそう。丹後という地域も初めて空気にふれました。大江山がここにあったと知ったのも収穫。鬼たちはわざわざ京まで出向いて人を喰っていた。人食い遠足。たいへんだったなあ。



mousepad.jpg自宅用に使っていた老眼鏡が(使い方が荒っぽいせいで)キズだらけ。あまりこだわらないたちですが、さすがに不便になって、安物を新調しました。いくらだったかな。1万円くらいだったか。

その買い物のついでで、ヨドバシカメラでリストレスト・パッドを購入。手首が楽で、ひんやりフニャフニャしているやつ。バッファローで646円。いい買い物でした。いままでの20年ものは、もちろん引退。もう「リストレスト」とはいえない代物だったからなあ。





内幸町のホテルで、今年はなぜか総勢16人(うち元気な3歳児1名)と盛会。甥姪世代がたくさん参加して賑やかでした。

さすがにこの人数になると、ひとつのテーブルでは無理ですね。なんとなくトシヨリ世代、若者(比較的)世代とふたつのテーブルに分かれて、それぞれが勝手に談笑。もう何を話しているのか不明。

来年はどう運営するか。大人数をどう取りまとめるか。なかなか難問ですね。

長兄はずーっと前に亡くなっていますが、今年は次兄も急逝でした。享年87。乾杯ならぬ献杯を一族の最長老(姉のご亭主)にお願いしました。文字通りの急逝で、ほんの数週前までは元気だったとのことです。合掌。



vaio-win10.jpg2010年購入。妻の年代物Vaio EシリーズをWindows10にしました。

ま、やったことは自分のデスクトップと同じなんですけどね。でもなんせ古くてパワーのないVaioノート。無事Windows10にできるんだろうか。CPUはCeleron P4500、大昔にメモリを8Gに増設し、3年前にHDDを120GのSSDに交換して、なんとか延命措置。

そろそろスマホを買おうかとも言ってるんで、ノートなんて使えなくても大丈夫かもしれないけど、でもねえ。もしバージョンアップ可能でお金がかからないのなら、やってみるか。

ということで、成功。なんとか使えるWindows10ノートができあがりました。



benza.jpg無料につられて、家内と二人、都心までインフル・ワクチンの接種にいってきました。

浮いたお金で美味しいものでも・・という算段だったんですが、あいにくの土砂降り。濡れた傘、濡れたカバンというなりで接種会場へたどりついて、ワサワサした段取りで難民ふうに行列つくって、ま、あんまり冴えない。

接種を終えてから雨の中、坂を降りて店をさがしたんですが、これも何というか。

結局、神保町の天ぷらやさん(天丼や)に飛び込んで食事。ま、悪くない店ではあったんですが。帰ってからノドがイガイガして、はい、風邪をひきました。完治に1カ月かかりました。



pioneer2019.jpgトレイの出し入れが不調になっていた古いDVDドライブを交換。今度もPioneerで3000円くらいだったか。安いものなら2000円程度です。この種のものがべらぼうに安くなった。いっしょに買ったロジクールの定番マウス M500Tのほうが高い。こっちは実質4000円でした。

新ドライブは色が黒で白い筐体に似合わないし、はて、そもそもこの時代、DVDドライブって使うことがまだあるんだろうか。正直、かなり疑問が残ります。

このロジクールのマウス、ちょっと前までは2000円台まで落ちていたのに、なぜか製品全般を一斉改定(つまり値上げ)した。もっと儲けようと考えたのか、材料費が高くなったのか、詳細は不明。迷惑な。




