ミームの伝承

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晴れ

日曜日。子供に頼まれたとかで、妻は分厚い本を抜き出して子供の暮らす千葉県へ。勤務先の構内にある宿舎へ行って、掃除をしてあげて、それから銀座へ出て食器棚を一緒に買うのだという。子供は夜勤明けで、まる一日、時間をとれるらしい。ジャムやら何やら細かな食べ物を小瓶に入れていたのは、持っていってやろうということだろう。数枚の皿までいれて、ずっしり重くなった紙袋を両手に下げて出かけた。親心だなー。

夜、帰ってきてから聞いた話。

汚かった宿舎も、けっこう人の住まいらしくなっていたらしい。意外にマメなタイプだったのかな。飲み物なんかもペットボトルを買わず、安いパックの麦茶を買って自分で淹れているとか。ご飯が余るとすぐお握りにしてパッキングし、冷蔵庫にしまっている。おまけに切り干し大根まで作って食べている。切り干し大根ね・・・。そんなものを作るような子供とは知らなかった。

どうも女の子というのは、ふだん見ていないようでも母親の暮らし方や家事のやり方をけっこう吸収し、伝えていくものなのかも知れない。ミームの伝承というやつ。その点、男の子は役にたちませんね。先日も打ち豆の食べ方を妻に聞かれたけど、ぜんぜん知らない。子供の頃は母に言いつけられて打ち豆作り(木槌でトントン豆を潰す)はさんざんやってるけど、あれが生の大豆だったのか、茹でてあったのかも知らない。

味だけは覚えてますが、作り方の詳細はなーんも知らない。この日の夕食も私一人ぶんを作ったんだけど、一つ覚えみたいにシーチキンのオムレツ。思いついて、冷蔵庫で発見したウィンナーを2本、茹でてあった甘いインゲン豆みたいなやつ(名前は知らない)を数本刻んで入れただけマシかな、という程度。

ホンネをいうと、シーチキンは缶を開けたまま醤油をたらしたほうが美味しい。これに白いご飯でもあれば酒も飲めるし食事にもなる。そういえば昼食はインスタントラーメンに冷凍のご飯を少し放り込んだラーメン雑炊でした。このへんは、妻には秘密。

子供が小さい頃、妻が外出のお昼には時折オリジナル卵丼を作ってやりました。醤油たっぷりの鰹節入りタマゴ焼きを、ただご飯の上に載せるだけなんですけどね。卵がまだ固まらないうちに火を止めるのがコツ。お母さんにはナイショだよと口止めするのが常でした。こういう悪いミームは伝わってないだろうな、たぶん。