続・琴の糸締め

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小雨

白髪の琴屋さんが来て、一面は持ち帰り。それでは困るので当座用の稽古琴(人からの貰い物)のゆるんだ糸を締めてくれました。この安物古琴、一目見て「ベニアですね」と言います。違う木の胴に桐を薄く貼った代物だそうです。確かに品のない琴ではありましたが。でも人の琴をいきなり「ベニアですね」と言わなくてもいいような気もしますが。

糸締めをさりげなく、ジーッと観察。なるほど、わかりました。やはり力まかせではなく腕をテコのように使って糸を引いている。世間話をしながら、キュッキュッと簡単に締めている。

帰ってから妻が弾いてみると、締めたはずの糸の一本はまだ緩かったそうです。いかにも信頼できそうな職人さんふうの雰囲気の人なんだけど。世の中、こういうことが多いんで困ります。