2021年3月アーカイブ

日本経済新聞出版★★★
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なぜか池澤夏樹の小説とは相性が悪くて、面白かったのは唯一(初めて)「マシアス・ギリの失脚」だけです。あとはみーんな途中で挫折した。あ、小説以外なら大丈夫。

で、今回。ワカタケルは「大悪天皇」とも称された雄略天皇。乱暴で野望むきだしの強い人だったらしい。発掘された鉄剣の銘に名が彫られていたような。新聞で見たような気がします。

なんせ大昔、黎明のころです。王である兄の死後、ワカタケルは競合する継承者を次々に殺して強引に大王位を獲得、夢見の妃や女、豪族たちの協力を得てしばらくは君臨し権勢をふるった。そして衰え、支持を失い、消えた。

人も、神も、動物も、みーんな混在、なにが起きても不思議ではない混沌の時代。ギリシャ神話の世界にも近い。ま、そんな雰囲気をつたえるような一冊でした。関係ないですが、表紙の絵は神使(つかわしめ)のカラスやキツネでしょうけど、「・・・・」ですね。なんとも云いがたい。

Word 2019を使ってみると、なぜか古い「.doc」ファイルのアイコンが白いまま。テキストファイルのような色です。ためしに「.docx」なら、いちおうそれらしいWordアイコンになります。

これ、いろいろ調べたけど解決できず。専用修正ツールを立ち上げたけどダメ。もっと時間がかかるという「オンラインなんとか修復」をかけてみたら、あらら、Wordのプログラム本体が消えてしまった。ショートカットもリンクが切れてる。スタートの「設定」とか「コンパネ」でも本体が見つからず。見つからないから、削除もできない

しかたなく、ナントカカントカというMSのツールをダウンロードして、無理やりプログラムの破片(だろうな)を掃除。きれいにして、それから再度インストールを試みました。できるはずです。

しかしこれもややこしい。トライして、拒否されて、また違う入り口を探して「プロダクト番号が違う!」とか叱られて。もうわからん。違うプロダクト番号を発行してもらって(どういう意味なんだろ。不安)、ようやくインストール。

ドサクサに紛れてウィンドウの配色デザイン(WinAeroTweaker使用)が元に戻っているのをまた作り直したり。ほんと、いろいろあります。

RX-600KI.jpg 別件。NTTから光電話用の専用ルータが届きました。レンタルです。ううう、でかい。計ったら高さが22cm以上。NTTのロゴが雄渾。巨大な弁当箱です。ネットで調べたら沖電気の製品らしい。

ちなみに使用中の無線ルータ(NEC Aterm)のサイズは高さ14cmです。印象としては2倍ではなく3倍くらいかな。照ノ富士と炎よりも違う。これをリビングの電話の横に置くのか・・()
ならべてみた→

容積比を計算したら(しつこいぞ)ザッと4倍でしたね-------。あはは。中に何が入ってるんだろ、空気の他に。

いまのところの予想では、電話の横の狭い場所にVDSLモデム、NTTレンタル光ルータ、NEC無線LANルータ(ブリッジモード)の予定。もちろん電圧変換アダプタも3つで、これもデカい。笑うしかないです。

事情あって光電話を入れることになりました。ま、事情ったって「安いから」ですけどね。光電話の弱点といわれていた「停電時の不通」だって、これだけスマホが普及してしまうとあまり意味がなくなる。

で、有線LAN接続だったデスクトップPCを、無線LAN接続にする必要が出てきました()。「電話」と「PC」が離れているからしかたない。ずーっとLANケーブルを延ばすわけにもいかないし。

最初に思いついたのは古典的LANカードです。PC内部のPCIポートかなんかに差す。でも調べてみたら、けっこう様相が変わっていた。つまりPCIに差すんじゃなく、USBポート利用のアダプタが一般的になっている雰囲気。ふーん。USBで速度、出るのかなあ。

