「王子と乞食」 マーク・トウェイン

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角川書店 ★★


prince.jpgま、超有名ですから、誰でも知ってるますよね。ただ、たいていは子供むけの省略版だったんじゃないでしょうか。マーク・トウェインの本って、面白いことは面白いけど、けっこう子供には退屈な部分もあったりします。

で、この本は完全収録版だそうです。なるほど、確かに一味違う。たとえば逃げ出した乞食姿のエドワード王子が森で放浪の乞食軍団とすごす夜の叙述。ヤケになって連中が飲んだり唄ったりというキテレツで悲しいシーンですが、こりゃ子供には難しい。

子供の頃から不審だった「なぜ貧しい騎士は、誇大妄想の少年をきちんと王子としてあつかったのか」というあたりは、やっぱり不審がぬぐいきれないままでした。いちおう説明はしてあるんですが、説得力がない。

思い起こしてみると、私にとってトウェインは「アーサー王宮廷のヤンキー」が○。「オルレアンの少女」は×。この「王子と乞食」は△くらになるのでしょうか。おなじみのものでは「トム・ソーヤー」が○。「ハックルベリー」は△。中短編小説はたいてい○なんですが。