「双調平家物語ノート2 院政の日本人」 橋本 治

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inseino2.jpg★★★★ 講談社

書棚で発見してすぐ借り出したのですが、巻1ではなく巻2だった。ま、だから問題になるというような本でもないと思います。

なるほど。本編より、こっちのほうが読みやすいですね。一種の創作ノートなので、核心部分をストレートに書いてくれている。ストレートっていったって、なにしろ双調平家なんで、それなりに晦渋ではありますが。

例によって系図やら年表やらがたくさんあり、なるほどという部分が多いです。いろいろ「なるほど」がありましたが、いちばん印象に残ったのは時系列。時系列というより、事件と事件の間に流れていた月日とか、それが起きた順番ですね。

平家物語(もちろん通俗もの)を読むと、なんとなく首尾が一貫して、トントントンと因果関係の連続だったような錯覚があります。でも、なんか違和感が残る。ここで何故キヨモリは太政大臣になったんだろう、とか、この事件とこっちの事件、同じ時期だったんだろうか、前後があったんだろうかとか。

たとえば以仁王の令旨、新宮十郎行家のどさ回り、頼朝の旗揚げ、義仲の活躍、平家逃亡、屋島・・・実はそれぞれがけっこうタイムラグがある。頼朝決起から壇の浦までだって、印象としてはせいぜい1年とか2年程度なんですが実際はぜーんぜん違う。べらぼうにノンビリしてたみたいです。

バッサリ言うと「みんなヤル気がなかった」ということらしい。頼朝は日本平定などどいう野望はさらさらなかったし、それどころか平氏ときっちり戦争する気もあったのやらどうやら。

みーんないい加減で適当。そういう時代だったんでしょうね。

面白かったんで、「ノート1」も借り出します。