てっきりバッファローとかエレコム、I/Oデータあたりかと思ったら、TP-Linkという会社がブイブイ言ってるんですね。もちろん中国です。安くて、早い。信頼性もたぶんあるんでしょう。価格コムで見ると上位を独占している。もう定番商品というイメージ。

tplink.jpgノートPCに差すのなら小型アダプタがいいだろうし、必要ならアダプタからアンテナを延ばす。しかし部屋のすみっこに置いたデスクトップです。筐体の裏側に小さなのを差しても、陰になって電波が届かないんじゃないだろうか。そんな心配をしていたらありました。TP-LinkのArcher T4U Plus。ケーブルを延ばしてアンテナを開けた場所に置けるモデルです。USBも3.2 Gen1。

というわけで手に入れて設置完了()。有線ケーブルを外して試してみました。ルータが近いので(よくわからないけど)モードは11aを選択。

結果。日中で下りは32-33Mbps程度。有線接続とほぼ同じレベルでした。有線が遅い!ともいえますが、なんせ銅線使用のVDSLなんでしかたない。本音としては無線で同じ速度が得られるとは想像していませんでした。世の中、変化しているんですね。

いまどき「無線LAN」は使わないのかな。世間にはやたら「Wi-Fi」という言葉があふれていて、こっちが当然という雰囲気になってる。はい。最初に「Wi-Fi」という言葉に接したときは「?」でした。ラジオなんかの用語と思っていた。

ケーブルはかなり硬くて太い。本体+アンテナ(15cm程度)はかなり軽い。うかつに触ると転びます。

Word 2019

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根負けして、とうとう新しいOfficeを買いました。ただしWordだけです。Word 2019。1万円台の半ば。たった1本だけとはいえ、けっこうな値段です。(Excel 2019までは手が出なかった)

買ったのはいいですが、いざダウンロードしようとするとけっこうトラブリました。MSのソフトって、どうもそういうクセがありますね。単純ではない。ストレートな「こうだろう」という読みを必ず外してくれる。購入した製品をダウンロードするだけなのに、不思議にできない。

指定のサイトに飛んで、正門からサインインして、いざ製品を選ぼうとするとなぜか「Office 365」の脇道に誘導。違うんだってば、365じゃないのに・・・()  なぜかそっちの道に行かされる。

何回かトライしたあげく、しかたなく「Word ダウンロード」だったか「インストール」だったか、露骨な検索ワードを試して脇玄関を探してようやく成功しました。(確認しようと再トライしたら、また失敗した。語句が少し違ったのかな。正確な検索でないと無理らしい)

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で、なんとかインストールして、いろいろな「マイクロソフトに報告する・・」「提供する・・」の類のオプションをすべて拒否して、ようやく使用画面を立ち上げた結果は、ま、やたら派手です。やたらオセッカイな機能がてんこ盛りらしい。時間を見て、少しずつ削る予定。

推薦のOffice 365なら毎年稼げるから。そっちにしてほしいんでしょうね。「え? 単品永久版を買うなんて不届きな・・」という憤りが感じられる。

後で知ったけど、非常に安いのも売られてるんですね。企業向けのボリュームライセンス版を小分けしてるような様子。たぶん違法ではないんだろうけど、グレーの雰囲気です。


なんかこのところPCのシャットダウンに時間がかかる気がしていました。不審。

まさか・・とは思いつつも、念のため確認。あらら。やっぱり「高速スタートアップ」が有効になってた。これにチェックが入ると起動は少し早くなるけど、そのかわり(要するに現状内容を一時保存して、それを起動で読みこむ仕組みなので)問題もいろいろ生じる。しっかりチェックを外しておいたのに、戻っている。

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おそらくどっかの時点でのアップデートでしょうね。勝手にユーザの設定をデフォルトに戻したりするらしいという知識はあったけど、本当にそうなんだ。()

ご用心です。

こういうことをやるから嫌われる。ほんと、わるいクセでタチの悪いオセッカイ。

緊急 辞退 事態宣言の解除理由。小田島隆によると「成績の上がらない中学生が勉強をやめる時の言い草」だそうだ。

なるほどなるほど。確かに。去年出たばかりという新刊()を買おうか・・と一瞬思ったほどです。

『災間の唄』小田嶋隆/ 武田砂鉄 (サイゾー)

