2011年4月アーカイブ

★★ 文藝春秋

「独立・土佐黒潮共和国」が副題。その副題通りの内容です。

yacchare.jpg切り口は面白いんですけどね。書き手も坂東眞砂子だから、それなりには読める。ただしかなりアッサリ味です。なんかの新聞に連載してたみたいですが、連載期間が短かったんでしょうか。

切り捨てられた地方はどうすればいいのか。貧乏県(なんですか?)の高知が住民投票して日本から独立宣言。もちろん日本国は無視して、あいかわらず「県」としてしか対応してくれません。独立したはいいけど高知県にはほとんど産業がない(ないんですか?)。独自通貨の「両」はあっというまに下落して、輸出には有利だけど肝心の品目が少ないし、輸入品がすべてべらぼうに高騰する。

ガソリンなんかは大高騰ですね。車にのるなんて贅沢はできなくなる。みんな自転車です。失業率も上がって、みーんな戦後の日本みたいな状況になります。町の中心部は火の消えたような荒廃。

てな部分はなかなか面白うございました。ただ旧県庁が政府に昇格し、県警が国家警察になり、消防署が消防庁になる・・・というような大変革がどんな具合に進められていったのか、入国管理をどうしたか、電話や郵便は通じるのか、住民は流出しなかったのか等々。しっかり書き込んでくれたら面白かった。ん、それをやると小松左京の「日本沈没」くらいのページが必要かな。

関係ないけど大昔、獅子文六も「四国独立」をサブテーマにした小説書いてましたね。4県合同ならかなり可能性があるかな。ひとつの島が一つの国家になるんだし。

んんん、そういえば「吉里吉里人」もそうか。ただし吉里吉里は完全な寓話というかファンタジーみたいなもんで、独立の実務的な側面はあまり書かれていなかったような気がする。話がスムーズに楽しく進展しすぎるのね。

ま、「やっちゃれ、やっちゃれ! 」、総じて読んで損したという本でもありませんでした。ただし著者の魅力のねっとり濃厚な味はなかったようです。

★★ 三一書房

副題は「オスマン帝国崩壊とアタテュルクの戦争」。非常に分厚い本です。製本の限度いっぱい。かなり注意して扱わないと背割れしそうで怖い。

turk.jpg内容は第一次大戦の後、ギリシャのトルコ侵攻とトルコ防衛戦争。サカリヤ川の戦いからケマル・パシャのイズミル奪還までとでもいいましょうか。イズミルは別名がスミルナです。なんか聞いたことがあるような。

ごくごく簡単に言ってしまうと、第一次大戦の結果、トルコはズタズタに蚕食されてしまいます。決められたのがセーヴル条約というやつで、大国がよってたかって食い物にしようとした構図で、トルコはアナトリア半島の半分くらいの領土しかなくなってしまう。実質的にはもっと少なくなりかねない。

自信を失ったオスマン帝国はこれに従おうとします。国がみすぼらしくなるのは辛いですが、それでも存続は存続だから、ま、いいや。イスタンブルのカリフ・スルタンとか、支える政府官僚とか、ま、生き残ることはできますわな。

ところがこのアナトリア半島分断に従おうとしないのがアンカラ一派。もちろん親分はあのケマル・パシャですね。帝国からすると困った連中です。首都の皇帝が「負けたんだから従え」というのに、地方のたとえば仙台とか福岡あたりの跳ね上がり連中が「いやだ。おら従わないぞ」という。イスタンブル政府の面目まるつぶれ。

で、まあ当時のトルコはしっちゃかめっちゃかで、政治的には明治維新前夜みたいなもんです。勤皇に佐幕、開国に鎖国、条約反対、いやいや文明開花だ。そこに世間知らずの天皇の思惑もあって、いやはや。もっと悪いことに英国やフランスなどの外国勢もちょっかい出してくる。ま、そんな雰囲気なんでしょう。トルコの場合は英国、フランス、イタリア、ソビエト、ギリシャなんかが絡んでたみたいです。ついでにアルメニアやクルドやアラブ、もうグチャグチャですね。ちょっと前にはアラビアのロレンスまでラクダに乗って走り回ってた。

で、立役者ロイド・ジョージにそそのかされ、ビザンチン帝国再興(ヘレニズムの栄光かな?)の野望に燃えたギリシャがけっこうな大軍を擁してアンカラめがけて攻めてくる。よく知りませんがアナトリアの内陸部ってのは荒涼とした場所が多いみたいですね。補給線が伸びきって、やっとの思いでたどりついたのがアンカラを間近にしたサカリヤ川です。