年の暮れに奥歯のかぶせものが落ちた。4年くらい持ったですかね。

その結果、意にそわぬことながら急遽、歯医者に通う羽目に。虫歯の治療、歯茎の手入れ、もちろん歯磨き指導なんかもされるんだろうなあ。ちょっと気が重いです。

歯医者というと、20代の頃に虫歯を1本抜いた。明日も来いというので行ったら歯ブラシを買わされて、びっくりしました。なにしろそれまで歯科医の経験、なかったんです。

60過ぎてから限度がきた感じで、駅前のオバチャン医者のこところへいって、1本抜いて1本はかぶせもの。そのかぶせたクラウンが落ちて(オバチャン医者はたぶんもう引退廃業)新しい歯科クリニックを探して通院。生涯3人目の歯科医ですね。はは。

このトシになって新しいことを体験。なかなか楽しくもあります。ははは。


久しぶりに(というか、何年ぶりじゃ)家族で都心・赤坂へ。サントリーホールで東京交響楽団の第九です。えーと、指揮はジョナサン・ノットという小柄な人。最初から最後まで飛んだり撥跳ねたりして指揮していました。最初から最後まで、出す音も大きい。

独唱の女声はアルゼンチンかポーランドみたいな雰囲気の姐御たち。男声は太りすぎの髭のテナー(トランプの弟ふう)と、東洋人らしいバリトン。例の独唱の導入部分、バリトンの声量が予想の50パーセント増しくらいのボリウムで少しびっくりしました。眠そうな態度といい、日本人じゃあるまいという感じでしたが、あとでパンフを読んだら中国の人らしい。シェンヤン。定評のある歌い手なのかな。

何回かのアンコール拍手が終わって、ようやく客がゾロゾロ退席している最中。だれもいなくなったステージに指揮者がまた顔を出したのは驚き。少数残った観客がステージの近くに集まって、なんか盛んに声をかけていました。そんなに注目の指揮者だったんだろうか。

daiku2019.jpg

4~5年前に奥歯にかぶせた代物・・被覆冠とかクラウンというらしいですね。ま、それが落ちた。手にとってみると銀色のかぶせもので、保険適用だからパラジウム合金なのかな。いちばん奥の上の歯です。このところ食事すると必ずなにかが挟まった。具合が悪くなってたのかもしれません。

痛くもないんですが、落ちた後がスカスカで舌でさわると根っこがギザギザしている。強くやると舌の先が痛みそうな印象。仕方ないなあ・・・と近所の歯科医院を探して行ってきました。たぶん人生で3回目くらいの歯医者通いです。

この10年か15年か、たまに通っていたのは、古い木造モルタル2階でやってる小さな歯科医で、要するに、年配というかかなりお年。まったく気取りのない応対。商売っ気もなくてけっこう好きだったんですが、実は、駅周辺再開発のあおりで数年前に引越してしまったらしい。引越しじゃなくて廃業してしまったのかな。

で、今度のクリニックは、なんというかモダンで広くて、壁から椅子からオール真っ白、ホワイト、ガラスとスチールの感覚。スタッフ数も多いし、治療椅子とかレントゲン室とか、最新設備をそろえてみました・・という雰囲気です。まるで美容院。いいんだか、悪いんだか。

で、初日はなにやらお話をおうかがいして、一本々々の歯を入念チェック。これはC2、これもC2、これも・・・・C2かな。という具合。結果は要するに虫歯だらけで、歯肉も痛んで、ポケットも深くて、見るにたえない。磨き方もなっとらん。ま、そうだろうとは(自分でも)思っていました。納得です。そうそう、ピカピカの部屋でレントゲンを十数枚撮りました。前のオバチャン先生のところとは大違い。

以後は、壮大なスケジュールにしたがって治療していくことになりそうです。困ったことじゃ。とりあえず詰めものして帰りましたが、その日のうちに取れてしまった。で、1週間たってから再訪して、こんどはまず歯垢落とし。助手なのか衛生士なのかよくはしりませんが、女性スタッフがコリコリやってくれました。

