「強い軍隊 弱い軍隊」 江畑謙介

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並木書房 ★★

江畑謙介の著書は初めて読みます。知り合いの軍事オタクの話では、日本有数の評論家(という言い方でいいのだろうか)だそうで、確かに文章はしっかりしています。情緒的ではなく、論理的。

私は軍オタでないので、詳細部分には興味を持ちませんでしたが、要するに理解できたのは
・日本の軍事予算は膨大。たぶん世界2位。
・英国の軍備と比較しても日本のほうが充実しているかも
・ただ、専守防衛というワケのわからない規制で、実力は不明

問題は日本の軍隊が実際に強いかどうかではなく、世界の国(特に周辺諸国) が、日本を強いと思うかどうかが問題。「抑止力」という考え方ですね。

北朝鮮のテポドンは、実際には失敗した宇宙ロケット打ち上げだったらしい。でも日本にとってはミサイルと思ったほうが好都合なので、国民向けには弾道ミサイルと発表されている。

などなど。面白い本でした。そうそう。日本では「攻撃型空母」を持てないそうですが、この表現は無意味なんだそうです。何が攻撃型で何が防御型なのか、定 義などなし。これもあくまで国内向けの不思議な表現だそうです。軍備はすべて守りでもあり、攻撃でもある。防衛的な兵器など存在しない。