返送しないと「支給ストップ」という年金繰下げ申告

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日本年金機構から封書。こういう書類、もらって得することはまずありません。たいてい何かの理由で「金を払え」という内容です。

なんだろ?と開けたら「お前は65歳になったので、年金を繰下げする権利がある」・・・というような趣旨。繰上げじゃありません、繰下げ。つまり「私は今のところお金に不自由していないので、とりあえず年金はストップしてもいいですよ」と申請することができるらしい。これをやると、あとで少し割り増しして払ってもらえるらしい。なんとも親切なことです。

念のため。何年か前に年金が開始される前、「繰下げをするかしないか」という選択があり、もちろん「繰下げなんてイヤです」という申請を済ませています。ふんと、冗談じゃない。それは先方さんも承知らしいのですが、でも法律で決まっているから65歳になったらもういちど確認が必要らしい。繰り返しご親切なことです。

それはともかく、要するに繰下げをするかしないか返事をしないといけないらしい。「しない」という場合は選択肢のいろいろいにマルをつけず(選択せず)、年金番号を記入して返送。で、その年金番号を記入する際に、「管轄」が何かも書く必要がある。厚生年金なら管轄を「厚年」と略して書かないといけない。そんな番号、知ってるだろうに・・という気がしますが。

これだけならいいんですが、その注釈を真面目に読むと頭が混乱してくる。数行の中に「厚生年金」「厚生年金保健」「厚生年金基金」と、似通った名称が3つ登場するんです。年金基金ってのは、たぶん会社で入っていた上乗せ部分のやつだろうなと見当がつく。で、厚生年金はたぶん国のやつだろう。すると厚生年金保健ってのは何だ?

あわててサイトで調べました。なんのことはない、「厚生年金」は通称であって正しくは「厚生年金保健」らしい。ひえー、知らんかった。

しかも読み進むと「はい、了解。私はお金持ちなんで、すべて繰下げでいいですよ」という場合は、何も選択する必要がない。というより、この書類を返送する必要がない

なんか、なあ。「わけわからん! どう書けというんじゃ・・・」と頭の中がワヤになって「こんなもん、ほっとけ」という人、必ずいます。すると、放置した人は自動的に「繰下げ」になる。つまり今まで支給されていた年金がいきなりストップする。そりゃ恐慌ですわな。ジイさんバアさん、悲惨です。

意図が見え見え。オカミの意図としては、なんとか繰下げを増やしたい。とりあえず払う金が減るんだから、そりゃ年金機構は助かるでしょう。非常に悪く読むと、何も選択しない(何もチェックしない)人だけが「現状維持・繰下げ拒否」なんですから、だれかが(間違って)チョイとマルをつけたら、即座に「繰下げ希望」になってしまいます。あるいはハガキが汚れて、なんかマル付きにも見えるような・・とか。ま、そんな悪い人は年金機構にいないと思います。たんなる邪推。ひねくれた深読み。

ついでですが、繰下げを希望した人は、そのまま放置しておけばまた(少しイロをつけた)年金が自動的に支給されるわけではありません。自己申告制。その時点で「支払いを開始してください」と自分で申告しないと貰えません。はは。

もう一つ、ついでですが、この返送ハガキ。自分で切手を貼る必要があります。希望もしないのに余計な申告をさせて、おまけに切手代も必要。たいしたことではありませんが、釈然とせず。

強制の介護保険 保険料は最低でも19,400円

と思っていたら、もう一つ来ました。こんどは市役所からです。ふんとに。

内容は「介護保険に入れるようになったので保険証を送るよ」というもの。はい。保険証が入っていました。ありがたいことですが、任意ではなく、これも65歳になると強制的に加入させられるらしい。

でまあ、介護保険はこんなに素晴らしいよ・・という姿勢の文面なんですが、保健なんで保険料が必要。支払ってもらいます。わざわざ支払いしていただく必要はなく、ちゃんと年金から天引きしてあげますよ。