最後に登場したセンセイから今後のザッとした方針をお聞きして、詰め物をまた入れて、おしまい。やれやれ。来年は大変だなあ。詰め物、またその日のうちになくなりました

ひと月経過して、ようやく風邪が抜けた気配。長かったなあ。トシとると、遅くなります。

昨日、重いPCデスクを動かして掃除なんかしたせいか、背中が痛む。これも、トシ。何回も引用してますが山上憶良の「沈痾自哀の文」。「四支不動、百節皆疼、身體太重、猶負鈞石」ですね。

「四支動かず、百節みないたみ、身体はなはだ重く、なほ鈞石を負へるがごとし」


pioneer2019.jpgちょっと暇になったので、PCデスクの後ろを掃除し、コンセント周辺のホコリを吸い取る。ついでなので、古いDVDドライブを交換。。今度もPIONEERの製品で、DVR-S21WBK。性能やデザインに文句はないんですが、残念なことに色が黒です。違和感。

うーん、やはり似合わないですね。だいたい最近はマルチドライブそのものが流行らないせいか、各メーカー、色揃えがない。みんなブラック一色です。ゆいいつ日立LGだけは白の選択肢もあったけど、LGだしなあ。

というより、いまどき国産オリジナルなんて存在しないんでしょうね。今回のDVR-S21WBKも、たぶん中身はLGですが、いちおう「PIONEERじゃあ」と見栄をはってるだけマシか。

パーツ王国ニッポンの凋落です。

汚いデスクトップですが、右下部の黒いシールと筐体トップにあるマスコット人形はGateway2000。牛です。面白いメーカーだったんですが。




小学生のころによんだジャングルブック。あとになってラドヤード・キプリングというまっとうな(らしい)作家が書いたと知りましたが、なんせ無知な田舎の子供です、なんか変な本だなあというのが当時の実感でした。

まず、ライオンが登場しない。これはすごく変です。クリを使わないモンブランか、砂糖を入れない羊羹みたい。キリンもいない。カバもいなかった、たぶん。この本を書いた人、アフリカをよく知らないのかなあ・・と案じたものです。

ま、それはともかく。主人公のモーグリ(だったかな)がこっそり人間の村へいくと、連中は奇妙な棒を武器にしている。すこぶる軽いのに、硬い。殴るとすごい衝撃。つまり、竹ですね。ん? アフリカに竹があったのか。ついでに、これが真の記憶かどうか自信ないんですが、モーグリは村人たちの食い物を試す。ゲゲゲッ、なんという味だ。塩がきつすぎる。このニンゲンたちは酷い味のものを食べてるんだなあ。

ほんとうにジャングルブックだったかなあ。でも他に思い当たらない。

ま、要するにジャングルで暮らしているモーグリたちは塩なんて必要ない。十分おいしく果物食べたり肉を食べたり。ん? 肉食べたっけか。肉とすると、誰の肉だろう。モーグリは弱小動物を殺して食べたのか。

ふと思い出しましたが、少年ケニヤというのもあった。山川惣治だったか南洋一郎だったか。たしか名前はワタル。ジャングルで親とはぐれた日本の少年。なぜか菊一文字の短刀を持っている。これが大蛇と友人になったりマサイ族の長槍を武器にしたり。このワタルが塩なしの食事をしていたのかもしれないけど、うーん、違うような・・・。

前置きが長すぎますね。あっ、モーグリの件は、もちろん舞台がインドだからです。キプリングは英国人だけどボンベイ生まれでした。いまのムンバイ。だから悪役に巨大なトラが出てくる。たぶんベンガル虎。

で、まあ何が言いたいかかというと、先日のNHKのシリーズ「食の起源」。題目が「塩」。これは面白かったです。マサイ族に塩をなめさせると、みんな毒でも食わされたように口をゆがめて吐き出す。なんだ、これは、毒か。

関係なくまた思い出したけど、大昔に本多勝一がニューギニアの原始的な山地住民に食塩をなめさせたら、連中もゲッと吐き出した。ふだんは塩分のついた草を焼いてつくる製法で、もっとマイルドな(雑味の多い)グレー塩(藻塩)をつかっているらしい。だから急に純な塩化ナトリウムなんか口にすると、刺激が強すぎて舌が痛い。

