「ジブリの文学」鈴木敏夫

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jiburibungaku.jpg岩波書店★★

鈴木敏夫ってのはスタジオジブリのプロデューサーですね。いまは代表取締役らしい。かなりの有名人です。そのエッセイ集。雑文集。

でまあ、彼の主な仕事は宮崎駿とか高畑勲をなだめたりスカしたり、けしかけたり。そんなふうにしてアニメを作ってきた。ライオンと虎を飼ってるようなもんです、たぶん()。仲間でもあり、飼育係でもあり、調教師でもある。そういえば「おとうさん」という表現が書中にありました。

売れているプロダクションといっても、実はけっこう苦しい。一発失敗したら後がないかもしれない。どこかで書いてます。魔女の宅急便かな。それまでけっこういいのでこの調子・・と思っていたら関係社に「全国のヤマト運輸さん、前売りを買ってくれないんですか?」と難詰された。業界の常識ですわな。とうぜんそうすると思われてたわけです。ボーッとしていた鈴木がプロデューサとして素人だった。あわてて手をまわしたそうです。

で、以後は本気モード。順調に進んでいるとつい楽観がはびこる。千と千尋。「ほっといても、もののけの半分は売れるでしょ」とか周囲に言われて逆に火がついた。猛烈に売り込んで、結果的に記録的な数字を叩き出したそうです。

などなど。ま、全300ページの3分の1くらいはけっこう面白いです()。それはともかく。ジブリと関係できる前、徳間書店にいたとは知らなかった。「週刊アサ芸」。そうか。それで最初は徳間康快がジブリの社長だったんだ・・。

 

先輩から教えられた「ミヤさんとのつきあい方」の秘訣 = 大人と思えば腹もたつ。子供と思えば腹がたたない
作家やアニメ作者なんかとの鼎談がけっこう入ったりもしている。
表紙の絵は鈴木敏夫です。題字もそう。宮崎とか高畑がいるから静かにしているけど、ほんとうは絵にもかなり自信がある。

 

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このページは、kazが2022年10月11日 17:05に書いた記事です。

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