立場の苦しいケマル・パシャはアンカラ議会に「3カ月の期間限定独裁」を求め、議会の政敵たちも「3カ月ならいいだろう」ってんでこれを承認。3か月たって改善されないなら辞任してもらおうぜ、ということです。フリーハンドを得たケマル・パシャは、いわば国家総動員法を発令します。かなり強引な法令です。そしてトルコ軍はサカリア川の防衛戦を凌ぎきる。ケマル・パシャってのは政治的にも軍事的にもやはり天才なんでしょう。

サカリア川防衛でアンカラ政権はホッと一息。するとにわかに周囲の雰囲気が変わってフランスなんかも色目を使ってくる。ソビエトもいろいろ支援してきます。亡命していた汎トルコ主義の政敵もガッカリして諦めムードになる。

で、ついに念願のトルコ軍の反撃開始。「エーゲ海まで進軍!」の掛け声とともにギリシャ軍陣地を撃破して商都イズミルへ進軍です。ま、こんなふうなのが希土戦争のいきさつなんでしょう。


やれやれ。ようやくたどり着いたか。「トルコ狂乱」です。以上のようないきさつやエピソードはいろいろ書き込まれていて、ま、それが理由で手にとった本なんですが、小説としては(一応は小説です)三流です。人物がみーんな超うすっぺらで、まるで天地人の登場人物たちみたい。

ケマル・パシャは血の通わない聖人君子か優等生みたいで、まるで新選組!の局長状態。神格化されすぎたヒーローってのは、まったく魅力がありません。人民も軍人もワンパターン演技の大根揃い。英国のロイド・ジョージは悪魔のように狡猾で(トルコ人にはよほど嫌われてるんだなあ)、帝国派はみんな臆病でいやな連中で裏切り者。登場してくる若い男女は五流のライターが書いた脚本のような恋愛ゲームを演じます。

小説としての面白さを期待しちゃいけませんね。要するに多くのトルコ人たちがこの戦争をどう見ているか、指導者のケマル・アタチュルクをどんなふうに英雄視していたか。英国人やギリシャ人をどれほど嫌っていたか。あくまでトルコ人によるトルコ人のためのお話と考えるべきでしょう。こんな大部な本なのに、トルコでは空前のベストセラーだそうです。

通読すると、いまでもトルコ軍がギリシャへの警戒と憎悪を忘れない(たぶん)理由がわかります。ギリシャ人がトルコを恐れ嫌いな理由もわかります。ついでに、EUがトルコの加盟に消極的なのももっともだなあと理解できます。なんせ異質なアジアだからなあ。

このトルコの例、清国の例などを考えると、日本の近代化・明治維新というのは実にラッキーというか希有なケースだったんでしょうね。歴史的に絶妙なタイミングと地理的な遠さ、そして膨大な数の戦士階級(武士)の存在、エキゾチックである程度尊敬さるべき工芸のクォリティ、しかし手を出したくなるような産物・資源の完全な欠如。

トルコ、大変だったんだなあ。いまでも大変そうだけど。

本音としては、大酒のんでチェーンスモーカーで強引で果断で冷血でイライラしている天才ケマル・アタチュルクを描いてほしかった。無理か。

hoarder.jpgときどき、やってます。現在はレベル16。

退屈してきたのでRetroにもどりこみました。しっちゃかめっちゃかドアを潜り続けるとたどり着く蚊とり線香みたいなグルグル廊下です。レベル16だと、空中浮揚のお面連中がけっこう大敵ですね。でもなんとか退治して、いよいよ本番のHoarderいじめ。

皮が超固いです。気長に気長に叩いてHP40くらいまで持っていきました。うまい具合に気絶してくれたんで、ちょっと退避してセーブ。これからSword of 4 Windsが落ちるまで延々の繰り返しです。たぶん100回くらいは必要でしょうね。

暇つぶしにはちょうどいいです。

あんまり評判がいいらしいので「JIN-仁」の完結編第1話、試しに見てみました。ふだんはこのテのものにあんまり興味ないんですが、なんせ大河ドラマがあまりに酷いので、代替ですね。ふんとに。江、なんとかできないのか! 最近は敬遠して他の局にまわしてます。

酷いといえば、篤姫も酷かったです。でもまぁ、許せる部分もあった。風林火山もお姫様が出てくるまではマズマズでした。えーと、それから、そうそう。天地人は最悪。あのフニャフニャした男がなんでみんなの尊敬をあつめて、おまけに々々なんじゃ。北斗七星で紅葉で義ですか。