しかし塩を拒否するマサイ族、どうやって塩分を体内にとりいれているのか。実は朝晩、乳をしぼってのんでいるんだそうです。だいたい2リットルとかいうておりました。で、乳をしぼられる羊とか牛とかは、時々塩味の土をなめて塩分補給して、だからその乳にも微量の塩分がある。2リットルで平均2グラムといっていたかな。少ない。でも、でもこれで十分。

とすると1日8グラムとか10グラムの塩なんて、かなり多すぎるわけです。しかし「塩」は一種の麻薬なんですね。ひとつまみの塩をふりかけると、たちまち美味しくなる。美味しいからどんどん使う。使うから量が増えてくる。

その仕組み。なかなか面白かったんですが、そもそもン億年前、生物は海中で暮らしたわけですから、周囲の塩分を最大限に利用するような体の仕組みをつくっていた。何をするにも(いちばんありふれた)ナトリウムを活用する。それはよかったんですが、次に生物が地上に上がるという大革命をなしとげたとき、この便利な塩分が手にはいらなくなった。

要するに急に塩分がすごい貴重品になった。で、陸棲動物は必死に体内センサー大改造。ほんの微量の塩分でも捜し当てて、逃さず取り入れるような仕組みを作り上げた。「塩=貴重品」です。チャンスがあったら逃さず摂取する。

こう考えると「塩はおいしい」という感覚は正常なわけですね。間違ってはいない。

ここでもう一段。人間は果物、野菜、穀物も食べるようになった。食料の選択肢が一気にふえるわけで、すごい大変革。ところがその代償として、カリウムの摂取量が増えた。よく知りませんが、バナナとか、里芋とか、カリウムが多いとかなり有害らしいです。

で、このカリウムとナトリウムの関係がややこしい。人体はナトリウムが欲しい。カリウムは排出したい。で、カリウムとナトリウムがくっつくと、いっしょに体外へ出ていってくれる。で、カリウムをどんどん捨てると、ナトリウムが足りなくなる。だからナトリウムをもっともっと欲しい。

なるほど。理に適っている。ナトリウムを「良いもの」と感じ、もっとナトリウムを」と思うのは正しいんですね。で、つい度をすごしてしまう。血中塩分が増え、水分がナントカして血圧がどうとかで血管を損傷する・・(といわれています)

だから、つい油断するとナトリウムのとりすぎ。なるほど・・と感心しました。NHKのこのての科学もの、非常に良質な番組をつくります。番組の舞台まわし補助で出ていたトキオの連中もあんまり出しゃばらず、わりあい好感度アップ。これも珍しいです。(肺魚とかイグアナみたいな役で顔演技をしていた松岡、よかったです)

岩波書店★★★
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これの続きです。1995-99年になくなった人物の評伝、あるいは周辺ゴシップですね。やはり、そこそこ面白かったです。

横山やすし(肝硬変51歳)はケンカも酒も弱かったとか。

長年の東洲斎写楽の研究家だったフランキー堺(肝不全 67歳)。しかし映画が実現したときには、もう写楽を演じるには歳をとりすぎていると宣告され(監督は篠田正浩)、結局は蔦屋重三郎になったとか。

面白かったのが勝新。甘党の若山富三郎は62歳で死亡。対して大酒のみの勝新太郎は65歳。なんか皮肉なもんてす。

そうそう。スタンリー・キューブリックはカーク・ダグラスから「才能あるイヤな野郎」と言われていたとか。あはは。よっぽどクセのある男だったらしい。例の2001年・・・も無理やりアーサー・C・クラークに原作を書かせ、おまけに完成してからも映画にあわせて手直し要求が尽きない。しかも映画化まで本の出版も許さなかったり(クラークはカネに困った)、クラークにとっては疫病神だった。

