「竜との舞踏 2 3」 ジョージ・R・R・マーティン

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★★★ 早川書房

ryutonobutou.jpgGeorge R.R.Martinの A Dance With Dragonsを買ったのは2年前。大型ペーパーバックの上下2巻本です。で、その上巻にとっかかってある程度は進んだんですが、なぜか続かなかった。ティリオンが巨大大陸の河をダラダラ下っているあたりで止まってしまいました。

ずーっとA Song of Ice and Fireシリーズを読み続けてます。この「A Dance With Dragons Part1」が何冊目になるのか。えーと、6冊目か。

 A Game of Thrones (Book 1)
 A Clash of Kings (Book 2)
 A Storm of Swords (Book 3-1 Steel and Snow)
 A Storm of Swords (Book 3-2 Blood and Gold)
 A Feast for Crows (Book 4)
 A Dance With Dragons (Book 5 Part1)

という順番です。ちみなに上下分冊になっているのは英国版だけ。米国版はまとめて1冊になっているようです。さぞや分厚いんだろうな。

ま、中断はしているけどこれから長い(だろう、たぶん)老後、また読み始める機会はあるさとタカをくくってましたが、先日と図書館でハヤカワ書房の「竜との舞踏」を発見してしまった。あらら。もう翻訳が出てたのか

ただしあったのは巻2と巻3だけ。ちょっと迷った末に借り出しました。巻1は後で借りる機会もあるし、読まなくたってかまわない。巻1の後半部分のストーリーは知らないけど、ま、2巻から読んで訳がわからないということもないでしょう、きっと。

dragon1-2.jpg原書読んでるのに翻訳を先に読んで気にならないか? はい。ぜんぜん気になりません。どっちかというと、楽ちんでありがたい。ただし読後感はぜったいに原書ですね。1行1行に味があって、たまらないです。

特に今回のハヤワカ翻訳は訳者が途中で交代という事態になって、かなりゴタゴタしました。前は岡部宏之、途中から酒井昭伸。どっちも達者な訳者と思うのですが、持っているテイストがかなり異なります。とくに酒井訳で固有名詞を大幅に変更してしまったので、違う小説のようになってしまった。人名の「ケイトリン」→「キャトリン」くらいならならまだ脳内翻訳可能ですが、「ナイツウォッチ」→「冥夜の守人」となると雰囲気が完全に違ってしまう。

ま、なってしまったことは仕方ない。我慢して読むしかないです。

で、2巻3巻を通読。うーん。マーチン御大、ずいぶん風呂敷を拡げてしまったなあ。どんどん話を拡大拡散してしまって、はて、これをどう収拾しようというのか。サーセィは好き勝手やりそうだし、ドラゴンは言うこときかないし、海賊は元気だし、ジョンは大変だし。おまけに北へ行った子供はナニになってるし、苦虫かっつぶした王弟もナンな状況だし。新しいターガリエンは出てくるし。あんまりスッキリするところのない巻でした。

当初の構想ではBook 7までだったとと思いますが、無理ですね。少なくてもBook 9くらいまで伸びそう。おまけにマーチン御大、最近は書くのをサボって楽しいHBOドラマにやたら顔を出してるようだし、巨大な太りすぎはあいかわらずだし、こりゃダメだ。話を拡げに拡げて、そこで突然オシマイ。で、誰か野心家の若手が「構想メモを元にして続編執筆!」とかになりそう。

困ったもんです。なんとか完結まで持っていってほしいなあ。