早川書房★★★
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だいぶ前からHBO(米ケーブルTV)の連続ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」がすごい人気らしいです。

見たいけど、もちろん有料。次々とDVDも出ていますが、高い。とうてい買える値段じゃないです。(5年か10年待ったらどこかの局が放映権を買ってくれないかなあ)

ま、そもそもは超長編歴史ファンタジー「A Song of Ice and Fire」のドラマ化です。ただ最初はそうだったけど、原作のマーティン親父ってのはテレビ畑で脚本やったりプロデューサやったりという人間なんで、たぶんテレビのほうが面白い。そのうちどっちが本業か不明になって、小説は未刊なのにテレビのほうが先を行く。へんな方向になってきた。ようするに本がなかなか刊行されていないわけです。

というわけでみーんな続編(第6部は「The Winds of Winter」の予定 )を待ってるのに、いつになっても出ない。もうダメかな・・と半分あきらめてたら()、こんな「炎と血」の巻1 巻2が書棚に並んでた。びっくりです。

あわくって借りたんですが、やはり続編じゃなかったです。本編の300年前かな、東の大陸のターガリエン家が、ついにブリテン島そっくり(ただし巨大)のウエスタロスに侵攻。たいした軍勢ではないんですが、なんせ3頭の竜をあやつる王と二人の王妃=姉妹がいる()。どこにでも飛んでいって、空から猛烈な火を噴く。どんな堅城も対抗不能です。

で、それからあーだこうだ。ターガリエン王朝と一族の年代記ですね。最初は兄弟姉妹の結婚に対して伝統宗教が抵抗。それがおさまると、今度は領主たちの権力争い。王家姉妹のケンカ。兄弟の競り合い。裏切り。殺害。予想できそうなことはすべて発生します。

そのうち争いは激しくなって、お互い竜をもってるから被害は悲惨ですね。飛ぶ。火を吹く、噛みつく、ひっかく。殺した敵は(肉親でも)自分の竜に食わせる。殺された側は憎しみを蓄積させ、怨嗟の連鎖。

そうやって殺し殺され、ターガリエンの竜たちは消えてしまった。ここでは描かれませんが、やがてターガリエン最後の狂王は倒され、新しい王家が立ち、そしてまた戦乱の7王国の世になり、しかし生き残ったターガリエン末裔の王女は逃げ延びた大陸で竜を孵化させ・・・・というのが本筋の「氷と炎の歌」です。

ま、それなりに面白くは読みましたが、こんなん違うぞ。早く本編の続編を書け!


いちおう7部までで完結という話ですが、現状はまだ5部まで。それぞれが上下巻とか分厚いし、次の6部もはたして刊行されるかどうか。なにしろマーチン、いまにも死にそうな過度の肥満体です。運動しろ!
ターガリエンは血族結婚です。紫の瞳、プラチナブロンドの髪の美形だけど、時折へんなのが生まれる。

中央公論新社★★

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現代の中国人作家を紹介する本・・・ですね。飯塚容は翻訳家・編者です。

いちばん高齢らしい高行健をのぞけば、よく知っている作家たちです。これにノーベル賞の莫言を入れると、ほぼ完璧。現代中国を代表する作家ということになります。

個人的な好き嫌いでいうと余華は「ほんとうの中国の話をしよう」「血を売る男兄弟 文革篇/開放経済篇」。
閻連科なら「父を想う」「炸裂志」。
本音としては莫言のほうが好みで「転生夢現」か「白檀の刑」か。どっちも傑作。

ということでそこそこ面白く読みました。高行健という人、中国籍を抜けてフランスで本を書いたらしい。傑作といわれるのが霊山で、これがノーベル文学賞。ただし中国政府は完全に無視した。あんな奴。
で、ずーっと知らん顔していた政府だけど、そのうち比較的穏健な莫言も受賞したときは正直に大喜びした。(大昔のパステルナークの受賞辞退騒ぎを思い出します。ちなみに詩人で、ドクトルジバゴの作者。スターリン時代かと思っていたけど調べたらフルシチョフだった)