この本ではないですが、世界一周の途中にセイロンへ寄ったポール・セロー(旅行作家)によると、老化したクラーク爺さんはグチャグチャに描写されています()。セローも底意地悪いやつだけどクラークも老醜。素晴らしい作品残してなおかつ人物も・・なんてのはレアケースなんだろうな。

 本筋に関係ないですが、クラークのセイロン居住はバイセクシャルが理由だったらしい。生涯暮らしたセイロン人の友がいた)

中央公論新社★★★
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同じ作家の「草原の風」というのを読んだことがあり、これは後漢の光武帝の半生を描いた小説。光武帝(劉秀)は湖北の豪族の次男で、一応は劉一族の末裔。若いころに呟いた「仕官当作執金吾 娶妻当得陰麗華」(官につくなら執金吾、妻を娶らば陰麗華)のセリフで後世にも名を残した。ちなみに金吾()は京の警備隊長みたいな地位ですね。衣装が派手でカッコよかったらしい。陰麗華は付近で評判の美女。

で、「草原の風」、なかなか面白かったんですが、でも物足りない。仕方ないんですね。劉秀というのは性格穏やかで、あんまり残酷なことはしない。しかも軍事の天才で体も丈夫。地元で評判の美人と約束守って添い遂げる。その陰麗華もかなり完璧女性。要するにエピソードやスキャンダルがあまりないという困った連中です。だから小説にならない。たとえ書いても面白くならない。

とういことで、劉秀を違う面から描いてみようという試みなんでしょうね。信頼の大司馬(武将トップです)だった呉漢という人を中心に新しい小説を書いた。

呉漢、もちろんまったく知らなかったキャラですが、どうやら朴訥で堅実な人物だったらしい。地面をみつめて黙々と耕作するしがない農民だったけど、なぜか隠れた能力を見いだす人たちが次々とあらわれる。自然にレールをひいてくれる。

軍事面に能力を発揮し、皇帝に尽くした。悪目立ちして殺されもせず、寿命をまっとうした。光武帝、部下をあんまり処分しない人だったらしい。中国の皇帝にしては非常に珍しいです。ついでですが、皇后になった陰麗華も賢い人で、自分の実家にあまり勝手をさせなかった。これも珍しいです。

だから後漢がすばらしい時代だったかというと、それはまた別。後漢200年、なぜか語る人の少ない時代です() 。代々の皇帝が長生きせず、みんな幼くして即位。結果的に外戚と宦官で衰弱したとWikiにありました。この後漢の次が三国志の時代です。


そういえば関ヶ原の小早川秀秋が「金吾」でした。中国のこうした官名をカッコいいから流用して使ったんでしょう。

漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)の金印。この光武帝に朝貢して授けられたということになっています。ほんと、大昔ですね。


benza.jpg先月は都心まで出かけてインフルエンザのワクチンを接種。接種なんて人生初です。たぶん小学生の頃のBCG以来かな。ん? ツ反応の注射が先で、その後がBCGだったっけ。よく覚えていない。

それはともかく。なぜ都心まで行ったかというと、その健保の負担でワクチン代がゼロだったから。地元の市でも補助は出ていたけど、たしか半額くらいだったかな。どうせなら都心まで行ってタダでワクチン受けて、そのへんで遊んで帰ろうという遠大な計画だったわけです。妻と二人で出かけました。

計算外は、土砂降りの雨だったことですね。よりによってバシャバシャ雨。おまけに接種の場所が小ぎれいな診療室なんかではなく、三階だったか四階だったか。エレベータ前に10人ほど待ってるのをみて、なんか予感があった。

1フロアのホールを仕切って、ま、難民収容みたいな印象のところにならんで受付→横の机で書類記入→ならんでチェック→仕切りの中に入って上を脱ぐ(濡れた傘とリュックは長机の上におく)→10人ほど待ち構えている医師(のはず)の前に座るとササッと上膊に注射。ここ、5分くらい抑えててね。

