「エイジ」重松 清

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新潮文庫★★★
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重松清という作家、もちろん名前は知っていたけど、読むのはたぶん初めてじゃないかな。この作品で山本周五郎賞。それから何かで直木賞だったか。気になって調べてみたら「山本周五郎賞」受賞者には吉本ばなな、熊谷達也、荻原浩‥けっこう面白い名前が並んでいます。へんに直木賞とるより確率が高いのかもしれない。

で、この本。えーと、中学生の話です。いろいろあるけど、要するに中学生が何を考え、なにに鋭敏になり、なにを嫌がっているのか。自分のことを思い出してもそうですが、中学生ってのは「人類」に入れないほうがいいですね。幼児 → 子供 → (中学生) → 少年 → 大人 。幼児や子供でひとくくり、少年・大人でひとくくり。その中間の特殊な位置です。あくまで「中学生」という生き物と考えたほうが正しい。

というわけで、ストーリーはあまり重要ではありません。触ったら傷つきそうな肌を持っていて、しかし概観はあくまで鈍感そうな存在。信じられない大飯食らい。何を聞いても答えない。何を言っても反応しない。心の深いところでイジイジと役に立たないことを考え続けている。