ついでですが、莫言を体制内の作家というのは少し違うと思います。たしか作家協会かなんかの副会長です。みるからに体制派に映りますが、この副会長ポスト、たしか6人だったか10人だったか ()。このポストを受けさせることで体制サイドは少し安心できる。

ま、作家にとっても無難な位置ですか。体制に100%従う気はないけど、だからといって100%反抗はしない。ほどほど50%とか70%とか。それがオトナというもんでしょ、たぶん。そういう農民的なしぶといチエでしょうね。

それはともかく。図書館の棚に「霊山」はずーっとあった記憶。厚いんで遠慮していた。勇気をだして借り出してみますか。

別件ですが「・・・愚かしくも愛すべき中国」というタイトルはあまり好きになれません。そういう視点からとりあげなくてもいいような気がする。副題の「なぜ、彼らは世界に発信するのか? 」も余計。蛇足。ヘビの足。

2011年、中国作家協会の14名の「副主席」の一人として選出されている。 ノーベル賞受賞はその翌年。
日経BP★★★
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日経ビジネスの「ア・ピース・オブ・警句」から拾ったもので、これが5冊目になるらしい。小田嶋隆のかなり人気のネットコラムです(たぶん)。

ネットではたいてい金曜日に新しい記事が掲載されて、その日いっぱいは最後まで閲覧可能。曜日がズレると1ページ目だけしか見られない。ようするに会員登録を推奨・・だったはずです。でも最近は非会員は当日でも1ページ制限になってしまったようです。

登録ったって無料ですけどね。いや、ちがった。無料会員は月に3本だけ無料だそうです。毎週更新の記事なら、月に1本は読めない理屈で、うまく設定してあります。ただどこでもそうですが、有料会員制というのは苦労している雰囲気。なんか「ネットはタダ」という気分がまんえんしているんで。

そんなことはともかく。知ってる人はしってる。知らないひとに説明するのは難しい。なんせ小田嶋のコラムですから。で、最近思うようになったのは、この人、ようするにケンカが好きなんだな。ケンカの知的緊張感ですか。

ケンカ。挑発といえばホリエモンです。今回の本は2015年刊行ですが「堀江がJリーグにウンヌン。お願いだからヤメてくれ」みたいなことが書いてある。え?と調べたら本当なんですね。2015年にリーグアドバイザーに就任。月3万円とかいう記事があった。ひぇー・・知らんかっいた。

そうそう。巻末に森本あんり氏との対談がある。高校の同学年らしい。都立小石川高校。森本あんりってのはICUの教授で副学長で牧師。この二人の話は面白かった。どうやらそのあんり氏が「反知性主義」の本を出したらしく、それでオダジマの本もちなんだタイトルになったのかな。

反知性主義ってなんだ? 米国の初期のピューリタン連中ってのはようするに「知性主義」だった。それも極端な。牧師はみんなハーバードとかイェール卒業です。インテリ。そもそも牧師育成が大学の目的だったんだから当然ですか。

で、そうした「知性的」な宗教に対する反発から大覚醒運動、俗なリバイバリズムが誕生した。いまでも米国で大人気の巡回牧師とかテレビ伝道とかですね。歌をうたったり踊ったり。わかりやすい。日本でも中世にそんな踊り念仏があったような。ひらったく言うと、心から信じる者には褒美があるぞ。神とのギブアンドテイク契約ですか。

言葉をかえると反権威主義です。米国ではこの系譜がずーっと続いて、たぶんトランプなんかもそう。「嘘つきトランプの支持なんかやめろ」と言ったって、そもそもそういう偉そうな言い方に腹がたつんだから仕方ない。ポリコレ反対。こうした底流の感情をしらないと、真のアメリカを理解できない。

なるほど、でした。


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