「首切りの歴史」フランシス・ラーソン

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河出書房新社 ★★
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何がテーマなのか、焦点の定まらない感じの本。途中で挫折。

唯一「へーっ・・」と感心したのは、首切り処刑というものの成功率。かなり低かった模様です。だからパリのサンソンなんてのが(きっと名人だったんでしょう。ムッシュ・ド・パリ)有名人になれた。

例のスコットランドのメアリー女王なんてのも、一回では首を切ってもらえず、数回かかった。かなり酷かった雰囲気です。ただ、こうした細かい部分を書くと「メアリーは勇敢かつ気高く死んだ・・」というきれいな雰囲気が壊れる。だから、あんまり書いたものがない。

ちなみに処刑人、あんまり手際が悪いと怒った観衆に襲われて殺されることもあった。命懸けだったんですね。もうひとつ、ちなみに。死刑囚は最後まで気高く、予定調和で死ぬことが期待された。神に祈って、短い演説ぶって従容と、なんかが理想。たまに見苦しく騒ぐ囚人がいると、ものすごいブーイング。下手すると群衆からリンチにあう。

死ぬときくらいは自由に・・とはいかないみたいです。