介護保険という仕組み、悪くはないと思います。助かる人はたくさんいるし、恩恵も多いですよね。でも年金暮らしの老人から強制的に保険料をとるんですか。それも乏しい年金をカタにとって、逃げようのない天引きスタイル。年とって不自由になった人のための保健なのに、年とって貧乏になった人から金をふんだくる

その金額、8段階に分かれていて、最低19,400円から最高86,400円だそうです。ちなみに最低は生活保護受給者とか、前年の所得金額80万円以下の人です。この人たちからも年に19,400円をふんだくる

なんか、筋が通らない気がします。所得80万の人ですよ。その乏しい財布に手をつっこんで2万円近くをむしりとる。いいんだろうか。

もちろん介護にかかる費用、こうした保険料だけではなく国家が半分負担する形のようです。半分出すんだから有り難く思え。あとは自分たち同士で面倒見ろよ、ということ。でもなぜ「自分たち同士」なんですかね。

たとえばこれが全額国庫負担、支給に必要な額は増税でまかなう。そういう図式ならまだ理解できます。税金が高いのは誰だってイヤだけど、でも必要なら払うしかないです。ほんとうにイヤなら、そうした社会福祉的な徴税・活用について論議するしかない。「高税・高福祉」なのか「低税・低福祉」なのか、それは国家の大争点でしょう。でもそうした大きな方向は国民ぜんたいで決めるしかないですね。

今回の介護保険システムで気分が悪いのは、なんか「目立たないように、なんとか収支のツジツマをあわせよう」という意図が感じられるからです。モウロクしかかったトシヨリに払わせているぶんには、ほとんど国民の関心も論議も呼ぶことはない。広く皆様から・・というんじゃ大問題になりかねない。うん。ひっそり、こっそり、収支のバランスをあわせる。あんなジジイ連中、たいした発言力ないからなあ。

たしかにそうですね。昔から老人世代がブツブツ文句を言っても、確かに若いひとは無視してきました。私もそうでしたが「いつか行く道」とはけっして思わない。自分とは関係ない。あの連中、年金、ガッツリ貰ってるんだろ。払わせりゃいいじゃん。

ちなみに、たっぷり年金をいただけたらしいという噂のあるのは数十年前までの話です。いまの新規参入・年金世代は、え?と思うような額しか支給されません。なんせ、そういう政府の方針なんだから、仕方ない。年金制度は厳しいんです。でも小額であっても、贅沢せずになんとかつつましく生きていけるのなら文句は言うまい。若い世代に迷惑かけないように、なるべく大人しく暮らしていこう・・とは思うんですが・・・。

ついでですが、この市役所からの通知書 (ではなくて別途の厚生年金基金からの書類だった。えーい、混乱する)にも、同じような「年金繰下げ希望しますか」のハガキが入っていました。書式は違いますが、しつこい。なんで2カ所に返事しなきゃいけないのか。もちろん、こちらのハガキ返送も、50切手が必要でした。

この「厚生年金基金」からの書類には「国の年金を繰下げた場合、こっちのほうも自動的に繰下げになるから注意しろ」と書いてあります。そりゃそうだろうけど、だんだん頭の中がワヤになってくる・・。書いてるほうが混乱してるんだから、読んでるほう(いるのか?)はもっと理解不能だろうなあ。

またまた追記

その後、古い領収書などをチェックしていた家人から「いままでも介護保険料、取られてたみたいよ」と指摘。なるほど。たしかに天引きされてたみたいです。知らんかった。

要するに、いままでも天引きしていたんだけど、正規の年齢(役所の都合で、この時点から各年金関係の名称が切り替わる)に達した今年からは一気に値上がり(3倍程度)するということらしい。ほんと、こういう手続きにうといオヤヂにとっては魑魅魍魎です。

もうどうでもよくなってきた。