右手で左上膊を抑えたまま、濡れた傘とリュックと衣類一式ひっつかんで、外の廊下へ。そうそう、途中に「お読みください」なんてパンフも置いてあったな。持てるか。で、廊下の窓際にはズラーッと椅子が並んでいて、あいてるのを探して腰掛ける。5分待つわけです。

で、5分たったころ、椅子をたって、狭い片隅でセーター着てウィンドブレーカをはおり、リュックを持って、傘を持って、妻を待って、エレベータにのりこむ。やれやれ。

雨の中を神保町まで歩きました。神田のどこかに「まつや」か「やぶ」があるはずというんだけど、地図も持ってないし住所も調べてない。てんから無理ですね。  ま、古本屋街のあたりをいくか・・・とすずらん通りに入ったら「はちまき」。天丼の店ですが、なんか店名に記憶がある。芥川賞とか直木賞に関係なかったっけか。店の前に江戸川乱歩をかこむ会かなんかの写真も飾ってあった。ひいきだったのか。ま、入ってみますか。

その後の調べで、これは「はち巻 岡田」と混同していたことが判明。銀座ですね。勘違いではあったんですが、神保町の「はちまき」もなかなか良かったです。ちょうど昼時でしっかり相席。天麩羅定食が1000円だったかな。安い。キスがうまい。イカがやわらかい。しつこくなく、フワッと食べられる。

注文するとご飯大盛りにするかどう聞かれます。そういう店らしい。穴子海老天丼が名物のようでした。なかなか面白かったんですが、帰宅してからノドが痛みだし、数日後にはしっかり鼻風邪。定番コースです。雨の中、ワクチン打ちに、わざわざ雑踏へ行って風邪ひいた。笑ってしまいます。そうそう、薬が切れたので、近くのスーパーでベンザブロックS(鼻用)60錠入りを購入。1400円くらいだったかな。非常に安く買えました。これで来年も安心です。

やっぱ、スマホ、必要かなあ。価格体系おちついたら考えるか。

平凡社★★★
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初期のハーバードにはネイティブアメリカンが学んでいた。これは初耳というか、驚きました。なるほど、まだアメリカ独立前の話なんですね。王女ポカホンタスなんかが大活躍(もちろん嘘八百ですが)した少し後です。

英国人たちが入植した、いわゆるニューイングランド。最初のうち地元のワンパノアグ族とはそれなりに友好路線だったようですが、なんせ入植連中は頭コチコチのピューリタンです。蒙昧なインディアンを改宗させようとか、悪魔を滅ぼせとか、ろくなことを考えない。厳格なキリスト教徒の中でもとりわけ融通のきかない連中。

そうした一種の「同化策」としてインディアン少年のハーバード入学もあった。ちなみにハーバードの創設は1636年。マサチューセッツ州ケンブリッジ。ボストンの近郊です。ここにたぶんワンパノアグ族の少年たちが入学し、1665年に卒業したという事実があるらしい。当時のハーバードの勉強なんてラテン語とかギリシャ語とか、いやはや。ご苦労としか言いようがありませんが、ま、非常に優秀だったんでしょうね。

おそらくそれだけの事実を元にして、女性作家が少年と少女のお話を書いた。17世紀のニューイングランドですから、甘いストーリーなんて無理。なかなかに厳しい。そしてインディアン少年も部族と英国、土着信仰とキリスト教の間に引き裂かれ、苦しみ、壊れていく。まもなくこの地ではフィリップ王戦争が勃発。英国人と地元部族との壮絶な戦争ですね。戦争というより、一種の民族浄化。インディアン退治ですか。

ま、そういう哀しいお話しです。

分離派ピューリタンというらしいです。ピューリタンの中でもケッペキ派。英国国教会から分離しようとした。

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