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morrow2.jpg交易所で買い物。あの指輪男からの紹介があったはずなので、たぶん割安に売ってくれているのだろうが、よくはわからない。というより、この世界の取引の方法そのものがまだ理解できていないのだ。私が売りたいものを提示し、店主が在庫のリストを見せ、私が品物を選ぶとトータルの差し引きが出る。粗末な弓と片手用の軽い剣を買う。あまり安くもなかったが革の胴鎧と盾も購入。ブーツはかなりの安物。それでも一応はまともな服装になった。ガウンを上に羽織ると鎧が見えないのがいい。

これからの旅で必要になりそうな回復薬のたぐいも在庫がありそうな雰囲気だし、常備したほうがいいよと助言をしてはくれるが、しかし買う方法がわからない。それとも私の勘違いで、こういう交易店ではポーションは扱っていないのだろうか。

二階がホテルになっているらしい。挨拶をして二階への階段へ向かう。店主たちの視線が私の背を追っているのが感じられる。この連中は信頼できるのか、それとも何か考えているのか。それが不安だ。

ホテルではあまり知能程度の高くはなさそうな男と話をした。ヘンペーソクというあだ名らしい。怪しげな取引を持ちかけてきたが、なぜ初対面の私にそんなことを依頼するのだろう。見張りくらい、自分でやればいいのに。この取引にも、何か裏がありそうな気もする。この町のすべてが、疑わしいといえば疑わしい

town1.jpg何なんだ、この男は。

いきなり近寄ってきた男に、私は思わず身を引いてしまった。Wood Elfというのか、威厳のかけらもない貧相な小男。それともこの愚鈍さは見せかけだけなのだろうか。馴れ馴れしくすり寄ってきて、指輪を知らないか、と唐突に聞く。

もちろん、私はその指輪を持っている。事務所の中庭に転がっていた樽の中に発見したのだ。たいした値打ちのものではない。しかしこんな指輪でも売り払えば多少のGoldにはなるだろう。旅が始まったばかり。何をするにもGoldが必要になることは目に見えているのだから、私は嬉しい気持ちで懐中におさめた。

それなのに、この愚鈍そうな男は指輪を探したい、取り戻したいという。

ほんの少しの葛藤の後、私は親切を演じることにした。安物の指輪。返したほうが無難であることは確かだし、旅の始まりからトラブルをかかえこみたくない。ほれ、この指輪だろ。取り戻してあげたよ。喜びな。

嘘か本当かは知らない。男は近くの店の主人に口を聞いておいてあげると、ニタニタしながら言う。ありがとう。私は一応、礼を言う。確かに買い物をする必要がある。船倉で汚れきったシャツ、汚いパンツ、こんな姿でうろつきまわっていては浮浪人あつかいされるのがオチだ。そう、先ほどの銀器が売れるかもしれない。武器も欲しい。私はその店を探す事にした。

船が着いた。

促され、デッキに上がると、そこは陰気な船着き場だった。ここはどこなのか。私は何を求められているのか。それより、いったい自分は何者なのか、それすらも実は知らない。私は記憶を失っていたのだろうか。あるいは、何か重い病気だったのだろうか。すべてが霧の中のように曖昧だ。頭の芯が痛む。

名前? 水夫に聞かれたとき私は Miyagna と答えた。それが本当に私の名前なのか。尋ねられた瞬間、ふと記憶の表層に浮かび上がってきた文字列。実際には人の名前なのか、地名なのか、あるいは意味もない文字の塊なのか。M I Y A G N A。ミヤーニャ? ミャーナ? それともマイヤナ?  なんとはなく、なじみ深い響きのようにも感じられる。いいさ。なんでもいい。私はたぶん Miyagna。年齢も、生まれもわからない。思い出せない。でも私は私。なんとか生きていかなければならない。

Bretonだな、と管理事務所の老人は言ったようだ。多分、そうなのだろう。私はBretonの女、Miyagna。Bretonにしては多少筋力もある。器用なほうでもあるらしい。それがこの世界でどういう意味を持つのかは不明だが、ここで詮索しても仕方ないだろう。だいたい彼らの話す言葉が私には半分も理解できていないのだ。不明な部分をなんとか類推して理解しているだけ。老いた係官は最後に書類を手渡した。皇帝の解放指令書。私が唯一手にした公文書。おそらくこの世界では、こうした書類だけが私を保証してくれるのだろう。

事務室の奥のだれもいない部屋に銀器が並んでいる。試しているのか? いいさ、試すなら試せ。心を決め、ありったけの銀器や皿をさらいこみ、テーブルに刺さっていた短剣を抜き、とめてあった意味不明の手紙も仕舞い込み、中庭を通って次の部屋に入る。待ち構えていた不機嫌そうな兵士が封印された書類を手渡した。Balmoraへ行き、Caius Cosadesに会え。書類は開封するな。理解しないまま、わたしはうなづく。

ドアを開ける。一瞬、目がくらむ。明るさに慣れると、そこはさびれかけた矮小な港町だった。Seyda Neen。これから私の旅が始まる。

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