「アマゾンの秘密」 松本晃一

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★ダイヤモンド社

amazonno.jpg「世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか」という副題。読んで損したという本でもありませんが、期待して読むとガッカリします。

著者はアマゾンジャパンの立ち上げ時、数年にわたってかかわった人です。マーケティング方面が専門だったらしい。声がかかった際も「日本進出を計画していることはトップシークレット」で、いっさい口外しないという誓約書を書かされたらしい。

たしかに当時、アマゾンジャパンの発足は唐突な印象でしたね。いきなり!という感じ。あるいは「ついに!」という感じかな。

ただ意外だったのは、秘密にしていた理由が「株価対策」だったということ。てっきり日本国内の出版・流通業者からの反発を警戒しての措置だと思っていた。要するに日本に進出するというニュースが流れると、米国内での株価が大変動する。なんかいつも株価が不安定で、それがアマゾンの弱点だったんだそうです。経営方針もあり、人気の割りにはずーっと赤字が続いていたようですし。

で、肝心の内容。うーん、これといって面白い話もないなあ。創意工夫して実行しようとすると米国本社からストップがすぐかかる。社是に反するとか、予算がかかりすぎるとか。IT化ってなーに?という中小出版との在庫確認のやりとりがネックなんで、これをスムーズにするため、こっそり簡易プログラムを勝手に作成。やったぜ!と喜んだら、これもストップくらったとか。

ま、米国のカンパニーですからね。それでも創業当時は手作り感覚のアットホームな良さがあったけど、今ではダークスーツのMBAが幅をきかせているとか。そんなような雰囲気です。

私、アマゾンにはずいぶんお世話になってます。とくに配送料無料になってからは頻繁に利用しています。もっと安い通販はあるけど、何カ所にもカード登録するのがなんか気分悪いし、とくにアマゾンのセキュリティを信用する理由もないけど、ま、ここが破れたら諦めるかという感覚。

便利さ、スピード、価格。カスタマーレビューもけっこう読みます。ただしお勧めメールはピント外れでかなりうっとうしいです。ときどきヘンテコリンな商品登録もあるけど、ご愛嬌。ウイッシュリストとかいうのは、あやうく騙されそうになった。てっきりメモ機能かと思ったら、とんでもないですね。あわてて逃げました。

ま、いろいろありますが、アマゾンさん、これからも御健闘を。