直江山城という人には興味があったんで、どんなふうに作ってくれるか期待していたのが120%裏切られ。どうもNHK、主人公がこれっぽっちも「悪」の要素があっちゃいけないと思い込んでる。人を切るのかショックという若者がどうやって自分を作り直してひとかどの武将になり、天下に知られるやり手の政治家になったのか、そのへんを描いてほしかったですね。

ついでだ。あの新選組! 非常に良かったと思ってます。ただ惜しむらく、あの重みのない局長だけが酷すぎた。鬼の局長を虫も殺さぬ善人にしてしまったんで、ストーリーが完全破綻。優香なんて可哀相なくらいアホ娘に見えました。その他の部分は三谷脚本、けっこう評価できたんですが。やっぱ、NHKに気を使いすぎたのかなあ。それとも某事務所からのプレッシャーか。

まま、思い出しても仕方ない。JIN-仁ですね。

ふんふん、なるほど。エピソードてんこ盛り。無理はたっぷりありますが、民放ドラマです。十分に許容範囲で、暖かい目で見る限り、非常によく作られたドラマだなあと感じました。

内野聖陽の竜馬、暑苦しいけど、なかなか良いです。ひたすらハイテンションでうるさくて、雰囲気よし。それにしても「無愛想な竜馬」ってのを、どこかでやってくれないかなあ。たいした根拠はないんですが竜馬という人間、ふだんは目つきも悪くて無愛想で、でもニカッと笑うと非常に魅力的・・・というふうに思い込んでいます。

なにがなんでもゲタゲタ笑ってると疲れるだけですよね。

拾い物は久坂玄瑞。林泰文という役者ですか。存在感があった。「間違えるなよ」という久坂の描き方も、それはそれなり。悪くない解釈と思います。切腹シーンもウジウジしてなくて秀逸。(切腹といえば「新撰組血風録」第3回の新見錦の憤死も悪くなかった。はい。これも一応見たんです)

西郷さんの藤本隆宏も悪くなかったですね。締まった太り具合がなかなかで、顔が心底善良・健康そうすぎるののか少し難なものの、あとは合格点。あっ、そうそう、ここでも新撰組局長はあきまへん。新撰組を飢えた狼の群れのように描くのはアリと思いますが、でもせめて局長には局長らしい存在感がないと。ズラリと並んだ中でどいつが近藤なのか見当もつかない。

そういえば、去年の竜馬伝でも、原田泰造の局長はアホ役やらされてましたね。たしか女に薬を飲まされていたような。コミックな脚本もいいけど、しらけるような描き方はあきまへん。なんかのドラマでは福島正則が投げ飛ばされてたなあ。あれはなんの大河だったか。もう覚えてません。

普段は近くの公園にいくのですが、今年は諸般の事情で都内まで遠征。どこにしようかな・・と迷ったあげく、名所と聞く千鳥ヶ淵で花見としました。

chidorigafuchi.jpg調べると地下鉄の九段下か半蔵門が最寄りのようです。で、娘と九段下で待ち合わせ。

いやー、予想以上の人出でした。祭りは中止で出店もないから多少は静かかと思ったのですが、それでも凄いです。九段下の2番出口を出ようとしたら規制がかかっている。下りる人と登る人を分けて整理してるんですね。

仕方なく道路を隔てた1番出口の階段をひたすらえんえんと上って(エスカレータ停止)、靖国神社のほうにポコッと出ましたが、向かいの2番出口を見ると信じられないような数の善男善女が列をなしています。日本でなければ暴動になりそう。

けっこう怖い思いをしながら(まさか橋が落ちないだろうな)牛歩で歩道橋をわたり、千鳥ヶ淵の緑道へ。

たしかに立派な桜です。お堀にそって歳経た豪勢な桜がならんでいる。夢幻というか幽界というか、不思議な世界ですね。なんでも幹から花が咲くようになると老木の証拠とかいいますが、ここの桜はほとんどが幹から花を咲かせています。

人の流れにそって、少しずつ少しずつ進むしかありません。例年は屋台がならぶらしいけど、こんな人ごみのどこに店を開いているんだか。シート敷き禁止の中で、脇の石に腰掛けてなぜかグラスでワインを飲んでいる御夫婦もいました。ボトルは地面におかれていて、すこし傾いている。ごった返している中でグラスというのが奇妙におかしいです。

などなど。夕方になってから場所を移して、肩の凝らないイタリアンで食事。喉がかわいてビール3杯のみました。3人でトータル9700円ほど。美味しい店でした。

やれやれ、これで今年の花見もおわり。千鳥ヶ淵というところ、一回は行ってみて損はないですが、また行こうとは思いません。なんせ人が多すぎるし、やはり花見には食べたり飲んだりがともなわないと少しもの足りません。

所要で市ヶ谷へ。

桜がけっこう開いていますね。駅前の小さな公園ではケータイで写真とってる人も数人いました。

例年、ちかくの小金井公園へ家族で行くことにしているのですが、今年はどうなんだろ。もう数日で満開の雰囲気なんで、週末は散りぎわかな。日中の花見を自粛する理由もないと思ってます。いつもの通りにテントを並べてビールやヤキトリを売ってもいいような気がするんですが。

帰路、大型電器店をうろついてみましたが、単一乾電池はまだ出ていません。並んでいるのは単三とボタン電池だけ。店内も照明を落としているし、電車の車内も照明が消えていました。たいして不便もありません。

ただし駅のエスカレーターも止まっていて、これは少し難儀。:電気をくうんでしょうか。長い階段をひたすら登ったり下りたりはけっこう足にきます。階段の途中で一息ついている人がけっこういました。

昨日はSony ICF-29が到着。

sony-29.jpg外観はかなりクラシックというか、数十年前のラジオといった雰囲気です。プラスチックの筐体はいかにもMade in China風のくすんだ黒。決して高級感はないですが、ま、しょせん3481円ですから文句言っちゃいけません。あんがい、周囲の景色にすぐなじみます。

「お試し用」の単三が4本入っていました。一応はソニーブランドですが見慣れない銀色の乾電池で、たまたま強く握ったら外皮がギシッと動いたようです。クワバラクワバラ。どういう点が「お試し用」なのか少し怖いので、なるべく早く市販品に変えるつもりです。

固めのダイヤルを回していると何十年も前に戻ったような錯覚があります。けっこう感度はいい雰囲気ですね。ちょっと回すとパッと局が切り変わる。ただ、聞き慣れていないのでどこが何の局なのか皆目見当つきません。ま、そのへんは気長に。

そうそう。ジェントスのランタンはかなり気に入ったので、そのうち単三の使えるエクスプローラー EX-757MSも探すつもりです。急ぐ必要はありません。ゆっくりゆっくり、安い頃合いを見計らって購入する予定。

jtsex777.jpg30日に注文したランタン、GENTOS エクスプローラー プロ EX-777XPが昨日届きました。ふだんの市川の物流センターではなく、今回は大阪の尼崎から発送のようです。

さっそく開封。しまいこんであった単一マンガン乾電池を3本入れて試してみました。

ふむふむ。なかなか良いです。評判通りかなり明るいですが、想像していたように「眩しい」というほどでもない。しばらくテストしてから、乾電池を外して仕舞い込みました。このところ暖かいので、しばらくは停電もないのではないか。電池を入れておくとかすかな点滅ランプがつくので電池が少しずつ消耗します。

◇ サイズは適正です。邪魔になるとか圧迫感があるというような大きさではありません。これくらいの大きさがあったほうが使いやすいという印象でした。

◇ デザインもまずまず。プラスチックなどはもちろん安物ふうですが、でも劣悪というほどでもない。台座部分はデーブルに置いても滑りません。思ったよりも頑丈に作ってあり、どっしり重くて安心という感じです。人によっては「可愛い」と思うかもしれません。

◇ 電池を入れるのは評判どおり、かなり難しいです。本体とフタの切れ込みを上手に合わせないと閉まりません。よほど器用な人でない限り、一回では成功しないでしょう。ましてや暗いところで電池の入れ換えはまず不可能ですね。

◇ 光度は十分にあります。ちょっと赤っぽい光。テーブルに置いておけば、余裕で新聞を読んだり、書き物もできます。HighモードとLowモードがありますが、通常はLowモードでも十分な気がしました。(Lowモードのほうが長持ちするし実際的という話もあるらしい)

◇ スイッチを切ると小さなLEDが点滅します。ただし点滅の間隔が長いし、LEDそのものが小さな穴に陥没していて非常に見にくい。ピッタリの角度に目を置いて注意して眺めないと気がつかないでしょう。

◇ しかもこのLED点滅のおかげで、スイッチオフにしてあっても1年で電池が終わるとのことです。使いにくくて役に立たなくて、しかも電池を消耗させる。オフにするモードもない。このランタンの最大の欠点です。

などなど、多少の文句はありますが、でも総じては優良商品ですね。これで危険なローソクを使わずにすむ。2970円で安心を買うことができました。奥さんもけっこう気に入って、喜んでいるようです。


アーカイブ

最近のコメント

このアーカイブについて

このページには、2011年4月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2011年3月です。

次のアーカイブは2011年5月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

OpenID対応しています OpenIDについて